世界最強も異世界に連れてかれると生きるのは本当に難しい

霊怜

第一章 異世界生活

「...どうしよう」

レイスは何も出来ないでいる。

「とりあえず、店にでも行こうか」

辺りを歩き回り、店を探す。
が、王都の商店街のような場所が見当たらず、結局そのまま2時間途方に暮れていた。

「...店、無くね?」

仕方なく周りにいる人に話しかけ、なにか店はないかと聞いた。

「...店、すぐ目の前にあるんだけど」

「はぁ?」

「何処の人なんだい?服装も珍しいね。青髪に赤い目、なかなかいないよ」

「そそそ、そうなのか?これ、普通だと思ってたんだけど...」

「どんな世界で生きてきたの君は」

「と、とりあえず、あの建物が店なんだな?有難う」

「そだよ、それじゃーねー」

第一村人発見。しかし、あまり分からないことが多い。
店に入ったレイスはまず、

「...読めねぇ」

異国の文字は知らない。

「すみません、これ、何ですか?」

「アルファ米を知らないのかい?」

「あるふぁ、まい?」

何だそれ、ちょっと待て、何それ。

「まぁこのパンの方がいいんじゃないか?安いし」

「ぱん...」

知らねぇな。ぱんってなんだぱんって。
店主らしき人の元へ持っていった。
ピッ、とか、謎の機械を操作している。

「108円です」

「...はい」

あれ、円ってなんだ。まぁいい、銀貨1枚で買えるだろう。

「...あの、お客様」

「なんだ?」

「何処の国のお金でしょうか」

「え」

ただでさえ文字が読めないのに、それに加えお金まで使えない。

「最悪じゃねぇか」

少し広い道には、変な乗り物が高速で動き回っている。しかも、たまに大きいものが通る。
たまに白い線が等間隔に並んでいる道もある。

「馬車道、みたいなもんか?通ると危なそうだな。この白いのは、もしかしたらここ通れますよ的な印かな」

赤、黄、青の3色に輝く謎の機械も見つけた。

「交通整理用のライト鉱石を3色使っているのか?色付きはレアアイテムじゃなかったかな...」

その機械は様々な所に置かれている。レアアイテムを大量に使い、工業も進んでいる。この世界、まさか、

「超先進国じゃねぇか!」


そしてレイスは山を見つけた。遂に冒険の始まりかと思い意気込んで突入した。すると、

「ん、森の主かな」

そこには一体の獣。
すると急に突進してきた。レイスそいつを蹴飛ばし、次の攻撃に入ろうとした。しかし、

「あれ、もう死んだ?」

弱。大きめの個体。威勢もあり強そうな風格。なのに、

「蹴っただけで死ぬのかよ」

この世界、平和過ぎじゃね?

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