本日は性転ナリ。
After story...Dear Rei .2
「そう言えばあの桜、どうだった??」
私は彩ちゃんの背中に問いかける。
1年前、嶺ちゃんの願いを叶える為に必死になって探し見つけた"あの桜"。それは私たち、そして嶺ちゃんにとってトクベツなモノなのだ。
『もちろん手配してもらったわ♪ほら。』
彩ちゃんが手に下げたビニール袋を広げると、四角いダンボールに入れられた一輪の"タカネザクラ"が小さな花を揺らした。
『嶺ちゃんの為だもの、当然よ。』
私たちの前へバスが到着し、排出音と共に扉が開く。そしてクーラーの効いた車内を進み1番後ろの席へと座ると、稚華さんが"ふぅ"と息を吐いた。
そして先程とは一変し、神妙な面持ちで『みんな聞いて。』と1つの缶を取り出して言ったのだった。
その缶はキャンディーか何かの缶だろうか?手のひらくらいの小さな箱型で、可愛いデザインの模様が描かれたものだった。
「どうしたの稚華さん?」
『あのね、コレ…嶺の机の引き出しに入ってたんだけど…』
その瞬間、みんなの視線がその箱に集まる。
嶺ちゃんの…?私の心臓の鼓動が早まる。この世界には、もう嶺ちゃんとの新しい思い出は作られることはない、私はあの時からそう思っていた。ただ過去の記憶を読み返し、その幸せだったひと時に浸ることしかできないのだと。
そして突然目の前に現れた"嶺ちゃんの生きていた証の1ピース"に、期待と不安、懐かしさがぐるぐると渦巻いた。
『それ…何が入ってるの?』
『私も内容までは見てないんだ、たぶん手紙なんだけど…言ってなくてごめん。コレは1年前に見つけたんだけど…見て。』
稚華さんはそう言って缶の蓋を開けると、1枚の紙を取り出し、私たちに見えるように差し出した。
私は彩ちゃんの背中に問いかける。
1年前、嶺ちゃんの願いを叶える為に必死になって探し見つけた"あの桜"。それは私たち、そして嶺ちゃんにとってトクベツなモノなのだ。
『もちろん手配してもらったわ♪ほら。』
彩ちゃんが手に下げたビニール袋を広げると、四角いダンボールに入れられた一輪の"タカネザクラ"が小さな花を揺らした。
『嶺ちゃんの為だもの、当然よ。』
私たちの前へバスが到着し、排出音と共に扉が開く。そしてクーラーの効いた車内を進み1番後ろの席へと座ると、稚華さんが"ふぅ"と息を吐いた。
そして先程とは一変し、神妙な面持ちで『みんな聞いて。』と1つの缶を取り出して言ったのだった。
その缶はキャンディーか何かの缶だろうか?手のひらくらいの小さな箱型で、可愛いデザインの模様が描かれたものだった。
「どうしたの稚華さん?」
『あのね、コレ…嶺の机の引き出しに入ってたんだけど…』
その瞬間、みんなの視線がその箱に集まる。
嶺ちゃんの…?私の心臓の鼓動が早まる。この世界には、もう嶺ちゃんとの新しい思い出は作られることはない、私はあの時からそう思っていた。ただ過去の記憶を読み返し、その幸せだったひと時に浸ることしかできないのだと。
そして突然目の前に現れた"嶺ちゃんの生きていた証の1ピース"に、期待と不安、懐かしさがぐるぐると渦巻いた。
『それ…何が入ってるの?』
『私も内容までは見てないんだ、たぶん手紙なんだけど…言ってなくてごめん。コレは1年前に見つけたんだけど…見て。』
稚華さんはそう言って缶の蓋を開けると、1枚の紙を取り出し、私たちに見えるように差し出した。
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