死に溢れるこの世界で
第十五話 衝突
「聞こえてるだろ?」
水色の濁った肌色をした男が問いかける。
―一体誰なんだ!あれは...
「おい、お前に話しかけてるんだ俺は。」
男が近寄ってきた。
男の眼は鮫のようで向ける視線はとがった針のようにいたく感じた。
「あ、ああ...」
「答えろ」
ところどころ血が付いていた。
「い、いるさ!お、俺には彼女がいる...親友もいる!...い、いた....もう、死んだけど...」
「そうか、それはすまない。俺がこの爆発の犯人だ。」
そう言って男はヒロトに向かって土下座した。
「なん....だと...?」
ヒロトは目と耳を疑った。いきなり犯人と自白し、土下座をしたからだ。
「俺が、お前の大切な人を殺してしまった。彼女さんは無事か?」
ヒロトはその光景にただただ、呆然とするばかりだったなぜが怒る気も湧かなかった。
「たくさんの人が亡くなってるんだぞ...俺だけに謝るのはどうかと思うんだが....」
「知っている!!俺のこの爆発の目的は...クックック....ハッハッハ!!絶望を味わさすためだ!お前ら人間がいかに愚かなのか、分からせるためだ!!」
「この...野郎....!!!!」
ヒロトは無意識に男の胸倉を掴みにかかった――が、男は華麗によけた。
「掴むところもなかろう」
男はそういうと立ち上がった。
「くそ野郎がぁああ!!!!」
ヒロトは男に渾身の一発をお見舞いした。―が、痛くなったのは自分の手だった。
「こんなの効かねえんだよ」
男はヒロトの腕を払いのけた。
「くそっ....」
ヒロトは血が出る自分の拳を見て呟いた。
「俺は今、お前を殺さない。戦いもしない。お前はまだまだ弱すぎる。強くなってからだ。そして俺の名前を覚えとけ。俺の名前は――ザーク――だ。」
「血飲み...か....」
ヒロトはザークに向けられた視線に身を竦めた。
「じゃあな。」
ザークは瓦礫を踏みつけながら去っていた。
「くっそぉおおお!!!!!」
ヒロトは思いっきり地面を殴った。そんなことして大和が、彼女が、みんなが帰ってくるわけではないのを分かっていたがこうしないと気が治まらなかった。
「ヒロト....たすけ...ろ...」
石原が残る力で言った。
「今行く...!」
ヒロトは石原の上の瓦礫をどかそうとする。しかしびくとも動かない。
「くそっ...ダメか...あの、黒..おと..こ...」
石原はそう言ってうつ伏せた。
「...っ!!やっぱり俺は....」
「諦めるな!!まだ、助け...れる...だろ..!!」
黒男が石原の瓦礫をどかして言った。
「うん!!!」
そこに救急隊の増援がきた。
ー数日後ー
石原と沖田は退院後怒られた。学校爆発銃乱射事件への調査は鐘内が担当することになった。
「しっかし、何か妙だな。佐々木邸事件が簡単に進みすぎてるんだよな・・・」
石原はタバコを吸いながらつぶやいた。
「石原警部、やっぱり佐々木邸事件おかしいですよ。なんで宮元が疑われたんでしょうか。そして犯人の目的はなんだったんでしょうか...今は亡くなってますし聞けませんが...」
沖田がきて言った。
「んなもん、俺に聞かれても知らねえよ」
「す、すみません!」
* * * * * *
ヒロトは入院していた。
「どう?調子?」
幸い彼女は救助されていた。どんな言葉でもかけられるだけ幸せを感じる。
「うん、梨香こそどうなの?」
梨香とは彼女の名前だ。
「私は大丈夫。軽傷だったからね」
「あの状況で軽傷って奇跡だな。すごいよ梨香は。強運の持ち主だね!!」
「お取り込み中申し訳ないが、あとどれくらい入院するのだ?」
黒男が来た。
「なんだよ、急に。俺は今彼女との時間を大切にしていたのに。」
「それはすまない。しかしそう簡単に見捨てれる問題でもないんだよ」
「なんだ?早く言ってくれ」
彼女は怪訝そうな顔をしている。
「任務だ。お前に改造を施したのもそれが目的だからな。今回の任務は・・・」
「待て待て待て!!勝手に任務を受けることになってるのか?俺は許可してないのに勝手に改造して事件に巻き込むのか?おかしくないか!!」
無意識に大声を上げていた。彼女に宥められ落ち着く。
「病院で話す話ではなかったな。血飲みの件だ。」
「血飲みって.......指名手配犯のこと? ヒロト、それとかかわってるの!?」
梨香が聞く
「いや少しばかり複雑なんだ。」
「お前に会いたがってるそうだ」
水色の濁った肌色をした男が問いかける。
―一体誰なんだ!あれは...
「おい、お前に話しかけてるんだ俺は。」
男が近寄ってきた。
男の眼は鮫のようで向ける視線はとがった針のようにいたく感じた。
「あ、ああ...」
「答えろ」
ところどころ血が付いていた。
「い、いるさ!お、俺には彼女がいる...親友もいる!...い、いた....もう、死んだけど...」
「そうか、それはすまない。俺がこの爆発の犯人だ。」
そう言って男はヒロトに向かって土下座した。
「なん....だと...?」
ヒロトは目と耳を疑った。いきなり犯人と自白し、土下座をしたからだ。
「俺が、お前の大切な人を殺してしまった。彼女さんは無事か?」
ヒロトはその光景にただただ、呆然とするばかりだったなぜが怒る気も湧かなかった。
「たくさんの人が亡くなってるんだぞ...俺だけに謝るのはどうかと思うんだが....」
「知っている!!俺のこの爆発の目的は...クックック....ハッハッハ!!絶望を味わさすためだ!お前ら人間がいかに愚かなのか、分からせるためだ!!」
「この...野郎....!!!!」
ヒロトは無意識に男の胸倉を掴みにかかった――が、男は華麗によけた。
「掴むところもなかろう」
男はそういうと立ち上がった。
「くそ野郎がぁああ!!!!」
ヒロトは男に渾身の一発をお見舞いした。―が、痛くなったのは自分の手だった。
「こんなの効かねえんだよ」
男はヒロトの腕を払いのけた。
「くそっ....」
ヒロトは血が出る自分の拳を見て呟いた。
「俺は今、お前を殺さない。戦いもしない。お前はまだまだ弱すぎる。強くなってからだ。そして俺の名前を覚えとけ。俺の名前は――ザーク――だ。」
「血飲み...か....」
ヒロトはザークに向けられた視線に身を竦めた。
「じゃあな。」
ザークは瓦礫を踏みつけながら去っていた。
「くっそぉおおお!!!!!」
ヒロトは思いっきり地面を殴った。そんなことして大和が、彼女が、みんなが帰ってくるわけではないのを分かっていたがこうしないと気が治まらなかった。
「ヒロト....たすけ...ろ...」
石原が残る力で言った。
「今行く...!」
ヒロトは石原の上の瓦礫をどかそうとする。しかしびくとも動かない。
「くそっ...ダメか...あの、黒..おと..こ...」
石原はそう言ってうつ伏せた。
「...っ!!やっぱり俺は....」
「諦めるな!!まだ、助け...れる...だろ..!!」
黒男が石原の瓦礫をどかして言った。
「うん!!!」
そこに救急隊の増援がきた。
ー数日後ー
石原と沖田は退院後怒られた。学校爆発銃乱射事件への調査は鐘内が担当することになった。
「しっかし、何か妙だな。佐々木邸事件が簡単に進みすぎてるんだよな・・・」
石原はタバコを吸いながらつぶやいた。
「石原警部、やっぱり佐々木邸事件おかしいですよ。なんで宮元が疑われたんでしょうか。そして犯人の目的はなんだったんでしょうか...今は亡くなってますし聞けませんが...」
沖田がきて言った。
「んなもん、俺に聞かれても知らねえよ」
「す、すみません!」
* * * * * *
ヒロトは入院していた。
「どう?調子?」
幸い彼女は救助されていた。どんな言葉でもかけられるだけ幸せを感じる。
「うん、梨香こそどうなの?」
梨香とは彼女の名前だ。
「私は大丈夫。軽傷だったからね」
「あの状況で軽傷って奇跡だな。すごいよ梨香は。強運の持ち主だね!!」
「お取り込み中申し訳ないが、あとどれくらい入院するのだ?」
黒男が来た。
「なんだよ、急に。俺は今彼女との時間を大切にしていたのに。」
「それはすまない。しかしそう簡単に見捨てれる問題でもないんだよ」
「なんだ?早く言ってくれ」
彼女は怪訝そうな顔をしている。
「任務だ。お前に改造を施したのもそれが目的だからな。今回の任務は・・・」
「待て待て待て!!勝手に任務を受けることになってるのか?俺は許可してないのに勝手に改造して事件に巻き込むのか?おかしくないか!!」
無意識に大声を上げていた。彼女に宥められ落ち着く。
「病院で話す話ではなかったな。血飲みの件だ。」
「血飲みって.......指名手配犯のこと? ヒロト、それとかかわってるの!?」
梨香が聞く
「いや少しばかり複雑なんだ。」
「お前に会いたがってるそうだ」
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