魔王をやめさせられたので、村娘になって辺境でスローライフを送ります

八木山蒼

幕間 独白

 ……さて。

 ことのほか、事態は厄介なようだな。

 転移魔法の残滓が村周辺に残り、それが魔界へ通ずる穴となっている、と。

 ひとまずは成り行きを任せるとしよう。

 我が力を奮うのはあくまでも最後の手段。

 あまり、他の者に私の正体を知られたくはないからな。

 もっとも……平穏を守れぬままでは本末転倒。

 あくまでも我らの目的は平穏だ。

 それは奴とて、同じはず。



 ちと、魔界の方も状況が変わってきているな。

 新魔王率いる軍は攻勢を増しており、それに対抗するは勇者、か。

 いやはや、私がいない時でよかったよかった。

 おそらく魔王軍は敗れるだろう。

 所詮は烏合の衆、軍など組織しようと崩れるだけよ……新魔王自体、内紛で生まれておるのだからな。

 気になるのは勇者の一団だが……

 ……まあ、よい。

 いざとなれば、戦うのみだ。

 この力をもって。



 ……それにしても。

 よもやこんな場所で、奴と会うとはな。

 運命の巡り合わせとは皮肉なものだ。

 いや、ある意味は当然か。

 似るものだ……親と、子は。

 フハハハハハハハハハハ……



 おっと……

 仕事に、戻らねばな。

 平穏は、よいものだ。

「魔王をやめさせられたので、村娘になって辺境でスローライフを送ります」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く