月島 祐

年明け

そしてばあちゃん家を後に二年参りへ向かう。


橋本先生と会う約束をしていた僕。


春香も誘ってみたが、来ないと頑なに拒まれた。


久しぶりに会う橋本先生は専門学校の頃の担任の先生だ。

僕は橋本先生に会うために市内の待ち合わせの郵便局へ向かった。








雪道の運転は久しぶりで怖かった。

多分あの事故以来だと思う。








雪がしんしんと降る中、僕は橋本先生に会った。


「お久しぶりです!」


橋本先生は相変わらず変わらず、変わったところと言えば髪が伸びていたくらいだ。


「祐くん久しぶり」

橋本先生は嬉しそうに挨拶をすると、神社に向かうことにした。


神社はどこもかしこも人波で溢れていた。

若者が多い中橋本先生とは懐かしい話で盛り上がる。

学校のこと、先輩や後輩の話、カメラの話…

懐かしい話ばかりで何だか学生に戻った気分になった。




橋本先生は
「写真好きならこういう景色もいいんじゃない?」

と人波の景色や神社の社を教えてくれた。


僕はカメラを構えて、ファインダー越しからそんな景色をパシャパシャ撮る。


「こんな感じに撮れました!」

僕は橋本先生に見せる。

「綺麗じゃん!私も先生やってた頃はでっかいカメラ持って学生の姿撮ってたんだよ!」

橋本先生とはカメラの話で盛り上がる。


そんな中、年明けまで後30分。

僕達は、神社の鳥居の前で今年が終わるのを待っていた。



「あぁ、これで辛かった一年がやっと終わる」

そんな想いを馳せながら、鳥居の前で今年の終わりを待つ。





そして新しい年が始まると同時に色々なところから聞こえる明けましておめでとうの声。


僕もInstagramのストーリーを回しながら橋本先生と明けましておめでとうの挨拶を交わす。


そして人波を掻い潜り、お参りを済ませる。


「今年はいい年になりますように…」


そんな想いを馳せながら手を合わせる。



これからどんな年になるのかな?

そんな事を考えていた。

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