冒険者は最強職ですよ?
もう守られるだけの僕じゃない 6
「さぁさぁこちらへ!」
「あのぉ……僕はどこへ連れてかれるのですか?」
「この町の男ならば知らない人はいない。一度来たら最後、もう二度とあの感覚を忘れられはできず、何度も足を運んでしまう。そんな感じの所ですわ!」
「な、なんかいやらしぃ!」
内心少しワクワクしながら、ウルフの女性に付いていく。
人がいない薄暗く狭い道を通っていくと、なにやら少し騒がしい声が聞こえてくる。
「あ、あのぉ……さっきまで静かだったのに、突然賑やかな声が聞こえてきたのですが……」
「その正体はもうじきわかります!」
「は、はぁ……」
ウルフの女性は、大きめな建物の前で止まり「ここがその正体の場所です」と言い、その建物の扉を開ける。
そして、その正体が明らかとなり、その目の前の光景にジンは心踊らせる。
「この町を救ってくださった『英雄様』がご来店です!」
ジンを道案内してくれた人が、そう声をあげる。
「ちょ、英雄なんかじゃ……」
「『ウルフハウス』へようこそ!」
「「「「ようこそ!」」」」
大勢のウルフの女性に、ジンは興奮を覚える。
「ま、まぁいいか! そう呼ばれるのもここだけだろうからなぁ……頑張った自分へのご褒美ということで……」
ジンは「よし!」と一言呟き、『ウルフハウス』へ足を一歩踏み入れる。
そこには物凄い大勢の男冒険者達と、その冒険者達と楽しげに食事やら会話やらをしているウルフの女性達がいた。
「男冒険者しかいねぇ……しかもただ話したりご飯食べたりしてるだけにしか見えない……これでここを忘れられなくなるっていうのは、あまりピンとこないなぁ……」
そう思った時だった。
「ふさふさで気持ちいぃ〜!」
ん? ふさふさで気持ちいいってなんだ……
そう思い、声の聞こえた方を振り返ると、男冒険者がウルフの女性の尻尾を触っていた。
「なるほどぉ……あれは絶対気持ちいいに決まってる」
そう思ったら行動は早い。まずは受付で選びたい人を選ぶ。
うーん……このショートヘアの人可愛いなぁ……いや待て、このロングの人にしよう! かわいい……
ロングヘアの人を指名すると、受付の人が呼びに行く。ジンは身だしなみを整えて待つ。
ジンが選んだウルフは、綺麗にまっすぐと伸びたロングヘアで、うっとりした目つきに、メガネを掛けており、笑顔が抜群に可愛いスレンダーな女性だ。
やがてその人が来ると、丁寧にお辞儀をしたあと、ジンの目を見ながら「ご指名ありがとうございます。今日は何をなさいますか?」と尋ねてくる。
あぁかわいい! それにすっごく綺麗な尻尾……こんなとこレベッカさんとマーシュさんに見られたら恥ずかいなぁ……
「そうですねぇ……少しおしゃべりしませんか?」
「かしこまりました、それではご案内します」
ジンは案内に従い、指定された席へと腰をかける。机を挟んで向かいの席にウルフの女性は座る。
「まずは自己紹介からいたしましょう。私は獣人族もとい、ウルフのエレンと言います。今回は選んで頂き誠にありがとうございます英雄様」
「え、英雄様なんて……そんな大層な者ではなく、ただの冒険者ですよ。僕はジンと言います。改めてよろしくお願いします!」
自己紹介をお互いにした後、この町を救った時の話や、オーキ国の事などを話などをした。
お互いに最初は少し緊張していたが、会話をしていくうちに、その緊張は解れていき、話が盛り上がってきた、そんな時だった。
勢いよく扉を開き、肩で風を切りながら歩いているガラの悪い男が入ってきた。
「おいっ、この店で一番人気のある奴を呼べ」
「そ、そう言われましても……」
「早くしろ、俺が誰だかわかってんだろ?」
「は、はい……」
入ってくるなり受付の人を脅すそのガラの悪い男を、ジンは注意しようと立ち上がろうとする。
だが、エレンが腕を掴んで「辞めた方がいいです……あの人はこの町でも名の知れた人なのです……」と言い怯えた顔でジンを見つめる。
「……あの人はよく来るんですか?」
「はい……毎度毎度同じような事を言っているのです……時には暴力を振るったりするんです……」
「へぇ……それは許せないですね……」
「……え?」
ジンは「少し僕が注意してきます」と言い、掴まれた手を優しく解いた後、その男の元へ向かう。
「すいません……只今ご指名の方は他の方が選ばれていまして、今すぐには……」
「あぁ? 早く出せっつってんだろ?」
「キャッ……!」
ガラの悪い男は、受付の女性の胸ぐらを掴み自分の目の前へと、受付から引き摺り出す。
「俺ぁ待つのが嫌いなんだよ……殴られたくなきゃ早く呼べ」
「……ですから……」
「ッチ……」
ガラの悪い男は、舌打ちをした後、受付の女性を殴ろうとする。
ジンは、エレンといた席から、少しだけ距離のある受付まで一瞬で近寄り、ガラの悪い男の殴ろうとしていた腕を掴む。
「んあぁ? なんだてめぇおい? 誰の腕掴んでんだ?」
「女性の顔に傷を付けようとしている人の腕を掴んでいるだけですが?」
「クソガキが……引っ込んでろ」
そう言い、ガラの悪い男は受付の女性を離した後、すぐに両手でジンに殴り掛かる。
が、ジンは余裕な表情で全ての攻撃を躱し、隙を見て腹部を一発殴ると、男はお腹を抑えて倒れ込む。
そして、ジンは「またのご来店お待ちしておりま〜す」とニヤつきながら言い、ガラの悪い男の顔面にタイキックをお見舞し、店から追い出した。
「あのぉ……僕はどこへ連れてかれるのですか?」
「この町の男ならば知らない人はいない。一度来たら最後、もう二度とあの感覚を忘れられはできず、何度も足を運んでしまう。そんな感じの所ですわ!」
「な、なんかいやらしぃ!」
内心少しワクワクしながら、ウルフの女性に付いていく。
人がいない薄暗く狭い道を通っていくと、なにやら少し騒がしい声が聞こえてくる。
「あ、あのぉ……さっきまで静かだったのに、突然賑やかな声が聞こえてきたのですが……」
「その正体はもうじきわかります!」
「は、はぁ……」
ウルフの女性は、大きめな建物の前で止まり「ここがその正体の場所です」と言い、その建物の扉を開ける。
そして、その正体が明らかとなり、その目の前の光景にジンは心踊らせる。
「この町を救ってくださった『英雄様』がご来店です!」
ジンを道案内してくれた人が、そう声をあげる。
「ちょ、英雄なんかじゃ……」
「『ウルフハウス』へようこそ!」
「「「「ようこそ!」」」」
大勢のウルフの女性に、ジンは興奮を覚える。
「ま、まぁいいか! そう呼ばれるのもここだけだろうからなぁ……頑張った自分へのご褒美ということで……」
ジンは「よし!」と一言呟き、『ウルフハウス』へ足を一歩踏み入れる。
そこには物凄い大勢の男冒険者達と、その冒険者達と楽しげに食事やら会話やらをしているウルフの女性達がいた。
「男冒険者しかいねぇ……しかもただ話したりご飯食べたりしてるだけにしか見えない……これでここを忘れられなくなるっていうのは、あまりピンとこないなぁ……」
そう思った時だった。
「ふさふさで気持ちいぃ〜!」
ん? ふさふさで気持ちいいってなんだ……
そう思い、声の聞こえた方を振り返ると、男冒険者がウルフの女性の尻尾を触っていた。
「なるほどぉ……あれは絶対気持ちいいに決まってる」
そう思ったら行動は早い。まずは受付で選びたい人を選ぶ。
うーん……このショートヘアの人可愛いなぁ……いや待て、このロングの人にしよう! かわいい……
ロングヘアの人を指名すると、受付の人が呼びに行く。ジンは身だしなみを整えて待つ。
ジンが選んだウルフは、綺麗にまっすぐと伸びたロングヘアで、うっとりした目つきに、メガネを掛けており、笑顔が抜群に可愛いスレンダーな女性だ。
やがてその人が来ると、丁寧にお辞儀をしたあと、ジンの目を見ながら「ご指名ありがとうございます。今日は何をなさいますか?」と尋ねてくる。
あぁかわいい! それにすっごく綺麗な尻尾……こんなとこレベッカさんとマーシュさんに見られたら恥ずかいなぁ……
「そうですねぇ……少しおしゃべりしませんか?」
「かしこまりました、それではご案内します」
ジンは案内に従い、指定された席へと腰をかける。机を挟んで向かいの席にウルフの女性は座る。
「まずは自己紹介からいたしましょう。私は獣人族もとい、ウルフのエレンと言います。今回は選んで頂き誠にありがとうございます英雄様」
「え、英雄様なんて……そんな大層な者ではなく、ただの冒険者ですよ。僕はジンと言います。改めてよろしくお願いします!」
自己紹介をお互いにした後、この町を救った時の話や、オーキ国の事などを話などをした。
お互いに最初は少し緊張していたが、会話をしていくうちに、その緊張は解れていき、話が盛り上がってきた、そんな時だった。
勢いよく扉を開き、肩で風を切りながら歩いているガラの悪い男が入ってきた。
「おいっ、この店で一番人気のある奴を呼べ」
「そ、そう言われましても……」
「早くしろ、俺が誰だかわかってんだろ?」
「は、はい……」
入ってくるなり受付の人を脅すそのガラの悪い男を、ジンは注意しようと立ち上がろうとする。
だが、エレンが腕を掴んで「辞めた方がいいです……あの人はこの町でも名の知れた人なのです……」と言い怯えた顔でジンを見つめる。
「……あの人はよく来るんですか?」
「はい……毎度毎度同じような事を言っているのです……時には暴力を振るったりするんです……」
「へぇ……それは許せないですね……」
「……え?」
ジンは「少し僕が注意してきます」と言い、掴まれた手を優しく解いた後、その男の元へ向かう。
「すいません……只今ご指名の方は他の方が選ばれていまして、今すぐには……」
「あぁ? 早く出せっつってんだろ?」
「キャッ……!」
ガラの悪い男は、受付の女性の胸ぐらを掴み自分の目の前へと、受付から引き摺り出す。
「俺ぁ待つのが嫌いなんだよ……殴られたくなきゃ早く呼べ」
「……ですから……」
「ッチ……」
ガラの悪い男は、舌打ちをした後、受付の女性を殴ろうとする。
ジンは、エレンといた席から、少しだけ距離のある受付まで一瞬で近寄り、ガラの悪い男の殴ろうとしていた腕を掴む。
「んあぁ? なんだてめぇおい? 誰の腕掴んでんだ?」
「女性の顔に傷を付けようとしている人の腕を掴んでいるだけですが?」
「クソガキが……引っ込んでろ」
そう言い、ガラの悪い男は受付の女性を離した後、すぐに両手でジンに殴り掛かる。
が、ジンは余裕な表情で全ての攻撃を躱し、隙を見て腹部を一発殴ると、男はお腹を抑えて倒れ込む。
そして、ジンは「またのご来店お待ちしておりま〜す」とニヤつきながら言い、ガラの悪い男の顔面にタイキックをお見舞し、店から追い出した。
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