二重人格のいじめられっ子が転生されたら
9話「もう一人の俺(一ノ瀬視点)」
 私は一ノ瀬静香。
 理由は未だにわからないのだけど異世界に来てしまった1人である。
 私は高校生になってから気になっている人がいる。
 それは小林広夢くん。
 彼は島田くんと如月さんとしか話さない。
 武田とかとは強制的な感じがするけど他の人とは極力話してない。
 だから周りと仲良くしようとしない彼を私は気になっていた。
 好意とかではなく人として気になっているだけだ。
 今まで彼みたいな人とはあったこと無かったので、異世界に来たのをきっかけに私は探ってみることにした。
 まず初めに彼と同じ訓練のグループに入った。
 これには意外と苦労した。
 なぜなら武田、とにかく邪魔だ!!
 けれど仕方ない。
 だって、気になるんだから。小林広夢の生き方が。
 そう思って訓練開始となると小林くんが訓練に参加していない。
 急にサボり?
 もしかして入りづらいとか?
 そう思い声をかけてみる。
「小林くん、そんなとこで座ってて退屈しないの?」
「あー、正直退屈だけど僕にはできない事だから気にしないで?」
 なんか失礼だったかな……、謝ろう…。
「なんか気分を害したなら謝るわ。良かったらなんだけど私の訓練相手になってくれないかな?そっちの方が効率がいいから」
「えーとー、何すればいいのかな...?」
「私と戦うのよ?ただそれだけ」
 とりあえず関わる機会が出来た!
 あとは観察するだけ!
 そうこうして訓練が始まった。
 まず私が攻撃を仕掛けた。
 これで私が勝ったら色々教えてもらうことにしよう。
 そう思い小林くんに剣を振るう。
 砂を投げられたりしたが何ともない。
 私は今、自分が授かった「スキル」?というものをちょっと試してみたい。
 そういう気持ちが少しあった。
 その私の固有スキル、「鑑定」と「身体能力3倍」。
 鑑定は使っていた。
 けれどクラスメイトで見えないのは小林くんだけ。
 身体能力3倍はまだ使ってない。だって、運動する機会がなかったから。
 けどこの訓練で思う存分使ってやる!
 そう思っていると、なんと小林くんは……逃げた?
 なんなのよ!挑発してみるか……。
 私はそう思い、
 「そんなんだから虐められるのよ!」
 そう言うと、こっちに来て件を振りかざしてきた。
 
 体が軽い...。
 そう思い流れるように交わして、剣を向けた。
 サク!
 そして、
「強くなりたいんでしょ!」
 そう言った。
 彼は掠れた声で、聞き取りづらい声で、私に何かを言って倒れてしまった。
 
 小林くんが倒れてしまった。
 ここまで弱いだなんて思ってなかった…。
 どうしよう。
 勝手に決闘じみたことやったなんて私たち以外誰も知らないし。
 やっぱり人を呼ぶべきなのかな…。
 うん!人を呼ぼう!
 そう思っていると、ん?
 小林くん起きた?
 良かった!
 私はとにかく謝る。殺しかけてしまったこと、小林くんのためにやったと変なことを口走って、最低な奴だと思った。
 自分は最低だ。人としてどうかと思う。
 そう思うと小林くん?が私に、
「俺たちは何をしていたんだ?」
 へ?
 記憶が飛んだのかな?
 そう思っていたがなんかおかしい。
 雰囲気、目付き、そして何よりさっきまでと私への態度というのが手をとるようにわかる。
 まるで別人みたいだ。
「訓練、か。訓練ならまだ終わってないじゃないか。これからが本番ってやつだろ?これで終わりなんて悲しすぎるぜぇ?」
 などと言ってくる。
 手加減で死にかけた...フリ?
 
「本気を出していなかったのですか!私の心配を返してください!!」
 そう叫んだ。気持ちを込めて。
 けれど変な答えしか返ってこない。
 本当に小林広夢なの?
 
 そして何故か訓練を続けることになった。
 しかも私にハンデをくれた。
 10秒間俺は何もしないと言って今は剣をしまっている。
 10秒間くれるということは最低7回は今の私なら攻撃できるはず!
 そう思い私は……剣を...ってあ、れ?
 体が思うように動かない……。
 緊張?いや、これは恐怖だ。トラウマのような感覚。
 震えているのか。小林くんに私は恐怖してるのか?
 ありえない。
 そう思い私は剣を彼に振るった。
 けれど軽くかわされてしまう。
 本当に小林くんなのか、そう思ってしまう。
 そう考えているうちに時間が経ってしまう。
 もうひと振り!
 そう思い震える手を抑えて剣を振るったが、それで10秒。
 結局2回しか攻撃できなかった。
 そして彼が件を捨てて、使わないだとか言い始める。
 
 そんなんで勝てるわけないじゃない。
 そう思っていたが、彼が手を前に出してブツブツ呟き始めた。
 魔法?つかえないんじゃなかったの!?
 剣を構え警戒していると、呟くのを彼がやめた。
 と次の瞬間!
 息ができない!?
 苦しい...やばい……。
 だけどいくら時間が経っても一向に息ができるようにならない。
 私もう死ぬのかな…。
 そんなことを思うくらい私はこんな短時間で精神的に追い詰められていく。
 息ができないことがこんなにも苦しいだなんて。
 すると急に息ができるようになった。
 息ができるってこんなにも……。
 そう思い、必死に空気を味わった。
 空気を吸ってるさなか、遠慮なく彼は近づいてくる。
 
 怖いな。
 多分私の顔は真っ青だ。
 体も妙に冷えきってしまっている。
 震えも止まらない。
 そんな私に彼は、
「俺の主はいじめを受けてるそうだな。今度からはお前が守れ。守れなかった場合は分かっているだろうな?俺は好きな時に好きなように来ることができない。だからこの体を守ることができない。俺はこの体を守るために存在しているようなものだからな。だから俺が来れない時はお前が守れ。約束だぞ?」
 そんなことを言ってきた。
 そんなことでいいなら全然構わない。
 今死ぬよりは安いものだな。
 そう思い、生きているという実感を必死に噛み締めたのだった。
 理由は未だにわからないのだけど異世界に来てしまった1人である。
 私は高校生になってから気になっている人がいる。
 それは小林広夢くん。
 彼は島田くんと如月さんとしか話さない。
 武田とかとは強制的な感じがするけど他の人とは極力話してない。
 だから周りと仲良くしようとしない彼を私は気になっていた。
 好意とかではなく人として気になっているだけだ。
 今まで彼みたいな人とはあったこと無かったので、異世界に来たのをきっかけに私は探ってみることにした。
 まず初めに彼と同じ訓練のグループに入った。
 これには意外と苦労した。
 なぜなら武田、とにかく邪魔だ!!
 けれど仕方ない。
 だって、気になるんだから。小林広夢の生き方が。
 そう思って訓練開始となると小林くんが訓練に参加していない。
 急にサボり?
 もしかして入りづらいとか?
 そう思い声をかけてみる。
「小林くん、そんなとこで座ってて退屈しないの?」
「あー、正直退屈だけど僕にはできない事だから気にしないで?」
 なんか失礼だったかな……、謝ろう…。
「なんか気分を害したなら謝るわ。良かったらなんだけど私の訓練相手になってくれないかな?そっちの方が効率がいいから」
「えーとー、何すればいいのかな...?」
「私と戦うのよ?ただそれだけ」
 とりあえず関わる機会が出来た!
 あとは観察するだけ!
 そうこうして訓練が始まった。
 まず私が攻撃を仕掛けた。
 これで私が勝ったら色々教えてもらうことにしよう。
 そう思い小林くんに剣を振るう。
 砂を投げられたりしたが何ともない。
 私は今、自分が授かった「スキル」?というものをちょっと試してみたい。
 そういう気持ちが少しあった。
 その私の固有スキル、「鑑定」と「身体能力3倍」。
 鑑定は使っていた。
 けれどクラスメイトで見えないのは小林くんだけ。
 身体能力3倍はまだ使ってない。だって、運動する機会がなかったから。
 けどこの訓練で思う存分使ってやる!
 そう思っていると、なんと小林くんは……逃げた?
 なんなのよ!挑発してみるか……。
 私はそう思い、
 「そんなんだから虐められるのよ!」
 そう言うと、こっちに来て件を振りかざしてきた。
 
 体が軽い...。
 そう思い流れるように交わして、剣を向けた。
 サク!
 そして、
「強くなりたいんでしょ!」
 そう言った。
 彼は掠れた声で、聞き取りづらい声で、私に何かを言って倒れてしまった。
 
 小林くんが倒れてしまった。
 ここまで弱いだなんて思ってなかった…。
 どうしよう。
 勝手に決闘じみたことやったなんて私たち以外誰も知らないし。
 やっぱり人を呼ぶべきなのかな…。
 うん!人を呼ぼう!
 そう思っていると、ん?
 小林くん起きた?
 良かった!
 私はとにかく謝る。殺しかけてしまったこと、小林くんのためにやったと変なことを口走って、最低な奴だと思った。
 自分は最低だ。人としてどうかと思う。
 そう思うと小林くん?が私に、
「俺たちは何をしていたんだ?」
 へ?
 記憶が飛んだのかな?
 そう思っていたがなんかおかしい。
 雰囲気、目付き、そして何よりさっきまでと私への態度というのが手をとるようにわかる。
 まるで別人みたいだ。
「訓練、か。訓練ならまだ終わってないじゃないか。これからが本番ってやつだろ?これで終わりなんて悲しすぎるぜぇ?」
 などと言ってくる。
 手加減で死にかけた...フリ?
 
「本気を出していなかったのですか!私の心配を返してください!!」
 そう叫んだ。気持ちを込めて。
 けれど変な答えしか返ってこない。
 本当に小林広夢なの?
 
 そして何故か訓練を続けることになった。
 しかも私にハンデをくれた。
 10秒間俺は何もしないと言って今は剣をしまっている。
 10秒間くれるということは最低7回は今の私なら攻撃できるはず!
 そう思い私は……剣を...ってあ、れ?
 体が思うように動かない……。
 緊張?いや、これは恐怖だ。トラウマのような感覚。
 震えているのか。小林くんに私は恐怖してるのか?
 ありえない。
 そう思い私は剣を彼に振るった。
 けれど軽くかわされてしまう。
 本当に小林くんなのか、そう思ってしまう。
 そう考えているうちに時間が経ってしまう。
 もうひと振り!
 そう思い震える手を抑えて剣を振るったが、それで10秒。
 結局2回しか攻撃できなかった。
 そして彼が件を捨てて、使わないだとか言い始める。
 
 そんなんで勝てるわけないじゃない。
 そう思っていたが、彼が手を前に出してブツブツ呟き始めた。
 魔法?つかえないんじゃなかったの!?
 剣を構え警戒していると、呟くのを彼がやめた。
 と次の瞬間!
 息ができない!?
 苦しい...やばい……。
 だけどいくら時間が経っても一向に息ができるようにならない。
 私もう死ぬのかな…。
 そんなことを思うくらい私はこんな短時間で精神的に追い詰められていく。
 息ができないことがこんなにも苦しいだなんて。
 すると急に息ができるようになった。
 息ができるってこんなにも……。
 そう思い、必死に空気を味わった。
 空気を吸ってるさなか、遠慮なく彼は近づいてくる。
 
 怖いな。
 多分私の顔は真っ青だ。
 体も妙に冷えきってしまっている。
 震えも止まらない。
 そんな私に彼は、
「俺の主はいじめを受けてるそうだな。今度からはお前が守れ。守れなかった場合は分かっているだろうな?俺は好きな時に好きなように来ることができない。だからこの体を守ることができない。俺はこの体を守るために存在しているようなものだからな。だから俺が来れない時はお前が守れ。約束だぞ?」
 そんなことを言ってきた。
 そんなことでいいなら全然構わない。
 今死ぬよりは安いものだな。
 そう思い、生きているという実感を必死に噛み締めたのだった。
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コメント
TORN
素敵な感想ありがとうございます!
しばらく受験で忙しいので、そろそろ作品出していきたいと思うのでよろしくお願いします!