本日は性転ナリ。
After Story…Aya.6
夏真っ只中の快晴に恵まれたこの日は絶好のプール日和ということもあり、プールサイドには人が溢れ、皆で行った浜松祭を彷彿させる。そしてそれと同時に嶺ちゃんも来たかっただろうな…なんて思ってしまう。
『ヤッホー♪どこ行く?!流れるプール?それともあっちのプール行っちゃう??あっ、あっちのスライダーも行きたいッ♪』
でも、子供のように"はしゃぐ"稚華を見るとそんな気持ちも不思議と前向きな考えに変わってしまうのだけれど。
衣瑠は人混みが苦手なようで、人見知りな子供のように莉結にくっついて周りを気にしつつも楽しげにしている。
あぁ、思えば友達とプールなんて初めて来たかも。
今まで私の"トモダチ"と呼べる存在がどれだけ薄いものだったのかを衣瑠や稚華達と出会ったことでやっと気づくことができた。
学校では私と共に"トモダチ"として行動していた"彼女達"も、こうやって何処かへ遊びに行こうなど誘ってくれることは無かったし、今思えば"金持ちのお嬢様"を利用していただけだったんだと分かる。
結局私の運命が大きく変わった"あの日"だって全ての責任を私に押し付けてきたワケだし…私ってほんと馬鹿だったのね。
『おーい♪彩ちゃんは何でこんな楽しいトコでそんな怖い顔してるんですかぁー??』
ふと顔を上げると稚華の満面の笑みが視界一杯に映り込む。こんな時に暗い過去の事考えてるなんて、ふっ…まだ私は馬鹿なのね。
『彩ちゃんどうかした??』
「ううん、何でもないッ♪さぁ行こっ♪」
もう昔の私じゃない。"アヤ"でも"お嬢さん"でもない、私は"ただの彩"なんだ。
『ねぇッ、とりあえずスライダーやろ、スライダーっ♪』
私たちは色とりどりな浮き輪が咲き並ぶ長蛇の列の最後尾につくと、蝉と楽しげな人々の声の中をゆっくりと進んだ。
私の番となり、川のせせらぎに似たスライダーの降り口へと腰を下ろす。
…思ったよりも高い。ちょっと怖いかも。
そんな事を考えていると、背中に柔らかな感触が伝わった。
『一緒に滑ろッ♪彩がポロリしちゃいけないしねッ♪』
同時に私の胸を稚華の腕が包む。
『ちょっ…何やって…』
『GOーッ♪』
稚華の爽やかな掛け声と共に私達の身体は勢いよく冷ややかなせせらぎの上を滑降する。
あっという間に水面が目前へと迫り、冷たい感触と柔らかな衝撃の波へと吸い込まれていった。
コポコポと遠く聞こえる泡の音の中、ゆっくりと水面へと浮上していく。
とその時、私を包む両腕がそっと肩を掴み、細やかな泡の中で私の身体は半回転させられる。
そして口元に伝わる柔らかな感触…
私がゆっくりとその目を開けると、煌めく泡の星雲の中フワリと漂う彗星の尾のような髪、そして水面に乱反射した光に照らされた稚華の微笑んだ口元が目に映った。
蝉の鳴き声と賑やかな声が耳へと伝わり、頬を温い風が撫でると、私は濡れた髪をかきあげ、今あった感触を確かめるように唇にそっと指を当てた。
『ヤッホー♪どこ行く?!流れるプール?それともあっちのプール行っちゃう??あっ、あっちのスライダーも行きたいッ♪』
でも、子供のように"はしゃぐ"稚華を見るとそんな気持ちも不思議と前向きな考えに変わってしまうのだけれど。
衣瑠は人混みが苦手なようで、人見知りな子供のように莉結にくっついて周りを気にしつつも楽しげにしている。
あぁ、思えば友達とプールなんて初めて来たかも。
今まで私の"トモダチ"と呼べる存在がどれだけ薄いものだったのかを衣瑠や稚華達と出会ったことでやっと気づくことができた。
学校では私と共に"トモダチ"として行動していた"彼女達"も、こうやって何処かへ遊びに行こうなど誘ってくれることは無かったし、今思えば"金持ちのお嬢様"を利用していただけだったんだと分かる。
結局私の運命が大きく変わった"あの日"だって全ての責任を私に押し付けてきたワケだし…私ってほんと馬鹿だったのね。
『おーい♪彩ちゃんは何でこんな楽しいトコでそんな怖い顔してるんですかぁー??』
ふと顔を上げると稚華の満面の笑みが視界一杯に映り込む。こんな時に暗い過去の事考えてるなんて、ふっ…まだ私は馬鹿なのね。
『彩ちゃんどうかした??』
「ううん、何でもないッ♪さぁ行こっ♪」
もう昔の私じゃない。"アヤ"でも"お嬢さん"でもない、私は"ただの彩"なんだ。
『ねぇッ、とりあえずスライダーやろ、スライダーっ♪』
私たちは色とりどりな浮き輪が咲き並ぶ長蛇の列の最後尾につくと、蝉と楽しげな人々の声の中をゆっくりと進んだ。
私の番となり、川のせせらぎに似たスライダーの降り口へと腰を下ろす。
…思ったよりも高い。ちょっと怖いかも。
そんな事を考えていると、背中に柔らかな感触が伝わった。
『一緒に滑ろッ♪彩がポロリしちゃいけないしねッ♪』
同時に私の胸を稚華の腕が包む。
『ちょっ…何やって…』
『GOーッ♪』
稚華の爽やかな掛け声と共に私達の身体は勢いよく冷ややかなせせらぎの上を滑降する。
あっという間に水面が目前へと迫り、冷たい感触と柔らかな衝撃の波へと吸い込まれていった。
コポコポと遠く聞こえる泡の音の中、ゆっくりと水面へと浮上していく。
とその時、私を包む両腕がそっと肩を掴み、細やかな泡の中で私の身体は半回転させられる。
そして口元に伝わる柔らかな感触…
私がゆっくりとその目を開けると、煌めく泡の星雲の中フワリと漂う彗星の尾のような髪、そして水面に乱反射した光に照らされた稚華の微笑んだ口元が目に映った。
蝉の鳴き声と賑やかな声が耳へと伝わり、頬を温い風が撫でると、私は濡れた髪をかきあげ、今あった感触を確かめるように唇にそっと指を当てた。
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