月島 祐

運ばれた

気がつくと阿町の病院に運ばれていた。


「大丈夫ですか!?」

救急隊員は僕にそう答えた。


僕は意識が朦朧としながらも受け答えをする。


病院に着くと処置室に運ばれた。


とりあえず事故ということもありレントゲン撮影をするとのことだった。


「息、深呼吸してごらん。」

病院の先生は僕にそう言い聞かせた。


しかし、なかなか出来っこない。


僕はベッドで運ばれてレントゲン室へと向かった。


無事にレントゲン撮影を終えるとお父さんの会社の同僚が駆けつけてくれた。

「祐。大丈夫か??」

「ご迷惑をおかけしてすみません」

色々な想いが込み上げながら僕は泣いていた。


いや
心が泣いていた。


お父さんは事故処理があるとのことで遅れてやってきた。


車はバンパーが壊れて、エンジンオイルが漏れている状態だったらしい。


お父さんと会話を交わすことはなかった。




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