冒険者は最強職ですよ?

夏夜弘

どうしてこうなった? 14

「あと行ってない温泉ってどこかしら?」

「あとは二つだけですねぇ〜」

「ってことらあと二日は居られるのね!」

「ここに何日いたと思ってるんですか!? もうかれこれ二週間は居ますよねぇ!?」

「いいじゃない! いつ来れるかわからないのだし、全部回っておきたいじゃない?」

「確かにそうですが……」

 例の事件から約二週間が経っていた。その二週間は、毎日温泉へ通い続けた。それも全部新しい場所限定で。それは、一日一温泉とかいう、なぞの名言により、残すところは二つとなっていた。

 へレーナは、最後まで付き合うと言い、この二週間ずっと付いてくる。いい迷惑だ。

「へレーナさんはずっと僕達と居ますけど、冒険とかでないんですか?」

「ん? あぁ、何の問題もないわ。だって渡しこのレベルになってからは、一人で歩くようにしてたし、声は良くかけられては断ったわ」

「へぇ〜。まぁいいや。そんなのはどうでも」

「ジン? 貴方最近私に対して冷たくないかしら? 私もピッチピチのお姉さんなのよ? それに年上、少しくらい敬ってくれても……」

「あ、いや、そういうのはいいんで。はい」

「私泣いちゃう」

「160歳が泣くなんて恥ずかしい!」

「ジン。貴方を焼き殺すことを今ここに決めたわ」

「冗談ですよ! へレーナさん可愛い最高! うん!」

「最初からそう言いなさい?」

「じゃあ僕はもう眠いんで寝ます。おやすみ」

「本当にイライラするわねぇ……マーシュ。こいつどうしま……ってもう寝てる!?」

 へレーナは、レベッカ達の部屋とジン達の部屋を、一日ごとに交代して泊まっていた。

 今日は、ジン達の部屋の番で、もう夜中の12時を過ぎようとしていた。

 へレーナは、最近ジンに冷たくされて、不貞腐れており、レベッカとマーシュとエレンも同様に、ジンに冷たくされていて不貞腐れていた。

 あの日の事件で、少しばかりジンにやり過ぎてしまい、ジンはそのせいで機嫌が悪かった。

 はぁあ。僕は早くここを離れたいよ。別にあんなに怒らなくてもいいのにさ。……ってこれ、怒られた日からずっと同んなじこと思ってるなぁ……

 そんな事を思ってはいるが、実際のところやっぱり許せない所があったため、ジンの機嫌は悪化する一方だ。

 逆に、レベッカ達はものすごく反省していた。

 あの日、さすがに度が過ぎる行いをしてしまい、そのせいでジンが自分達に冷たくなってしまい、その事にとても後悔していた。

 そのため、ジンと彼女達の距離はあの日以来離れ気味だ。

「ねぇエレンさん? やっぱり私ね、ジンに謝ろうと思うの。流石にやり過ぎてしまったし……」

「そうですね……よくよく考えてみれば私達の方がひどいことをしてしまっていたし……」

 二人は溜息を吐く。

「私、明日謝るわ!」

「それもう何十回言ったと思ってるんですか? レベッカさん全部話しかけようとして、失敗してるじゃないですか」

「だ、だって仕方ないでしょ! まさかあんなにジンが冷たくなるとは思ってなかったし……何か話しかけづらいし……」

「まぁいいです。明日しっかり謝りましょう」

「そうね……」

 だが、二人は残りの二日間、謝ることはできず、同様に同じことをしようとしていた、マーシュとへレーナも謝ることは出来なかった。

 そして、その日の夜。

「ジン寝たかしら?」

「まだですよ、もう行くなら今です!」

「もう勇気出して行くしかないわ!」

「「「「うん!」」」」

 ジンは部屋で、明日出発するための支度をしている。それを、レベッカ達は玄関からそーっと覗いている。

「さぁ行きましょう……」

 その声に頷き、四人はぞろぞろと入り、ジンの後ろへ一列に並ぶ。

 ジンは気づいてはいるが、支度をする手を止めない。

 暫くもじもじしていたレベッカ達だが、数分してようやくレベッカが口を割る。

「ジン……その……あの日はごめんなさい! 私達、少しやり過ぎてしまったわ……」

 それに続き、マーシュ、エレン、へレーナの順で謝っていく。

 その後、沈黙がしばらく続くと、ジンはゆっくりと後ろを向く。

 それに怖気づいた四人は、何を言われるかわからず目を瞑ってしまう。

 ジンが息を吸う。と、急にぶっと吹き出す。

 そのままジンは笑い転げる。その姿を見たレベッカ達は、何が起きてるのかわからず四人で顔を見合わす。

「ご、ごめんなさい! 面白くって……別に怒ってたわけじゃないですよ! 確かにあの日は僕が悪かったですが、あれは幾ら何でもひどかったので、反省してもらおうと、この態度で接してたわけですよ」

「「「「な、なんだぁ〜」」」」

 ジンがわざと冷たい態度をとっていたと知り、レベッカ達四人は、その場に崩れ落ちる。

「怒ってるって思いました?」

「「「「思ったわよぉ!」」」」

「まぁこれを機に、僕も反省するのでみんなも反省してください!」

 四人は頷き、もう一度ジンに一言謝る。すると、へレーナが突然立ち上がり、今のこの場の状況からは全く予想もしない発言が飛び出す。

「決めたわ! そう今決めた! 私を貴方達の旅に連れてって!」

「「「はぁぁぁぁあ!?」」」

 ジン、レベッカ、マーシュはそのわけもわからない言葉に驚いた。

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