ソロモンズマジック

くんもり

第7話 エンペール

さぁショータイム。。

桐谷翔がエンペールに殺された...この事実を知ったソロモン龍鬼は詳しく事情を聴くためにすぐに警察に向かうが警察官たちは既にエンペールの策略により意識を乗っ取られていた。ソロモン龍鬼はいち早く感じ取り警察署から引き返し近くのカフェでやり過ごすことに。。。

「くそッ」

ソロモン龍鬼がそう言うとカフェの店員のポニテで黒髪の綺麗な店員は言う。

「あの先輩。どうかなされたんですか?顔が青ざめてますけど...」

彼女の名前はソロモン龍鬼が契約している体の主。森崎雄大の後輩の仙崎美香という都立高校2年生の少女だ。目が大きくて口紅をつけなくても充分かわいいくらいのクラスでも4.5番目くらい可愛い少女だが森崎とはアニメオタクの仲らしい。

「ああ、ちょっとな..辛くなってしまっただけだ。」

ソロモン龍鬼が彼女と出会ったのはついこの前。俺は森崎の記憶を頼りに彼女を探した。森崎は仙崎とは中学が一緒で1ヶ月だけ付き合ってたらしい。彼女は東京の実家でカフェの手伝いをするために祖母がいる宮城から離れて東京に上京した。
そんな彼女は俺と再会するのは複雑な気持ちだと思ったが彼女は泣いて喜んだらしい。俺は彼女と付き合うことにした。

「それより敬語とかいいよ。俺の彼女なんだし。名前で呼んでよ美香!」

仙崎は照れてソロモンのことを名前で呼んだ。

「じゃあ、ゆーちゃん!」

ソロモン龍鬼は恥ずかしくなった。

「う...久しぶりだと恥ずかしいなぁ。じゃあ俺もみかたんって呼ぶよ!」

「うん!いいよ。ゆーちゃん大好き」

と言って美香は俺に抱きついた。甘酸っぱい香水の匂いがする。ソロモン龍鬼は泣いてしまった。それはかつての国で妻のことを思い出してしまったのだ。
ソロモン龍鬼には妻と子供がいたがもう二度と会えなくなってしまった。

「どうしたの?ゆーちゃん?」

ソロモン龍鬼は美香に正体を気づかれないように振る舞った。

「いやなんでもないよ。。みかたん!」

「ん?なぁに?」

「いややっぱり愛する人がいるっていいなぁって思ってさ!」

美香は顔を真っ赤にして話を逸らすように別の話題を持ってきた。

「そういえばさぁ!なんかおかしな事件あったの知ってる?なんにもいないのに人間がぺちゃんこに踏み潰されるような怪奇現象。」

「え...なにそれ?」

「こわいよねぇ。しかも色んな場所で事件が起きてんだって。特に最近は田舎の方で。。死んだ人もいるからさ謎だよね。警察も対応出来ないみたいだし。」

ソロモンは気づいた。4大魔法の1つで魔人化している存在。魔人ガープの存在を。そして背後にはエンペールが絡んでいるはずだ。
そしてカフェを出て家に帰るときソロモンのスマホにメールが届いた。宛先は運命と書かれている。内容は

やぁソロモンくん。私の名はエンペールさ。今暴れている魔人ガープについての情報をやろう。
ガープは明日の昼に渋谷スクランブル交差点で殺戮のショーをする。死人を出したくないなら止めてみろ。
最後に私はお前を許さない。あの時からずっと。

ソロモン龍鬼は怒った。やはりガープを操ってたのはエンペールいやルシファー神魔か。

「ゆるさねぇ....」


翌日の朝
ソロモン龍鬼は始発で美香の家のカフェに行った。何故だかわからないが美香は妻に似ていた。カフェに着いたのでピンポンして美香を呼ぶと部屋着姿の美香が現れた。美香はゆーちゃんと呼んで嬉しいような気持ちで抱きしめた。
ソロモンは美香の手招きによって美香の部屋に入る。幸い両親はいなかった。
美香は森崎のことが好きだった。美香と森崎が並ぶと森崎が身長が少し低いせいかあまり身長差がない。
中学の頃は美香は森崎にあんまり甘えなかったらしい。

「ゆーちゃん!ゆーちゃん!」

「なぁに.みかたん!」

すると美香は怪しそうに尋ねた。

「どうして急に私の家に来たの?いつもは前に連絡よこすのに?」

え....ソロモン龍鬼は焦った。まさかとは思ったが正体に勘付いたのか?

「それに演技しているような感じがする。まるで、ゆーちゃんのフリをしているような。」

まさか、、、、

「もしかして、ゆーちゃんじゃな、、っアッ」

美香は突然倒れた。

「!?みかー」

そして美香は消える。転送魔法陣だと?一体だれが?
もしかして魔法ダンダリオンか?紫の渦。間違いない魔法ダンダリオンを使ったんだ。つまり桐谷が殺した犯人が使ってるからエンペールだ!

そして昼の11時に渋谷スクランブル交差点に着いたソロモンは

「ガープいるのか?出てこい!!」

ソロモンは叫んだ瞬間5次元に飛ばされる。そこには美香がいた。しかも隣にはヤマトに取り憑いたエンペールがいた。

「久しぶりだな。ソロモン龍鬼よ。」

そう冷静さを保つエンペールにソロモン龍鬼は

「ああ。宰相エンペール。美香を放してやってくれないか彼女は関係ないだろ。」

「ああ彼女は関係ないさ。だが彼女の身体はぐちゃぐちゃにしておいたよ。魔人に取り憑きやすい身体にするためにな!いでよガープ!!!」

「なっ...ゆるさねぇ」

ソロモン龍鬼が怒りを露わにする声で呟くと美香の身体は大きくなり黒い羽衣を纏い手にはデカイ三日月の斧を持っている。

「ファアァァァ」

ガープが雄叫びを上げる。操られているんだ。ソロモン龍鬼は魔法ベレトを発動し一気にケリをつけることに。

「魔法ベレト発動!出でよ。バアル。アモン。ケルベロス。セーレ。」

ガープは斧を巨大化させ盾にするが魔方陣から出る4魔法で作られた1撃は斧を壊す。

「ファアァァァァァァァァァ」

ガープは戸惑う隙にソロモンは

「魔法フェニックス発動。美香を返せ!」

すると魔法陣から白い羽が出てガープは美香の身体から出て美香は元に戻った。
そしてガープもソロモンの魔法として吸収されエンペールだけになった。

「あとはお前だけだなエンペール。」

するとエンペールは狂ったように

「お前が。お前が。殺したんだろぉぉ。」

ソロモンは戸惑うがエンペールは続ける

「この裏切り者がぁぁぁ。あの世界が滅びたのは貴様のせいだろぉぉぉ。だから私も裏切ったのだ。我が娘シバのためになぁ!」

「シバだと?まさかエンペールお主は!!!」

シバとはソロモン龍鬼の妻であった者だったがかつての世界で亡くなってしまった。

「ソロモン龍鬼ぃぃ。お前を殺すためなら化け物でもなんだってなってやるぅぅ魔法ヴァレフォールとダンダリオンよ。魔人となり俺に従え」

するとエンペールの姿がみるみる8頭の頭がある狼のような姿になる。

「そんな....」

「さぁ復讐だ。ソロモン龍鬼」




続く

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