二重人格のいじめられっ子が転生されたら

TORN

8話「狂気」

 昨日は勇者誕生祭?で大盛り上がりした。
 けれども一つつっかかる。
 メインの島田吐いて撃沈しましたけど……。
 そうだよ!ただ息抜き的なのをしたかっただけだろ!
 それにしても魚多すぎだし。
 僕はベッドから身を起こす。

 ん?気持ち悪いぞ?

 そう思うと同時に吐き気が。
 どうやら昨日の魚が効いているらしい。
 それに団長さんとあまり話せなかったし、正面のアリシアとも……。
 結構良い席だと思っていたのにな。
 そう思って部屋から出るとなんとそこには……島田。
 
 あー、うん。おはよう。

 僕は朝食をとるために食堂に向かう。

「ちょっ!酷くない!?」
「あー、うん。おはよう。」

 今さっき思ったことをそのまま告げた。
 まぁいろいろあって一緒に行くことになったんだが、そこで事件が。

「小林くん!食堂一緒に行かない!?」
「……広夢くん!私と食堂にっ!」

 え、僕モテ期?

 そう捉えることの出来る光景が目の前に。
 島田がニヤニヤしている。
 こいつっ!
 とりあえずどうしようか……。
 如月さんとは最近話してないな、けどここで久しぶりに話したいからなんて言って一緒に言っても勘違いされかねない。
 一ノ瀬さんの場合はなんかダメだ。
 僕の中での一ノ瀬さんのイメージが今は総崩れしてる最中なのだから。
 ここはいっそ二人とも断って島田が~とか言ってごまかすか?どうしよう、なんで僕コミュ障なの!?

 すると島田が、

「ごめんごめん。今は広夢、俺専用なんで。あははー!」

 何がウケるのか?というか誰が島田専用だ。
 ツッコミを入れたくなる。
 けれど助かった!さすが常時モテ期の島田誠!!
 こうして申し訳ないが彼女たちとは別れて食堂に改めて向かう。

「ありがとな?」
「気にすんなってことよ」

 流石にコミュ障の僕にはあーいうのは勘弁して欲しいってもんだ。
 まぁあとで如月さんのところに行ってみるか。
 一ノ瀬さんはいいよね?
 だってあれだもん、僕への見方が怖いんだもん。
 食堂に着くと団長さんが話しかけてきた。

「昨日は楽しかったな!お前らは楽しめたか?」
「はい。でも全然島田がメインって感じがしませんでした」
「確かに私も途中から忘れていたな!」

 マジか……団長さん本当に忘れっぽいな。

 それにしても昨日のこととあってなんて言うか……魚臭い!!
 当分魚は勘弁して欲しいな。
 そう思い席につく。
 まだ僕と島田と団長さんと兵士数人しか来てないから静かだな。
 それからしばらくすると部屋から出た時に偶然?会った二人、如月さんと一ノ瀬さんが話しかけに来た。

 さっきみたいに頼むぜ?島田様?

 そう思って隣、島田の方を向く。
 けどそこには吐きそうな島田。

「どうしたの?」
「...ここ、魚...臭い…」
「そうだなー昨日の夜の魚だよな」
「魚……怖い」

 そう言うと食堂の外に小走りで走っていってしまった。
 え?
 嘘だろ?島田さん。いや島田様。
 コミュ障の僕に何させろと!?
 そんなことを思ってあたふたしてると、

「団長さん!聞きたいことがあるのでちょっとの間時間くれませんか!?」
「早く来て私に分からないところを聞きに来たのか!いい心がけだな!……小林くん、済まないが席を外すぞ?」
「え?あーはい!」

 うーわ、勘違いしてたの僕?
 すっごい恥ずかしい!
 そう思い誰にも見られないように顔をしたにする。
 そこには白い紙。
 折られているようだ。
 さっきの事が嘘だったかのように僕は冷静になれた。
 なんか悪い予感がするこの紙を拾い上げてポッケに入れ込む。
 
 あとで読むか……。


 

 だいぶ時間が経ったようで、ほとんどの人が食堂に集まり、準備を進める。
 朝飯だよな?昨日の夜みたいにならないよな?
 そう思わざるを得ないような時間のかかり具合、そして酒の量。飯(魚)の量。
 この世界はどうなってるんだろう。
 打上二日連チャン、それに朝はちょっと……。
 そう思う。朝から重いのはちょっと...それに胸焼けしてるんですけど。
 
「少し時間をくれ!」

 団長さんが叫んだ。
 
「昨日の勇者誕生祭が終わったあとに隣町で魔王の襲撃があったそうだ!この街もいつ危険にさらされるかわからない状態だ。だからめいいっぱい食べて、早く強くなるように!!以上!」

 団長さんがそう言うと兵士たちが急にめのまえの飯(魚)を口に頬張り始めた。
 
 勢いすごいな!!

 団長さんが隣に戻ってきた。島田は一向に戻ってこない。
 
「ちょっと島田の様子見に行ってもいいですか?心配なので……」

 そういうと団長さんは頷いてくれた。
 正直胸焼けで何も食べられそうになかったって言うのもあるんだけどね...。
 そう思い、急いで部屋に向かった。
 薬を取り出しすぐ飲む。
 そして島田を探す。

「おーい島田ー?」

 ……。
 返事なしか~。
 部屋にはいないのかな?
 そう思いとりあえず仕方ないと思いクラスメイトの部屋をひと通り見ていく。
 どこにも居ないな...。
 ん?ひとつ見てないとこが……そう思い武田の部屋に入る。
 正直こいつの部屋には入りたくなかったが仕方が無いことだ。
 そう思い一歩踏み入れようとすると、

 血なまぐさい?

 臭いが強烈過ぎて、入れそうにない。
 する遠くの方から武田が来た。裏にちらっと見えたのはふくろにされたのか、島田が血まみれで横たわっていた。

「おー?見えちゃった?じゃーおまえもいっしょのめにあわせてやるよ!」
 
 そう言うと武田はサバイバルナイフのようなものを僕の首元に横振りする。
 僕は間一髪で後ろに避けると、すぐに食堂に戻ろうとする。
 だが考えていることを気づかれたのか、すぐに前に立ちふさがる。
 ちっ!戦うしかないのか……。
 そう思うと急に鳥肌が全身に。
 トラウマだ。こればかりはどうしようも出来ない。
 震えだす。
 刺される!刺される!!
 そう思った次の瞬間、目の前には団長さんがいた。

「何してるのかね?君」
「っ!?あーえっとこいつにこの前頼まれたんですよ!
 僕に色々と教えてほしいって!だから今は朝の稽古ってやつですよ!」

 苦しすぎるだろ。流石にきづくでしょ。
 そう思っていたが、

「そうなのか!!仲間思いだな。これはこれは失礼なことを。だが中ではやってはいけないぞ?」
「すいません!こいつが今やれっていうものですから!」
「ところで島田君は?どうしたのかね?」

 そうだよ!さっきあそこで島田が……ん?島田?
 そこに居たのは無傷の島田。
 
「時間かかったけど凄いな!!この『ヒール』ってやつは!傷が無くなったよ!」

 そんなことを言っている。驚いているのは僕だけではなく、武田とその連れ全員も驚いているそうだ。

「じゃーそろそろ朝飯を食べに行こう!!」

 島田も見つかったし良しとするか!何より傷ないし。
 そう思う。
 だがあいつらの考えは許せない。嘘をでっち上げ、団長さんを騙す。外道だ。
 僕は武田たちを見てそう思った。
 すると武田の目が合った。
 次の瞬間すごい形相で睨まれる。
 その目は光を反射していないのか、どこか嫌な感じがした。
 広夢はそう思い、島田と話しながら食堂に戻るのだった。


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