本日は性転ナリ。

漆湯講義

142.久しぶりの…

「じゃ、じゃぁもらおっかな。わっ、美味しい♪夏はやっぱりソフトクリームだね♪」

って無反応っ!!…莉結?

「どうかした?顔赤いけど。もう少し日影で休む?」

『べ、別にどーもしてないよー!!だって女の子だもん!!それぐらいフツーだよフツー!!』

「何言ってんの?(笑)溶けてきてるじゃん!」

『知ってるもん!!こんくらい溶けてるのがが美味しいんです!!』

そう言いつつ半壊しそうなソフトクリームに悪戦苦闘している莉結を横目に店を出ると砂丘入り口脇の、松並木が続く未舗装の道を人混みの中進んだ。

辺りが開けると、目に写り込んで来たのは人、人、人。見渡す限りに人がひしめき合って、広場中央には法被姿の人たちがラッパの音に合わせて凧の綱を引いては戻し、また引いては戻しを繰り返している。
『来たねぇーっ♪すっごいじゃん!!お店もちょー沢山っ!!レイは逸れないように気をつけてよー!!』

『私コドモじゃないっ!!お姉ちゃんこそまた変なヤツにナンパされんなし。』

『おぉー♪衣瑠ちゃんに莉結ちーん♪やほー♪ひっさしブリー♪』

久しぶりに聞くこの声…このハイテンション…

「麗美さんっ!!」

そこには法被姿の麗美さんが、大人しそうな女の子を連れて満面な笑みを浮かべている。

『いやぁー♪ほんと久しぶりっ♪もしかして林間学校以来??バイト忙しかったしテストの点ヤバくていよいよ親にどん叱られたのもあっからなぁー…それに…』

今まで喋られなかった事を全てまとめて話すかのように一方的な会話は止まらない。

そこで莉結のナイスなツッコミが入った。

『その子は??あの、仲良さそうだけど。』

ノンストップトークが中断し、麗美さんは少し照れながら答える。

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