月島 祐

夢の中

春香との電話が切れるとしばらくして僕は深い眠りに就いた。


まるで「眠りの国」に行くように…










僕は夢を見た。


働いている保育園での夢だった。


元気にはしゃぐ園児。

そんな園児と楽しそうに関わる先生たち。


僕もその中の一員だった。


まるで去年の担任を持っていた頃のように楽しく明るく元気に働く夢。


「これが幸せか」

なんて事を夢の中で思った。








気がつけば夢は覚めて現実の世界に僕はいた。


何もない部屋で一人ベッドに横たわる僕。


まともに歩くことすら出来ない体。


「適応障害」

「うつ病」


この言葉が脳裏をよぎる。



「いいかい。君は病気だから」
とお医者さんがくれた薬を飲んで深い眠りに就いたんだ。

SEKAI NO OWARIの「銀河街の悪夢」の歌詞が鮮明に蘇る。


「なんでおれだけ普通に出来ないんだよ」

僕はひとり呟きながらラインを開くと一通のラインが来ていた。

「春香」

「私も寝すぎた笑。これからお仕事行ってきます」

僕はラインが来ていることにちょっと嬉しくなりながらも
春香と僕の間に開いて行く「差」に嫌気がさした。


気がつくともう夜だ。

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