月島 祐

涙のわけ

ドライブの日から何日か僕たちはメールと電話を繰り返した。

またいつものように何気ない話が多い内容だった。


「彼氏とはうまくいってるの?」


僕は聞いた。


「実はよくわからないんだ。」

春香は答える。

何がわからないのか僕にはわからない。


「そんなんだったらさ、別れたら?」
「だってそんな曖昧な関係可笑しいってさ」

僕はだんだん苛立って来たのがわかった。

「おれは春香が好きだよ」


言ってはいけない一言を発していた。


電話越しには無言で聞こえる涙声の春香。


僕はその意味がわからなかったんだ。

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