二重人格のいじめられっ子が転生されたら
1話「ここどこ」
 僕は小林広夢、高校一年生だ。
 どこの学校にも一人二人はいると思うアレだ。
 いわゆる『根暗』ってやつだと思う。
 休み時間には本を読み続け、授業中は音を出さず先生にはよくやってるアピールだけしてるせこいやつだ。
 実際普通の友達が欲しいと思っているのだがあいにく仲がいいのは学年のアイドル的な存在の幼馴染、如月鈴と女子のお尻をわざと触っても怒られず喜ばれるような美貌を持つ男、島田誠しか友達はいない。
 実際話し相手がいるだけで僕は嬉しいのだが、嬉しいのだが周りの視線が痛いほどに伝わってくるのだ!話してるだけで。
 そう、こんなやつだけど妬まれるんです。
 僕が虐められているのは如月さんが正直いうと八割占めてると思う。けど彼女の目の前で僕が殴られたりなんかする時は止めてくれるからいいんですけどね?
 もう一人の島田は僕の読んでいるラノベで意気投合した。
 ラノベの感想を言い合える人が出来るなんてもう誇っていいレベルだと思う!そう!みんな自慢していいんだぞこれは!!
 でも楽しいと思えることにはリスクがある。
 先程も言ったかのように僕は妬まれるんだ。
 如月さんと話せばいじめが悪化し、島田と話せば女子に精神的苦痛を受ける。
 そんなこんなで入学してから5ヶ月ぐらい経った9月。
「おーい根暗くーん?学校楽しかったー?」
 うん!こいつ本気で嫌いなんですけど!
 そう!何を言おう!この人があの有名な(僕の中で)あの武田 凛。
 下の名前は女っぽいが男です。
 まぁいい。どうせ虐めるんだろ?来いよ。
 夏休みが終わったあの憂鬱感に襲われてるこの日、僕は二学期初のいじめを受けてたった。
 まぁかっこいい感じで言ったつもりだけどいじめられてるっていう時点でダサいの極みですけどね。
 そんなこんなで夜遅くまでいたぶられました。
 武田たちに金を巻き上げられ、僕は帰ろうと教室のドアを開けた。
 次の瞬間、体が...えーとー……浮いた?んでしょうか。
 ふわーっと来る浮遊感。ジェットコースターが下がった時みたいな感じのアレだ。そう、アレ。
 殴られたとこが痛かったので目を閉じていたが、目を開けた時僕の頭はまーっしろになった。
 
「ここどこ」
 ラノベでよくある異世界転移ってやつか?
 嫌な汗が吹き出る。妙にここら一帯が騒がしい気がした。
 しかも普段僕が聞いている声。というか今さっき教室でいじめてきたやつの声もする。
 振り返る。理解する。辺りを見渡す。理解する。
 まあまあ落ち着け俺。
 どうせあれだろ?憧れすぎて夢でも見てるんだろ?
 そう思っていると裏からどつかれた。
「おー根暗ー、お前までいんの?こんな世界に来たのも最悪だけどお前がいるからもっと最悪なんですけど。マジできめぇー」
どつかれた。夢ではないのか。 
 ていうか俺はてめぇーの機嫌をとるために存在してるんじゃねーんだよ
 
 心の中で一言そう告げた。
 しかしこれからどうすんのかな。
 そう思っているとでかくないけど小さくもないところから呼びかけてくる。
 知らないやつがね?
「そこの勇者たちよ!急にこんなことをして済まない。だがこうする他方法がなかったのだ!
 どうか、どうか我らの国を魔王から救ってくれ!」
 来たー!この展開!今さっき読んでた本の展開と同じだぞ!?
 やはりお決まりというやつか。ドヤ
 そんなことを思いウキウキしながら広場に足を向けるのだった。
コメント
TORN
でかくもないけど小さくもない広場です
誤字りました。
すいません
孤独な軍曹
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TORN
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あと言いずらいけど……初心者です。