ようこそ!生徒会室から異世界部へ!

時塚オイモ

第9話 ようこそ!白い剣と幼女ちゃん!

「優君は、異世界に来たことがあるのー?」


希は目を輝かせながら近寄って来て質問してきた。


「いや、無い……けど………?」


「嘘にゃ!じゃあ、どうしてリィン達が知らない場所を優が知ってるにゃ!こんな森、見たことが無いにゃよ!」


凛も興味津々な顔で近づいてきた。


「そんな事言われても、夢で見た景色を思い出しながらドアを開けただけなんだけど……」


「夢…………ですか?」


皆は不思議そうな顔をしているので、僕は今日見た夢の事を話した。この森の事、そして白い剣の事も。


「なるほど。では優さんは、夢で見た景色を思い浮かべながら門を開けたら、私達でさえ知らないこの場所に移動出来た……という訳ですね。」


何か気になるのか、エル先輩は急に難しい顔をして考え始めた。すると、希と凛が興味津々な顔で右手を挙げて質問してきた。


「はーい!優君!その白くて綺麗な剣が見たいなー!」


「そうにゃ!優!私達もそこに案内するにゃ!」


2人はまるで、修学旅行の前日にワクワクして眠れない小学生のような目をして僕を見てくる。2人の目はとても、キラキラしてて楽しそうだ。断れそうにも無いので、僕は溜め息を吐き諦めて、白い剣の場所に向かって歩き出す。すると、エル先輩は歩きながら何かブツブツと小声で喋り出した。


「しかし何故、優さんが私にも知らないこの場所を知っていたのでしょう。それに、知らない声に白い剣……もしかして、優さんは………」


エル先輩は僕をジーーーと見つめている。あれー?僕何かしましたっけ?凄い見られてるんですけどー?視線を凄い感じるんですけどー?


気不味いまま、夢で見た道を思い出しながら数分歩いていると、ようやく夢で見た遺跡に辿り着いた。


「ここが優君が言ってた遺跡かー!」


「なるほどにゃ!遺跡というか、溜まり場みたいな所だにゃ!」


希と凛は、楽しそうに遺跡の周りを見渡す。すると、エル先輩はしゃがみ込み遺跡に手を触れる。そして、何か分かったらしく語り出す。


「なるほど。きっと此処は、何かの儀式に使われたのでしょう。微かですが、遺跡から魔力を感じます。」


3人は楽しそうな顔で遺跡の周りに何かないか、探しながら歩き回っている。僕は、その姿を見ながら微笑んでいると、急に声が聞こえた。


「………こっち。」


「えっ!?」


僕は動揺する。この声は、僕が夢の中で聞いた声と全く同じ声だったからだ。すると、何故か僕は声のする方に行かなきゃいけない気がして、声のする方に走り出す。


「………こっち。」


「待って!君は誰!」


「………こっち。」


声のする方へ走った。綺麗な河原の橋を渡り、綺麗な花畑を通る。不思議な事に自然に体が動く。まるで、声のする方向が分かっているみたいに。そして………


「………もうすぐ。」


その声を聞いた時、僕は立ち止まった。何故なら目の前には、樹木がトンネルような形になっていて奥が真っ暗だけど見覚えがあった。そうだ。僕は一度、此処へ来たことがある。『夢の中』で。僕は辺りを見ながら樹木トンネルの中に入っていく。中は真っ暗で何も見えない。だけど、不安という気持ちは一切無かった。暫く歩いていると、ついに奥から光が見え始めた。そして、僕はようやく樹木トンネルから出た。すると…………


自然が作り出す綺麗で眩しい日差し、まるで異世界にでも来たかのような美しく静かな森………いや、此処は異世界だった。そして、目の前には大きな石が置かれていた。僕は大きな石を見上げると、その石の上には………白く綺麗で美しい剣が刺さってあった。


「あの剣は…………」


僕は、その白い剣に惹かれるように大きな石を登り始めた。そして登りきった時、目の前には白い剣があった。間近で見ると、更に綺麗で美しく見える。でも何故だろうか……夢の中で見たとはいえ、現実では見た事も無いし、触った事も無い。それなのに、初めて見た気がしない。


そんな不思議な事を考えていると、また白い剣から声が聞こえた。


「…………待っていた。」


その言葉を聞いた瞬間、僕は何の躊躇もなく目の前にある白い剣の柄を両手で掴んでそのまま…………引き抜いてしまった。


「あ……………」


引き抜いた時、白い剣が急に光り出す。あまりの眩しさに目を瞑り両腕で目を隠す。段々、光が弱くなっていくので目を開けると光から人影が見えた。


「・・・・・・・・・」


僕は唯、呆然と立ち尽くしていた。それもそうだ。目の前にはさっきまであった白い剣の姿は無く、その代わり綺麗な白髪ツインテールの髪型に赤い瞳、140cmくらいのロリ体型に貧乳で清楚な美少女が…………裸で立っていたのだから。

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