メイドサービスの裏側

月影

メイドサービスの裏側

三輪:「ふぅ〜。疲れた。早くこの仕事に慣れないと。」
メイドA:「三輪〜!おつかれ〜!疲れるでしょ〜この仕事。体力ないとやってけないよね笑、まぁお互い頑張りましょ!」
三輪:「はい笑」

この仕事を始めて2日。

まだ顔も名前も売れていなくて指名も少ない。

でも、指名してくれた人には全力でなんでもやろうと決めている。

メイドB:「新しく入ったってあなたの事だったの〜。」

彼女は「メイド♡指名ランキング」3位の中野  桜夢(なかの  らむ)さん。

メイドの中でもランキング上位3位までの人は「姫」と呼ばれていて、そのうちの1人が桜夢さんです。

桜夢:「あなた3人のお客様に指名されて3人とも延長できなかったんですってね。」
三輪:「それは...」
桜夢:「それは何?」
三輪:「お客様がどうしてもお時間がないからとおっしゃられたので。」
桜夢:「言い訳する気!あんた気に入らないのよ!そうやって口ごたえしたり、社長からも可愛いってチヤホヤされてるみたいだけど目ざわりなのよ!!」
三輪:「.........。」
桜夢:「媚びるのが下手なのに、社長からは可愛いって言われて、名前を売るためにネットでも新人メイドのページのトップにあなたの写真が載ってるそうじゃない!!ちょっと社長に可愛がられてるからって調子に乗らないでよ!!」
三輪:「...............。」

やっぱりこの世界は怖い......。

この仕事やめたいよ。

入って2日目でこんなことになると思ってなかった...。

メイドC:「何を騒いでるの?」

彼女は「メイド♡指名ランキング」1位の桜葉  萌色(さくらば めい)さん。

メイドサービスの公式ページのトップを飾っている。

萌色:「桜夢、後輩いじめ?」
桜夢:「いやっ...そんなわけじゃ...。」
萌色:「じゃあ何?」
桜夢:「すいませんでした...。」
萌色:「あなたそういう所よ。どうして後輩をいじめるの?いつでもメイドとしての品を保つのはこの世界のルールでしょ?入る時にそう教わらなかった?もっとあなたは自分がメイドであることに、自覚と責任を持たないといけないわ。」
桜夢:「......。」

萌色さんには誰も口ごたえはできない。

だって...1位だから。

三輪:「ありがとうございました。」
萌色:「大丈夫?怖かったわよね。桜夢はどうして後輩をいじめるのかしら?ちょっと自分がみんなより上に立っているからって...。」
三輪:「桜夢さんってどんな方なんですか?」
萌色:「あの子は、この世界に17歳の時に入ってきてね〜。あっ、ちなみにここは17歳から入れるんだけど。あの子は入って1年目の「姫決定♕お披露目会」の時に1位になってそこから4年連続1位で、社長も推してたんだけど、あの子が問題を起こしてねぇ〜。」
三輪:「問題って...。」
萌色:「あの子とお客様とのあいだに子供が出来て、あの時は大騒ぎだったわ。ちょっとおかしいとはあたしも思ってたんだけど。1人のお客様があの子しか指名していなくて。多い時は月の半分くらいその人に指名されてたわ...。本人は子供を下ろしたいって言ったけどあの子の親が認めなくて結局子供を産んで血液鑑定をしたらあのお客様の子だってわかって...。」
三輪:「そうだったんですか......。」
萌色:「あの子は、ここをやめたいって言ったんだけど会社側が残ってほしいってことで1年間の休業と戻ってきた後3ヶ月の給料減給の処分が下されたの。」

話終わったあと萌色さんは泣いていました。

萌色:「私はあの子を応援していたのに。あの子を目標に頑張っていたのに.........。」
三輪:「そんな過去があったんですね...。」
萌色:「はぁ〜。泣いている場合じゃないわね、仕事に戻らなきゃ。」
三輪:「はい!」

コメント

コメントを書く

「その他」の人気作品

書籍化作品