本日は性転ナリ。

漆湯講義

152.ソウダン


『うんっ♪衣瑠ねぇ言ったんじゃん!!"本当のジブンを嫌いにならないでほしい"って。その言葉のおかげで、あの日から私はジブンの事少しずつ好きになれてきたんだ♪』

そんな事言っておいて私は何だろうね…

「自分で言っておいてキッパリと決断できないなんて私はダメダメだね…」

『ううん、そんな事ないよ!!私はこんなんだからアレだけど、たぶん私も衣瑠ねぇの立場だったら悩んでた。』

「えっ?」

どういう事だろう。私もレイちゃんと立場は同じはず…だよね?

『あ、間違えた。よく分かんないけど悩んで当たり前だと思う。』

「そっか、そうだよね♪ホントに"妹"はしっかりモノだっ♪」

『えへへ♪そう?』

するとレイちゃんはゆっくりと私の肩に体重を預けてくる。

可愛いな、と思ったのも束の間、肩に熱を感じた。

「レイちゃんなんか熱いよ??」

するとレイちゃんの額には汗が滲み出し、呼吸が荒くなっていることに気づく。

「どしたの?レイちゃん熱あるんじゃ…」

『ごめん衣瑠ねぇ、私ちょっと体調崩してて。』

「ごめん!!言ってくれれば良くなってからにしたのにっ!!家まで送るよ!」

『いや、いいのっ♪会える時に会っとかなきゃ♪衣瑠ねぇの頼みは断れないよ♪はは♪』

もう…嬉しいけど無理はしちゃダメだよ。

レイちゃんを家に送り届けるとちょうど稚華さんが帰ってきたところだった。

『おっす♪どしたの2人で?…あれ?嶺っ!!体調悪いのかっ??』
そう言って駆け寄る稚華さん。
「熱あるみたいなんだ。休ませてあげて。」

『どうも凧場行ってから菌もらってきちゃったみたいでさ。最近ちょっと体調悪そうだったんだ。ま、寝ればすぐ良くなるよ♪行こっ、嶺。』

2人を見送り、家へと帰る。

体調良くなったらまたお出掛けしたいなっ。





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