アニオタ(仮)の恋愛奮闘記

富士ニウム

プロローグ

初めまして!初めての投稿で色々と拙い点はありますが、どうか温かい目で楽しんでもらえれば幸いです!


    俺の名前は北村雄大。
    今年の4月から高校二年生の17歳だ。

    突然だけど、俺はモテる。それはもうものすんごく。

    小学生の頃はどこに行ってもまぁよく周りに女子がいるな、程度だったんだがそんな平和な日々がいきなり崩れたのが中学に上がってからだった。

    俺が中学生の頃、学年を問わず学校中の女子の3分の1には告白されたことがあるという、誰もが耳を疑うような出来事が、しかし覆ることのない絶対不変の事実として横たわっている。

    今の身長は175センチ。細身で脚は長く成績優秀眉目秀麗品行方正と、まるで絵に描いたような綺麗な三拍子を携えて生活している。

    三拍子のうちの二拍子は、父と母から受け継いだ遺伝子が大いに関わっている。もう一拍子は自分の努力から成っているが、前者は10割両親のおかげだと断言できる。

    普通なら誰もが羨むであろうこの完璧っぷりを僕は日々を過ごしている中で、そして年を追うごとに辟易とした気持ちになるようになった。

    何故そう思うのか、不思議に感じる人も多いだろう。しかし一度冷静になって考えて見て欲しい。

    だってどう考えたってモテすぎだろ!なんだよ学校中の女子の3分の1に告られたって!?自分でも信じられんわ!

    中学の全校生徒の女子の人数は210人、そのうちの70人から告白されているんだぞ!?単純計算で1年間のうちの5.2日に1回は誰かしらから告白を受けたことになるんだぞ!それが3年間続いた!1週間に一度誰かに告白される日々が3年間も!

    告白って滅多にされることのないとても珍しいものだから価値があるんじゃないのか!?告白をされたことがないことがないからハッキリとはわからないけれども…。

    だれがそんな状況で告白されたことを喜ぶ奴がいるか!!しかも俺の知名度は学校中で知る人はいないと言われていて、俺に告白した経験があることが一種のステータスみたいに扱われてた時だってあった。

    ふぅ〜〜っと、いかんいかん。ちょっと熱くなりすぎた。

    そんなわけで話を戻すと、俺は親から受け継いだこの容姿と運動神経が抜群なことにあまりいい感情を抱いていなかった。

    理由は先に述べたように俺がモテすぎたためだ。俺への告白ラッシュは高校に入ってからも中学の頃ほどではなかったが最低でも月に一度は告白を受けていた。


    少しここで俺の夢を聞いて欲しい。

    それは、俺は恋がしたい。という夢だ。

    理由は、ドラマや映画などのような綺麗な恋をしてみたいと思ったからだ。なぜなら、俺は今まで一度も誰かを好きになったことがないから。

    お前はあれほどモテるのに何を言っているんだと思う気持ちは理解している。しかし、告白されることが日常とかした学生生活で恋愛感情を持てと言われる事のどれほど酷なことか。俺以外にはわかるまい。

    高校生活も残り二年。夢は夢のまま、叶うことなく卒業を迎えるのかと、半ば達観していたある日、朗報が舞い込んだ。

    なんと父親の仕事の都合上、新天地に引っ越すことにったらしい。

    俺はその話を聞いて飛び上がって喜んだ。喜びすぎて咽び泣くほどに。そんな俺の奇怪な様子を母と妹はまるで真夜中に時間違いに鳴く鶏を心底迷惑に思うような、冷え切った目で見ていたのだが。

    俺はチャンスだと思った。今までの人間関係をすべて取り払って新しい人間関係を構築することができる日が来るなんて。その日、これを機に夢を叶えようと努力することを決意した。

    …しかし、決意したはいいものの、何を努力すればいいのか全くわからなかった。

    夢は恋をすること。しかし、俺は今まで自分の感情が動く前に告白されたことによって誰かに恋心を抱く暇がなかった。

    だからその暇さえ作れれば。そう考えたのだが……。

    どうすればモテないのかがわからない。

    重大な問題だった。

    だってなんもしなくてもモテちゃうんだもん仕方ないじゃん。

    そんな問題を解決したのはニュースを見ていた妹のとある言葉だった。

    「アニオタってきっしょ。2次元嫁って何?たとえイケメンでもそんな事言ってるやつは恋愛対象なんかになるわけないわー」

    こう、言ったのだ。

    それを聞いた瞬間俺は雷に打たれたかのごとき衝動を受けた。そしてこう考えた。



    アニオタになろうと。





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