ようこそ!生徒会室から異世界部へ!

時塚オイモ

プロローグ

拝啓 お父さん、お母さん。お元気ですか?春麗らかな季節となり、今年高校生となった僕は今、漫画や小説でしか見た事のない2人もきっと一度は耳にした事があると思う。見ただけで背筋を凍らせる迫力。狙った獲物は逃がさない鋭い目。その口は真っ赤な灼熱の炎を吐き地獄を見せる。そして、赤く硬い鱗は空の強者を示す。そう。僕は今・・・・・・『ドラゴン』と戦っています。


「エル先輩!危ない!」


「うふふふ。大丈夫ですよ。いらっしゃいドラゴンさん。」


ドラゴンがエル先輩の方を向いた時、エル先輩は技を出す。


「『エターナル・フローゼ』」


そう言って、天使の輪っかのような物を出しドラゴンを縛って動きを止めた。僕はやったと思いエル先輩の方を向くと


「え!?羽?輪っか?エル先輩、その姿は……?」


「あらあら、うふふふ。隠していたつもりは無かったのですけどね。それと、私の本当の名前は『ウリエル=チェシル』天使族ですのよ。」


・・・・・・僕は只、呆然と立ち尽くしていたら、ドラゴンが僕に向かって炎、ブレスを吐く。


「うわぁぁぁ!?」


僕は死んだのかと思った時


「何をボーッとしてるにゃ!」


そう言って、1人の狼の耳と猫の尻尾がある女の子が、ドラゴンの目に波動のような球を投げてブレスがギリギリに僕の真横に外れた。


「って、凛!?何だよその格好は!」


「これがノーマルな格好にゃ!それと本当の名前は『リィン=フォルート』戦闘種族最強のウルフ族にゃ!」


凛は僕を見て両手を腰に置いてドヤ顔をする。


「いや、『にゃ』って言ってるしどう見ても狼には見えにゃ……」


「何か言ったかにゃ?」


僕は正直な感想を言おうとした時、凛が怖い顔でニコッとして僕を睨む。凄い殺気を感じる。


目が笑ってませんよ……凛さん。


僕は顔を横に向けて目が合わないようにする。そうしてたら、またドラゴンが動き出した。


「またかよ!」


「あらあら。元気なドラゴンさんですわね。」


エル先輩は何時もの笑顔で呑気にドラゴンを見ているので僕はエル先輩にツッコむ。


「エル先輩!?そんな呑気な事を!」


「うにゃあ!本当に面倒臭いドラゴンにゃ!」


そう言って凛も呆れた顔でドラゴンを見ていたので今度は凛にもツッコんだ。


「何で凛も冷静に居られるんだ!」


「大丈夫ですわ。」


「そうにゃ!大丈夫にゃ!」


2人は冷静に笑顔で大丈夫と言う。それよりも、1つ気になった事があった。2人以外にもう1人、この世界に来ている筈なのだが姿が見えない。それも含めて2人に聞いた。


「何が大丈夫なんだよ!てか、あの子はどうしたの!」


『だって…………』


2人が続きを喋ろうとした時、ドラゴンがもう目の前まで近づいていた。僕は本当にもう駄目だ!と思い死を覚悟した時、空から何かが落ちてくる。


「何だ!?飛行機?鳥?いや、あれは………!?」


「おーーまーーたーーせーーーー!!」


そう言いながら、女の子が上から飛んで……いや、落ちてきてドラゴンの右腕を斬った。……ん?斬っただとー!?


「ふー。大丈夫だった?優君!」


「って、希!?何で、そんな格好を……てか、どうやってドラゴンの右腕を?」


「話は後!後!それじゃあみんなー!行っくよー!」


何故、この様な状況に陥っているのか…………それは、4時間前に遡る。

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