零からの逆転

Mr

ルール

「「「すいませんでしたッ!!」」」
目の前には3人の中年男性がこっちに頭を下げていた。
下着のみで。
横にはここにいるのが当たり前というように妹が男達を見下している。3人の中の独りが「はぁはぁ」言ってやがる。…うわぁ。
事の発端は10分程前になる。


俺たちは目が覚めるとさっそく持ち物を確認していた。
これはゲームでもなんでもなく異世界召喚だ。
さっき崖を覗いた時に小さな村らしきものがあったので
まあ少なくともある程度の知能を持った生物がいるということだ。もしかしたら話が通じるかもしれない
「村に着くまでは最悪サバイバルだな」
「………嫌だ」嫌だじゃないだろ、そう心の中でツッコミを入れた
さて、持ち物は…
俺と妹のスマホ(ほぼゲーム機)、ポータブルゲーム機、
健康栄養食…
「「…………」」
沈黙とはこのことを言うんだろうなと内心思った。
もちろんスマホはどちらも圏外表示になっている。
まぁ、コンパスは使えるから役に立たないと言えば嘘になる。
「……仕方ない…行くか、妹よ」
「うぇぇ………」
百は今まで見た事のないような残念そうな顔をした。
「おい」
突如、野太い、いかにも中年男性という感じの声が鼓膜を震わせた。
…………嫌だなぁ…
「そんなに嫌な顔しないでくれないか?」
おっと、顔にでてしまったようだ。
仕方なくその声のする方を向く。そこにはこれぞRPGの
山賊という風貌だった。
人相は悪く、茶色のフード付きのマントを羽織っている
……ちょっとカッコいいな…。
「で、俺たちに何しろと?」
「お兄ちゃん、そこは『俺に』にして、巻き込まないで」この状況下でなに言ってんだ俺の妹。
まぁ、山賊がなに言うかもう分かってるんだが
ニヤニヤしだした山賊が言う
「お前らの全財産を賭けてゲームしろ」
ほらやっぱり、…………は?
妹もキョトンとしている。
しかし、それは一瞬のことだ。俺と妹は目を合わせる。
これはこいつらの頭がおかしいのかは知らないが
相手はゲームと言った。テロなどが多発する元の世界に比べれば健気にすら見えてくる。なんとも可愛らしい
山賊がいたものだ。ラッキーなことに妹も俺もゲームは
大得意。伊達に引きこもりゲーマーなんぞやっとらん。
その意図を察したのか妹が頷いてくる。
「いいぜ、ゲームをしよう、俺らこの世界について全然知らんからお前らの全所持品、この世界のルールを俺たちに分かっているだけ教えろ、虚偽の報告は一切認めん」
俺はそう早口に山賊に言った。


必死に謝って「せめてマントだけは」と言ってくる山賊共(半裸)を完全に無視し、俺たちは教えさせた道を行く。
山賊から教わったこの世界のルールはこうだ。
この世界はゲームで物事が決まるらしい、それは文字通り全てがゲームで決まる。もちろん、命も含む。
ただし、ゲーム関係なく人を殺したり物を盗ったりなどの行為は一切できないらしい。
なぜこの世界がこんなことになったのか。
この世界は戦争が終わらかったそうだ。
なんでも、この世界に生まれてくる家畜を除く生命は
必ず何らかの特集能力を持って生まれてくるらしい。
それは科学関係の能力と自然関係の能力に別れることが多いらしく、両者はとんでもなく仲が悪いそうだ。
ある日、ある喧嘩が大きくなり、戦争に繋がったそうな
戦争が続く中、この世界に君臨する神様は言った。
「戦争が無くならないのは私のせいかもしれん」
そんな言葉を残し、神様は引退した。
既に後継者は決まっていた。何を隠そう、そいつが
今の神だ。その神が次々に死んでいく人間を見て
こう言ったそうだ。「この世界からあらゆる権利を侵害する行為を禁止とする」もちろん、反論もある。
その中に生物の繁殖はどうするというのがあった。
神様は悩んだ。そして、こんな事を言い出したそうな。
「じゃ、繁殖だけを認めたやつをこの世界に連れてくる」と………いや、なにも言うな、俺もツッコミたい。
そんなわけで、たまに異世界から人間が強制的に連れ込まれるらしい。その中の二人が俺たちだったということだ。………ゲームの中だけでいいよ。
そんなことを思いながら妹と一緒に山道を歩く。
直後、激しいめまいが俺を襲った。
隣で何かが倒れる音がする、見なくても分かる、
妹が倒れた。「く……そ…」
俺は正体不明の二人同時のめまいに向かって呟きながら、その身を地面に不本意にも預け、意識が暗闇に
沈んだ。





__________
どうも、作者です、自分の作品、楽しんで頂けていたら幸いです、さて、さっそく本題に入らせて頂きます、
次回の話しは物語上、書くのは少し辛いですが書かなければいけないシーンがあります。
少し内容がショッキングになってしまいます。
もしそれは嫌だという方がいらっしゃれば閲覧はあまりおすすめできません。しかし、これからのストーリーで
その出来事を簡単にショッキングなことがないように書いて行きますので、内容は知ることが出来ると思います。

今後とも自分の作品で楽しんで頂けたら幸いと思います
以上、突如現れた作者からでした。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品