本日は性転ナリ。

漆湯講義

144.凧場巡り

むむ…?お姉ちゃん…?

その瞬間、何かが"ビビッ"と身体を流れた。
なななな……なんかいいじゃんっ!!弟とか妹欲しかったんだぁっっ!!!

『なんか衣瑠嬉しそう…(笑)』

「そりゃ嬉しいよ♪こんな可愛い妹居たら言うことなしだよ!!」

そこに稚華さんが割り込んで、
『ちょっとー、あくまでも知り合いに会った時の"設定"なんだからね!!レイは誰にも渡さないよっっ??』なんて怒った"フリ"をして言った。

そんな下らない会話に幸せを感じてしまう。

うんうんうんうんうん♪友達って…いいなっ!!

それから…莉結の食べたいモノをそれはそれはたくさん買って…
そしてやっとみんなで防砂林の下へ移動し、休憩となった。

「…ったく本当にこんなに食べれんの??」
焼きそば、りんご飴、お好み焼きにいかみりん……落書きせんべいにたこ焼き、ひよこ、焼き鳥、フライドポテト。

…ん?ひよ…まぁいっか。

『いや…分かんないけど…みんなで食べれば怖くない!!みたいな?』

いや、別に元から怖くはないんだけどさ…

そんな時だった。
『お嬢ちゃんらいっぱい買ったなぁー!』
と話しかけてきたのは法被姿のおじさんだ。
肩からタスキをかけているから役員の人だろう。
片手にビールを持ち、顔は日焼けと相まって真っ赤になっている。

『凧はなぁー…人間とおんなじだと思わんけ??』

…そして急に語り出した。

完全に座る場所を間違えた。

『あぁやって沢山上がってる凧は人間だ。』

意味のわからない事を言い出したこのおじさん。みんな引きつって作り笑いを浮かべている。

『みんな他の凧に当たらんように気ぃ遣って一定の距離保ってるら??それが世の中ってもんでさ…』

「は、はぁ。」

『世間の風に流されると…ほらみ!あそこの凧みたいに人様にぶつかって人を傷つけちまうんだ。』

だんだんと"らしい"話に聞こえてきたのは私だけ?(笑)

『そんであの凧みたいにお互いに絡まって喧嘩して…あぁやって落ちちまうって話だ。』

え?!終わり?!

「えっと…それで?」

『それが…』

それが??








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