冒険者は最強職ですよ?
どうしてこうなった? 7
「夕飯楽しみだねジン!」
「楽しみですけど……」
となりから壁を叩かれてドンドンうるさいんだよねぇ……
宿に戻って来ていたジン達は、それぞれの部屋へ別れ、夕飯が運ばれてくるのを待っていた。
そして、部屋に入り三分くらい経った頃だった。急にレベッカ達の部屋の方から壁を強く叩く音がし始め、それがエスカレートしていき、今では呻き声まで聞こえてくる始末だ。
断末魔の様な叫びを聞いてられないジンであったが、マーシュは全く気にしていない様子だ。
この叫び声が他の人の迷惑になって無きゃいいけれど……
そう思っていた時だった。
レベッカ達の部屋の扉を強く叩く音がする。
「おいうるせぇぞ!! テメェらの気持ち悪い叫び声に迷惑してんだよぉ!」
あーらら……可哀想に……怒られてやんの。
「あぁ!? こっちだってこんな声出したくて出してるわけじゃねぇーんだよぉ!! 黙ってねぇとぶっ殺すぞぉ!!」
「んだとテメェ! ちょっとツラ貸せ……す、すいません。もう言いません」
おい何があった!? 何でそんなに声を震わせながら謝ってんだ!? 手を出されたのか!? え、怖!
もうこの際知らんぷりだ、と思い、ジンは仲良く、マーシュと夕飯を待つのだった……
その後、夕飯を食べ、満腹になったジンは、畳の上に寝そべっていた。
三人は入れそうなスペースがあるため、寝っ転がっても充分だった。
「はぁ〜。夕飯美味しかったですね〜、マーシュさん」
「ほんとね〜。にしても、何でジンは私のあーんを嫌がったの? せっかく食べさせてあげようと思ったのに」
「いや断りますよ普通。だって年上の人にあーんなんてされたくないですよ! それに僕だって同んなじ物を食べていたんですし。分ける必要もないですからね」
「ほんとケチで頑固ね。バカジン」
「何か言いました?」
「なーにも」
マーシュは不貞腐れて寝ながら壁の方を向いてしまう。
僕なにかしたかな? 何もしてないしきっと満足する夕飯じゃなかったんだろう。食いしん坊だし。
『せっかく二人きりのチャンスなのに……まぁいいわ。夜は長いのよ。頑張れマーシュ。ここで逃げたら女が廃る』
マーシュは寝たふりをしながら、今後の作戦を立てるのであった。
する事か無くなり、時間もまだ午後七時頃なので、ジンは「トイレに行ってきます」と嘘をついて、一人オンセン町へ散歩をすることにした。
夜の町も、昼間と同じくらいの活気があり、人も大勢いる。
街頭に照らされた紅葉もまた見ものだ。
町中に広がる食べ物の香りが、ジンの食欲をそそる。
「わぁ〜。さっき食べたばかりなのにもうお腹が空いてきた……」
道の左右には幾多のお店。ほとんどの店が料理を出している。お土産屋は時々みかけるくらいだ。
「この肉まん見たいなの美味そう……」
「どうだい? 買ってくかい? あんた冒険者だろ? 安くしとくよ〜?」
「本当ですか? ……じゃあ買います! お姉さん一つ下さい!」
「あらお姉さんだなんて、上手ね〜? ……はいよ! 熱い内に食べなよ〜」
「ありがとうございます!」
お金を払ったあと、その場を後にし、どこかベンチが無いかを探す。
「え〜っと……ベンチかなんか無いかなぁ……っと、いい場所みーっけ!」
誰も座っていないベンチを見つけ、そこに腰掛け、先ほど勝った肉まんに似た食べ物を食べる。
「これなんて書いてあったっけなぁ? 確か……」
なんて書いてあったのか思い出そうとしていると、突然女性に声を掛けられる。
「すいません。隣いいですか?」
「どうぞ〜!」
すっごい美人な人だなぁ〜。背も僕くらいかな?
「あなたも肉団子を買ったのですか?」
「肉団子……? あっ、これの事か。はい! 美味しそうだったので」
これ肉団子って名前なんだ……肉まんで良くね?
「私も買ったんです。私、これ好きなので」
「そうなんですか」
「肉食系の女子は嫌いですか?」
「いえいえ! そんなことはないですよ!」
「なら良かった!」
その女性は笑う。
その笑顔は、後ろで綺麗に照らされた紅葉にも負けない輝きを放ち、無邪気な子供のような可愛い笑顔だった。
「どうしました? ぼーっとして。私の顔になんか付いてます?」
「……あっ、いえ、なんでもないです」
ぼーっとしていたジンの顔を、その女性は覗き込んでくる。その顔を見て、ジンは自然と顔が熱くなる。
何熱くなってるんだ僕! 冷静になれ。この人は赤の他人だ。偶然出会っただけだ。
ジンは気を紛らすために、買ってあった肉団子を一気に食べる。
すると、喉に詰まらせてしまい、咳き込んでしまう。
「だ、大丈夫ですか? 一気に詰め込むからですよ?」
「ごほっ……す、すいません……」
「気をつけてくださいね?」
「は、はい……」
その後は、一度落ち着くために飲み物を買い、またそのベンチへ座る。
「そのぉ……貴方は冒険者の方ですか?」
「あら? 私を知らない人は中々いないと思ってたのだけれど……」
私を知らないって……アイドルか何かか? あ、この世界にはそんな物は無いか。
ジンは、何かの有名な人、だと思っていたが、その何か、がとんでもないものたった事を、ジンは思い知る。
「そうですねぇ……簡単に言ってしまうと、この世界で二番目に強いといまれています。へレーナ=ワズです」
「楽しみですけど……」
となりから壁を叩かれてドンドンうるさいんだよねぇ……
宿に戻って来ていたジン達は、それぞれの部屋へ別れ、夕飯が運ばれてくるのを待っていた。
そして、部屋に入り三分くらい経った頃だった。急にレベッカ達の部屋の方から壁を強く叩く音がし始め、それがエスカレートしていき、今では呻き声まで聞こえてくる始末だ。
断末魔の様な叫びを聞いてられないジンであったが、マーシュは全く気にしていない様子だ。
この叫び声が他の人の迷惑になって無きゃいいけれど……
そう思っていた時だった。
レベッカ達の部屋の扉を強く叩く音がする。
「おいうるせぇぞ!! テメェらの気持ち悪い叫び声に迷惑してんだよぉ!」
あーらら……可哀想に……怒られてやんの。
「あぁ!? こっちだってこんな声出したくて出してるわけじゃねぇーんだよぉ!! 黙ってねぇとぶっ殺すぞぉ!!」
「んだとテメェ! ちょっとツラ貸せ……す、すいません。もう言いません」
おい何があった!? 何でそんなに声を震わせながら謝ってんだ!? 手を出されたのか!? え、怖!
もうこの際知らんぷりだ、と思い、ジンは仲良く、マーシュと夕飯を待つのだった……
その後、夕飯を食べ、満腹になったジンは、畳の上に寝そべっていた。
三人は入れそうなスペースがあるため、寝っ転がっても充分だった。
「はぁ〜。夕飯美味しかったですね〜、マーシュさん」
「ほんとね〜。にしても、何でジンは私のあーんを嫌がったの? せっかく食べさせてあげようと思ったのに」
「いや断りますよ普通。だって年上の人にあーんなんてされたくないですよ! それに僕だって同んなじ物を食べていたんですし。分ける必要もないですからね」
「ほんとケチで頑固ね。バカジン」
「何か言いました?」
「なーにも」
マーシュは不貞腐れて寝ながら壁の方を向いてしまう。
僕なにかしたかな? 何もしてないしきっと満足する夕飯じゃなかったんだろう。食いしん坊だし。
『せっかく二人きりのチャンスなのに……まぁいいわ。夜は長いのよ。頑張れマーシュ。ここで逃げたら女が廃る』
マーシュは寝たふりをしながら、今後の作戦を立てるのであった。
する事か無くなり、時間もまだ午後七時頃なので、ジンは「トイレに行ってきます」と嘘をついて、一人オンセン町へ散歩をすることにした。
夜の町も、昼間と同じくらいの活気があり、人も大勢いる。
街頭に照らされた紅葉もまた見ものだ。
町中に広がる食べ物の香りが、ジンの食欲をそそる。
「わぁ〜。さっき食べたばかりなのにもうお腹が空いてきた……」
道の左右には幾多のお店。ほとんどの店が料理を出している。お土産屋は時々みかけるくらいだ。
「この肉まん見たいなの美味そう……」
「どうだい? 買ってくかい? あんた冒険者だろ? 安くしとくよ〜?」
「本当ですか? ……じゃあ買います! お姉さん一つ下さい!」
「あらお姉さんだなんて、上手ね〜? ……はいよ! 熱い内に食べなよ〜」
「ありがとうございます!」
お金を払ったあと、その場を後にし、どこかベンチが無いかを探す。
「え〜っと……ベンチかなんか無いかなぁ……っと、いい場所みーっけ!」
誰も座っていないベンチを見つけ、そこに腰掛け、先ほど勝った肉まんに似た食べ物を食べる。
「これなんて書いてあったっけなぁ? 確か……」
なんて書いてあったのか思い出そうとしていると、突然女性に声を掛けられる。
「すいません。隣いいですか?」
「どうぞ〜!」
すっごい美人な人だなぁ〜。背も僕くらいかな?
「あなたも肉団子を買ったのですか?」
「肉団子……? あっ、これの事か。はい! 美味しそうだったので」
これ肉団子って名前なんだ……肉まんで良くね?
「私も買ったんです。私、これ好きなので」
「そうなんですか」
「肉食系の女子は嫌いですか?」
「いえいえ! そんなことはないですよ!」
「なら良かった!」
その女性は笑う。
その笑顔は、後ろで綺麗に照らされた紅葉にも負けない輝きを放ち、無邪気な子供のような可愛い笑顔だった。
「どうしました? ぼーっとして。私の顔になんか付いてます?」
「……あっ、いえ、なんでもないです」
ぼーっとしていたジンの顔を、その女性は覗き込んでくる。その顔を見て、ジンは自然と顔が熱くなる。
何熱くなってるんだ僕! 冷静になれ。この人は赤の他人だ。偶然出会っただけだ。
ジンは気を紛らすために、買ってあった肉団子を一気に食べる。
すると、喉に詰まらせてしまい、咳き込んでしまう。
「だ、大丈夫ですか? 一気に詰め込むからですよ?」
「ごほっ……す、すいません……」
「気をつけてくださいね?」
「は、はい……」
その後は、一度落ち着くために飲み物を買い、またそのベンチへ座る。
「そのぉ……貴方は冒険者の方ですか?」
「あら? 私を知らない人は中々いないと思ってたのだけれど……」
私を知らないって……アイドルか何かか? あ、この世界にはそんな物は無いか。
ジンは、何かの有名な人、だと思っていたが、その何か、がとんでもないものたった事を、ジンは思い知る。
「そうですねぇ……簡単に言ってしまうと、この世界で二番目に強いといまれています。へレーナ=ワズです」
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ノベルバユーザー375143
勝った!