美少女同級生が新たな家族に!!
ようやく始まったデート 上
あのまま歩き続けた俺たちの目の前には、今大きな建物がある。
そう、目的地のショッピングモールだ。
「着いたね」
「うん」
ここまで来るのに、いろいろあったせいか体感的には家を出てすぐについた感じだ。
着いちまったなぁ……デートプランとか何にも考えついてないから不安でしかないぞ。
だからといって、このまま帰るというのはおかしすぎるので、とりあえず中に入ることにした。
このショッピングモールは、一階にはファミレスやファストフード、居酒屋などの飲食系の店と、食品や日用品を売っているコーナーがある。二階には服や靴などのファッション系の店と、様々なスポーツ用品店がある。三階には電化製品やゲーム、おもちゃ、本などの売り場やゲームセンターがある。四階には映画館があり、日本で上映している全ての映画を見ることが出来る。
俺達がいるのは一階だ。夕食を食べるには早すぎるし、ここにいても意味は無いだろう。
だけど、問題はどこに行くかなんだよなぁ……まぁ、雪村さんに聞けば何とかなるかな?俺じゃ全然思いつかないし。
「雪村さん、その……行きたい所はある?」
「えっと……」
雪村さんの反応は微妙だった。
この反応はどういったものだろうか。遠慮してるのか?それとも、本当に行きたいところがなのか?
全然、雪村さんの考えていることがわからない。まぁ、初めてあった日にいきなりデートしているわけで、お互いのことなんて名前とクラスくらいしか知らないから仕方ないんだけど。
でも、このままじゃ何も始まらないよなぁ……このまま時間が過ぎていくのはもったいない気がするし……何かいい案はないか……
「……それじゃあさ、お互いの行きたい場所を交互に行くってのはどうかな?」
たまたま思いついたが、結構いい案だと自分では思っている。
これなら、俺が無理やりリードして失敗することもないし、お互いに行きたいところに行けるし、一石二鳥だろう。もはや、デートとは言えないかもしれないけどね。
「うん。いいと思うよ」
よかったぁ。まぁ、俺がちゃんとしてればこんなことにはならなかったんだろうが、仕方ないよね。
「なら決まり。まずは雪村さんからどうぞ」
俺は最初の選択権を雪村さんに押し付け……譲ることにした。
「私から!?」
「うん。レディーファーストってことで」
「もう!」
なんか、雪村さんの見たことのない反応も見れたしラッキーだったな。でもようやく始まるな。
こうして俺たちのデートが始まった。
最初は雪村さんの番だ。
雪村さんは「服が見たい」ということなので、俺たちは服関係を売っている二階に向かうことにした。行ってみたかった店があるらしく、近くの案内板でその店を探してからそこに向かう。 
その店に着いた時、俺は別世界にいるように感じた。俺がいつも使う店なんかと全然違う。外装を見ただけでとてもおしゃれな店なのがわかる。
こんな店に俺が来ることになろうとは……それも女子と一緒に……
少したじろいだが、雪村さんが入っていくので俺も後をついて行った。
この店が見えた時は、おしゃれな店だなくらいにしか思っていなかったが、中に入いると女性用の衣服しかなかった。つまり、ここは女性服専門店なのだろう。
まじかよ……こんなところに来るとは思ってもいなかったぞ。
そして、ここにいるのは女だけで、男はいない。たぶん、カップルとかならありえるのだろうが、ぱっと見た感じではいなかった。今この空間に男は俺だけで、後は女だ。
俺の場違い感が否めなく、かなり気まづい。あちこちから見られているようにも感じる。
周りにどんな風に見られてるんだ?姉弟かな?それとも……カップル?
うぅぅ……なんか変に緊張してきた。
「そういえば、何を見たいの?」
気がつけば、雪村さんに話しかけてた。
仕方ないね、何かしないとこの雰囲気に押しつぶされそうだったんだ。
「えっとね……ワンピースでも見てみたいなぁって思って」
「なるほど」
「私、着たことなかったから。それで一回どんなものなのか見てみたいなぁってね」
「そうなんだ」
「うん」
緊張しているせいか、まともな返事はできなかった。
それ以降は黙って雪村さんの後をついていくと、すぐに目的のものが売っている所に着いた。そこではマネキンがワンピースを美しく着こなしている。
ワンピースの色は黒や白、水色などがあり、雪村さんは「こんなのがあるんだ」とか「どれがいいかな」と悩んでいた。
へぇ~、本当に着たことなかったんだ。女子っていろんな服を無駄に持っているイメージがあったから意外な感じだな。
そんなことを思っていると、雪村さんは二着の水色と白のワンピースを手に取って俺に見せてきた。
「ねえねえ、雨宮君はどっちがいいと思う?」
「えっと……」
俺は「どっちも似合うと思うよ」と言おうとして思いとどまる。
確かに雪村さんならどっちも似合うだろう。もともとの素材が最高品質だし。でも、ありきたりすぎてそんなんじゃだめだという思いが俺の中に生まれてくる。自分のボキャブラリーのなさが憎らしい。
せめて着てくれれば、他にいい言葉も思いつくかもしれないけども……でも、そんなこと頼めるわけもないし……
「……」
「……やっぱり見ただけじゃわかんないよね」
「……えっ?」
「えっと、ここ試着できるみたいだから、試着してみるね。その後に感想聞かせて」
「あっ、ああ、わかった……」
雪村さんは少し恥ずかしそうにしていたが行動は早く、今はもう試着室の中だ。
いきなりで驚いたが、確かに着てるとこを見ればまともな感想も浮かぶだろとは思っていた。でも、まさか本当にそうなるとは思っていなかったので、生返事になってしまった。
それよりもだ。今、俺の目の前の試着室では同級生の女子が着替えている。
はっきり言って落ち着かない。いろいろ気になってしまい、衣擦れの音がすると同時に心臓の鼓動も早くなる。
なんか恥ずかしくなってきたぁ……早く出てこないかなぁ……
人生で初の経験にそわそわしてきたところで、目の前の試着室の扉が開いた。
そして、雪村さんが白のワンピースを着て出てきた。
「ど、どうかな?」
「…………」
「……やっぱり変?」
俺の無言に雪村さんは不安に思ったのだろうが、変なわけがない。
俺はその美しさに完全に目を奪われていた。
ワンピースはノースリーブで、スカートは膝くらいの長さだ。白ということで清楚さも増している。
そして、ワンピースの白と髪の黒とのコントラストがとても美しい。
雪村さんは今、美少女というよりかは美女だろう。
「そんなわけない。すごく似合ってるよ」
だが、心の中で思っていることを言うのは恥ずかしすぎたので、結局さっき言わなかった言葉を使っていた。
まぁ、これが安全だろうし、思いを込めて言えばきっと相手に伝わるだろう。
「そ、そう?ありがとう」
「うん。いつもより大人な感じがしていいと思うよ」
「っ~~~」
雪村さんは顔を赤くして照れ臭そうにしていた。そんな姿を見て俺も、何言っちゃってるんだよ、と自分の言ったことを思い出して恥ずかしくなってくる。
だけど、これで見納めかもしれないので、もうちょっと見てたいという思いもある。
そんな事を思っていたせいか、俺は雪村さんの姿を無意識に見つめていた。
「も、もう一着あるからそっちも着るね」
そんな俺の視線に気づいたのか、雪村さんは素早く試着室の中に消えていった。
はぁ……もう少し見たかなぁ……
そんなことを思っていると、また衣擦れの音がし出した。そして俺がまたそわそわし出したころで、試着室の扉が開いた。
今度は水色のワンピースだ。
「こっちの色はどうかな?」
「…………」
「え、えっと……」
俺はまた目を奪われ、言葉が出なかった。
だって、こっちもこっちで威力が高い。
このワンピースは袖は肘くらいまであるが、スカートは膝よりも上のやつだ。
水色の方は美少女さがさらに増しており、めちゃくちゃ可愛かった。
「可愛いい」
「っ~~~」
「あっ……」
衝撃的な光景が二回も続き、頭の中で考えてたことが口から出てしまったようだ。
そのせいで雪村さんは顔が真っ赤だ。たぶん、俺も同じだろう。
うわぁ~~~。やっちまったぁ~~~。
「き、着替えるね」
雪村さんは俺の返事を待たずに、さっきよりも素早く試着室の中に消えていった。
なんだかんだでもう少し見たかったという思いはある。自分に嘘はつけない。
数分後、中から出てきた時にはいつもの雪村さんに戻っていた。
さっきのやりとりは忘れようという雰囲気が雪村さんから漂ってきたので、俺もそうしようと思う。
でも、さっきの姿までは忘れないぞ。絶対に。
「それで、どっちか買うの?」
「いや、買わないよ」
「そうなの?」
「見てみたかっただけだからね」
「そっか……」
てっきりどっちか買うと思ってたんけどなぁ……
あれで見納めらしい。かなり残念だ。
いつかどちらかのワンピースを着た雪村さんを見れますように。神様頼むよ。本当に。
そして、雪村さんが二つのワンピースを戻した後に俺たちは店を出た。
「次は、雨宮君の番だね」
「あっ……」
「どうしたの?」
なんだかんだ楽しかったので俺は全然考えてなかった。
やばいぞ。言い出しっぺの俺が行きたいところはありませんとかはなしだろう。
考えろ……考えろ……考えろ…………あっ!
一つ思いついたが、そこがデートにふさわしくないところなのは一瞬でわかった。ここまで来る時に自分で否定した場所だしな。
でも、あせりすぎてデート向けのところなんて全く思いつかない。
もういい。ここに行こう。拒否られたらまたその時に考えよう。はぁ……ここに行ったらなんか、ますますデートっぽくなくなってきたな。これじゃただの買い物だろう。まぁ、慣れないことやってるんだし仕方ないか。
そう結論付けて俺は自分の行きたい場所を言うことにした。
「……どこでもいい?」
「全然いいよ」
「……じゃあ、あそこ行きたいんだけど……」
「どこ?」
「……ゲームショップ」
「いいよ」
雪村さんから許可も出たので、俺たちはゲームショップに行くことになった。
そう、目的地のショッピングモールだ。
「着いたね」
「うん」
ここまで来るのに、いろいろあったせいか体感的には家を出てすぐについた感じだ。
着いちまったなぁ……デートプランとか何にも考えついてないから不安でしかないぞ。
だからといって、このまま帰るというのはおかしすぎるので、とりあえず中に入ることにした。
このショッピングモールは、一階にはファミレスやファストフード、居酒屋などの飲食系の店と、食品や日用品を売っているコーナーがある。二階には服や靴などのファッション系の店と、様々なスポーツ用品店がある。三階には電化製品やゲーム、おもちゃ、本などの売り場やゲームセンターがある。四階には映画館があり、日本で上映している全ての映画を見ることが出来る。
俺達がいるのは一階だ。夕食を食べるには早すぎるし、ここにいても意味は無いだろう。
だけど、問題はどこに行くかなんだよなぁ……まぁ、雪村さんに聞けば何とかなるかな?俺じゃ全然思いつかないし。
「雪村さん、その……行きたい所はある?」
「えっと……」
雪村さんの反応は微妙だった。
この反応はどういったものだろうか。遠慮してるのか?それとも、本当に行きたいところがなのか?
全然、雪村さんの考えていることがわからない。まぁ、初めてあった日にいきなりデートしているわけで、お互いのことなんて名前とクラスくらいしか知らないから仕方ないんだけど。
でも、このままじゃ何も始まらないよなぁ……このまま時間が過ぎていくのはもったいない気がするし……何かいい案はないか……
「……それじゃあさ、お互いの行きたい場所を交互に行くってのはどうかな?」
たまたま思いついたが、結構いい案だと自分では思っている。
これなら、俺が無理やりリードして失敗することもないし、お互いに行きたいところに行けるし、一石二鳥だろう。もはや、デートとは言えないかもしれないけどね。
「うん。いいと思うよ」
よかったぁ。まぁ、俺がちゃんとしてればこんなことにはならなかったんだろうが、仕方ないよね。
「なら決まり。まずは雪村さんからどうぞ」
俺は最初の選択権を雪村さんに押し付け……譲ることにした。
「私から!?」
「うん。レディーファーストってことで」
「もう!」
なんか、雪村さんの見たことのない反応も見れたしラッキーだったな。でもようやく始まるな。
こうして俺たちのデートが始まった。
最初は雪村さんの番だ。
雪村さんは「服が見たい」ということなので、俺たちは服関係を売っている二階に向かうことにした。行ってみたかった店があるらしく、近くの案内板でその店を探してからそこに向かう。 
その店に着いた時、俺は別世界にいるように感じた。俺がいつも使う店なんかと全然違う。外装を見ただけでとてもおしゃれな店なのがわかる。
こんな店に俺が来ることになろうとは……それも女子と一緒に……
少したじろいだが、雪村さんが入っていくので俺も後をついて行った。
この店が見えた時は、おしゃれな店だなくらいにしか思っていなかったが、中に入いると女性用の衣服しかなかった。つまり、ここは女性服専門店なのだろう。
まじかよ……こんなところに来るとは思ってもいなかったぞ。
そして、ここにいるのは女だけで、男はいない。たぶん、カップルとかならありえるのだろうが、ぱっと見た感じではいなかった。今この空間に男は俺だけで、後は女だ。
俺の場違い感が否めなく、かなり気まづい。あちこちから見られているようにも感じる。
周りにどんな風に見られてるんだ?姉弟かな?それとも……カップル?
うぅぅ……なんか変に緊張してきた。
「そういえば、何を見たいの?」
気がつけば、雪村さんに話しかけてた。
仕方ないね、何かしないとこの雰囲気に押しつぶされそうだったんだ。
「えっとね……ワンピースでも見てみたいなぁって思って」
「なるほど」
「私、着たことなかったから。それで一回どんなものなのか見てみたいなぁってね」
「そうなんだ」
「うん」
緊張しているせいか、まともな返事はできなかった。
それ以降は黙って雪村さんの後をついていくと、すぐに目的のものが売っている所に着いた。そこではマネキンがワンピースを美しく着こなしている。
ワンピースの色は黒や白、水色などがあり、雪村さんは「こんなのがあるんだ」とか「どれがいいかな」と悩んでいた。
へぇ~、本当に着たことなかったんだ。女子っていろんな服を無駄に持っているイメージがあったから意外な感じだな。
そんなことを思っていると、雪村さんは二着の水色と白のワンピースを手に取って俺に見せてきた。
「ねえねえ、雨宮君はどっちがいいと思う?」
「えっと……」
俺は「どっちも似合うと思うよ」と言おうとして思いとどまる。
確かに雪村さんならどっちも似合うだろう。もともとの素材が最高品質だし。でも、ありきたりすぎてそんなんじゃだめだという思いが俺の中に生まれてくる。自分のボキャブラリーのなさが憎らしい。
せめて着てくれれば、他にいい言葉も思いつくかもしれないけども……でも、そんなこと頼めるわけもないし……
「……」
「……やっぱり見ただけじゃわかんないよね」
「……えっ?」
「えっと、ここ試着できるみたいだから、試着してみるね。その後に感想聞かせて」
「あっ、ああ、わかった……」
雪村さんは少し恥ずかしそうにしていたが行動は早く、今はもう試着室の中だ。
いきなりで驚いたが、確かに着てるとこを見ればまともな感想も浮かぶだろとは思っていた。でも、まさか本当にそうなるとは思っていなかったので、生返事になってしまった。
それよりもだ。今、俺の目の前の試着室では同級生の女子が着替えている。
はっきり言って落ち着かない。いろいろ気になってしまい、衣擦れの音がすると同時に心臓の鼓動も早くなる。
なんか恥ずかしくなってきたぁ……早く出てこないかなぁ……
人生で初の経験にそわそわしてきたところで、目の前の試着室の扉が開いた。
そして、雪村さんが白のワンピースを着て出てきた。
「ど、どうかな?」
「…………」
「……やっぱり変?」
俺の無言に雪村さんは不安に思ったのだろうが、変なわけがない。
俺はその美しさに完全に目を奪われていた。
ワンピースはノースリーブで、スカートは膝くらいの長さだ。白ということで清楚さも増している。
そして、ワンピースの白と髪の黒とのコントラストがとても美しい。
雪村さんは今、美少女というよりかは美女だろう。
「そんなわけない。すごく似合ってるよ」
だが、心の中で思っていることを言うのは恥ずかしすぎたので、結局さっき言わなかった言葉を使っていた。
まぁ、これが安全だろうし、思いを込めて言えばきっと相手に伝わるだろう。
「そ、そう?ありがとう」
「うん。いつもより大人な感じがしていいと思うよ」
「っ~~~」
雪村さんは顔を赤くして照れ臭そうにしていた。そんな姿を見て俺も、何言っちゃってるんだよ、と自分の言ったことを思い出して恥ずかしくなってくる。
だけど、これで見納めかもしれないので、もうちょっと見てたいという思いもある。
そんな事を思っていたせいか、俺は雪村さんの姿を無意識に見つめていた。
「も、もう一着あるからそっちも着るね」
そんな俺の視線に気づいたのか、雪村さんは素早く試着室の中に消えていった。
はぁ……もう少し見たかなぁ……
そんなことを思っていると、また衣擦れの音がし出した。そして俺がまたそわそわし出したころで、試着室の扉が開いた。
今度は水色のワンピースだ。
「こっちの色はどうかな?」
「…………」
「え、えっと……」
俺はまた目を奪われ、言葉が出なかった。
だって、こっちもこっちで威力が高い。
このワンピースは袖は肘くらいまであるが、スカートは膝よりも上のやつだ。
水色の方は美少女さがさらに増しており、めちゃくちゃ可愛かった。
「可愛いい」
「っ~~~」
「あっ……」
衝撃的な光景が二回も続き、頭の中で考えてたことが口から出てしまったようだ。
そのせいで雪村さんは顔が真っ赤だ。たぶん、俺も同じだろう。
うわぁ~~~。やっちまったぁ~~~。
「き、着替えるね」
雪村さんは俺の返事を待たずに、さっきよりも素早く試着室の中に消えていった。
なんだかんだでもう少し見たかったという思いはある。自分に嘘はつけない。
数分後、中から出てきた時にはいつもの雪村さんに戻っていた。
さっきのやりとりは忘れようという雰囲気が雪村さんから漂ってきたので、俺もそうしようと思う。
でも、さっきの姿までは忘れないぞ。絶対に。
「それで、どっちか買うの?」
「いや、買わないよ」
「そうなの?」
「見てみたかっただけだからね」
「そっか……」
てっきりどっちか買うと思ってたんけどなぁ……
あれで見納めらしい。かなり残念だ。
いつかどちらかのワンピースを着た雪村さんを見れますように。神様頼むよ。本当に。
そして、雪村さんが二つのワンピースを戻した後に俺たちは店を出た。
「次は、雨宮君の番だね」
「あっ……」
「どうしたの?」
なんだかんだ楽しかったので俺は全然考えてなかった。
やばいぞ。言い出しっぺの俺が行きたいところはありませんとかはなしだろう。
考えろ……考えろ……考えろ…………あっ!
一つ思いついたが、そこがデートにふさわしくないところなのは一瞬でわかった。ここまで来る時に自分で否定した場所だしな。
でも、あせりすぎてデート向けのところなんて全く思いつかない。
もういい。ここに行こう。拒否られたらまたその時に考えよう。はぁ……ここに行ったらなんか、ますますデートっぽくなくなってきたな。これじゃただの買い物だろう。まぁ、慣れないことやってるんだし仕方ないか。
そう結論付けて俺は自分の行きたい場所を言うことにした。
「……どこでもいい?」
「全然いいよ」
「……じゃあ、あそこ行きたいんだけど……」
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