妹はこの世界でただ一人の味方
嫉妬
「え、えーっと・・・。」
少女は困惑した顔で学たちと石が飛んできた方向を交互に、うろたえるように見ていた。学は石が飛んできた方をすぐに見たが、人混みのせいか人物を特定することは難しかった。
「・・・冗談だよ。本気にするなって。」
「お兄ちゃんの表情少し本気に見えましたけど・・・。」
「気のせいだ。」
結衣が少し怒っていることに気がつき、学は何事もないと言わんばかりに少し焦って少女へと声をかけた。
「歓迎しろとは言わないけど、攻撃を仕掛けてくるあたりどれほど人間が嫌いかよく分かるな・・・。」
学は手に握っていた石を見て呟くように少女へと話しかけた。
「もう少し辛抱してくれると助かるのです。あとちょっとで家に着くので。」
目的地の場所を聞き、学はどんな家かと考えたが、想像できなかった。これが人間の街だったら屋敷などと、当たらないにしろ予想することはできるだろう。
しかしこの種族は縄文時代のような家ばかりで、良くも悪くも想像しにくかった。一般人ならば今もなお並んでいる建物とほとんど大差ないだろう。
しかし族をまとめる者であれば威厳を見せるのが普通だ。それは力でもあり、人との関わり合いだったりもする。しかし他とは違う建物を建てることで威厳を見せつけるという可能性も捨てられないと学は思ったのだった。第一、今並んでいる家は入れてせいぜい4人くらいの大きさだったため、少女が連れて行く家というのは少なくともここにある家以上の大きさだと学は想像はしていた。
「そういえば名前聞いてなかったな。なんて呼べばいいのか分からなくて・・・。」
「あ!まだ名乗ってませんでした!私は獣人族の長の娘でミリーと申します。」
律儀にお辞儀をするミリーから視線をずらさなかった学だったが、後ろから結衣がじーっと見つめ続けていた。学もそろそろ気になり始め、一度ミリーから距離を取り結衣の元へと戻った。
「さっきから見てるけど何かあったのか?」
「・・・お兄ちゃんさ、私のアレ聞いたよね?」
そう言われたものの、学には結衣の言う“アレ”がすぐには思いつかなかった。結衣との記憶を全て覚えているために、一瞬にして情報が引き出せなかったのだろう。学が思い出す前に結衣がそれについて口にした。
「・・・私は学が好きだって告白したよね?」
学の耳元、結衣の吐息がもろにあたる距離でそう囁かれ、ゾクゾクっとした感覚が学の身体中を駆け巡った。
「もちろん・・・。」
今の学はそう切り返すのが限界だった。一気に顔が火照り、体温が上がっていくような感覚に陥った。
「・・・じゃあさ、少しは私の気持ちも考えてよ。し、嫉妬・・・しちゃうから・・・。」
途中で結衣も恥ずかしくなったのか、段々と小声になっていき、しまいにはボソボソと呟いているのが聞こえるくらいにまで小さくなってしまった。
「いや・・・でもあんな小さい子だぞ?」
学は変な誤解をされているんじゃないかと心配し、ミリーを指差しながら言った。ミリーには2人の会話が聞こえておらず、小さく首を傾げて2人を見ていた。
「学は・・・カッコいいから・・・小さい子でも油断はできない。」
カッコいいから、という部分は声が小さくなってしまったが、油断はできないと言うところはミリーを警戒しているような目つきになっていた。
「・・・大丈夫だって。俺はあんな子供に好かれはしないさ。」
学はまたもや結衣の告白の返事はせずに、結衣の手を取り恋人繋ぎのように手を絡めた。
「あ・・・え、と・・・。」
困惑している結衣だったが、学は前を向いてすでに歩き始めていた。結衣もそれにつられて歩き出した。
こんなに恥ずかしいのって私だけなのかな・・・?
そう思いながら結衣は前を見ている学の方へ視線を向けた。一見いつも通りの表情の学だが、その耳たぶは真っ赤に染まっていた。
「ふふ・・・。」
「どうしたんだよ。」
少しふてくされた学は結衣の方へ顔を向けた。結衣は小さく笑いながら、小悪魔のような喋り方で
「ちょーっとくらいは意識し始めてくれたんだって嬉しくって。ね?お兄ちゃん?」
先ほどまで学と名前で呼ばれていたのに対し、今は「お兄ちゃん」とわざと強調された喋り方になり、学はつくづくこの場から逃げ出したいと思うばかりだった。
------------------------------
以下作者のコメント
ちゃんと約束は守りましたよ!2日後(あと10分くらいで3日後ですが)には投稿するって言ったじゃないですか!
・・・すいません。調子こきました。
最近マフィア○ティってゲームにハマってるんですよねー。組織に入れるんですけど、その組織の人がみんないい人で楽しくゲームができるんですよ。
皆さんも是非やって見てはいかがでしょう?
あ、それとTwitterやってる人は知ってるかもしれませんが、ラインでノベルバ作者専用グループってやつを作っています!今メンバーは15人で、多分これからもっと増えると思います。
異世界転移は分解で作成チートって作品を書いているテトさんもいれば、美浜さん、海美さんもいます。もし希望者がいれば「海美蒼衣」「相原兵士」これをTwitterで調べて貰えばでてくると思うのでDMを送ってください。
以上です!
しーゆーあげいん!
少女は困惑した顔で学たちと石が飛んできた方向を交互に、うろたえるように見ていた。学は石が飛んできた方をすぐに見たが、人混みのせいか人物を特定することは難しかった。
「・・・冗談だよ。本気にするなって。」
「お兄ちゃんの表情少し本気に見えましたけど・・・。」
「気のせいだ。」
結衣が少し怒っていることに気がつき、学は何事もないと言わんばかりに少し焦って少女へと声をかけた。
「歓迎しろとは言わないけど、攻撃を仕掛けてくるあたりどれほど人間が嫌いかよく分かるな・・・。」
学は手に握っていた石を見て呟くように少女へと話しかけた。
「もう少し辛抱してくれると助かるのです。あとちょっとで家に着くので。」
目的地の場所を聞き、学はどんな家かと考えたが、想像できなかった。これが人間の街だったら屋敷などと、当たらないにしろ予想することはできるだろう。
しかしこの種族は縄文時代のような家ばかりで、良くも悪くも想像しにくかった。一般人ならば今もなお並んでいる建物とほとんど大差ないだろう。
しかし族をまとめる者であれば威厳を見せるのが普通だ。それは力でもあり、人との関わり合いだったりもする。しかし他とは違う建物を建てることで威厳を見せつけるという可能性も捨てられないと学は思ったのだった。第一、今並んでいる家は入れてせいぜい4人くらいの大きさだったため、少女が連れて行く家というのは少なくともここにある家以上の大きさだと学は想像はしていた。
「そういえば名前聞いてなかったな。なんて呼べばいいのか分からなくて・・・。」
「あ!まだ名乗ってませんでした!私は獣人族の長の娘でミリーと申します。」
律儀にお辞儀をするミリーから視線をずらさなかった学だったが、後ろから結衣がじーっと見つめ続けていた。学もそろそろ気になり始め、一度ミリーから距離を取り結衣の元へと戻った。
「さっきから見てるけど何かあったのか?」
「・・・お兄ちゃんさ、私のアレ聞いたよね?」
そう言われたものの、学には結衣の言う“アレ”がすぐには思いつかなかった。結衣との記憶を全て覚えているために、一瞬にして情報が引き出せなかったのだろう。学が思い出す前に結衣がそれについて口にした。
「・・・私は学が好きだって告白したよね?」
学の耳元、結衣の吐息がもろにあたる距離でそう囁かれ、ゾクゾクっとした感覚が学の身体中を駆け巡った。
「もちろん・・・。」
今の学はそう切り返すのが限界だった。一気に顔が火照り、体温が上がっていくような感覚に陥った。
「・・・じゃあさ、少しは私の気持ちも考えてよ。し、嫉妬・・・しちゃうから・・・。」
途中で結衣も恥ずかしくなったのか、段々と小声になっていき、しまいにはボソボソと呟いているのが聞こえるくらいにまで小さくなってしまった。
「いや・・・でもあんな小さい子だぞ?」
学は変な誤解をされているんじゃないかと心配し、ミリーを指差しながら言った。ミリーには2人の会話が聞こえておらず、小さく首を傾げて2人を見ていた。
「学は・・・カッコいいから・・・小さい子でも油断はできない。」
カッコいいから、という部分は声が小さくなってしまったが、油断はできないと言うところはミリーを警戒しているような目つきになっていた。
「・・・大丈夫だって。俺はあんな子供に好かれはしないさ。」
学はまたもや結衣の告白の返事はせずに、結衣の手を取り恋人繋ぎのように手を絡めた。
「あ・・・え、と・・・。」
困惑している結衣だったが、学は前を向いてすでに歩き始めていた。結衣もそれにつられて歩き出した。
こんなに恥ずかしいのって私だけなのかな・・・?
そう思いながら結衣は前を見ている学の方へ視線を向けた。一見いつも通りの表情の学だが、その耳たぶは真っ赤に染まっていた。
「ふふ・・・。」
「どうしたんだよ。」
少しふてくされた学は結衣の方へ顔を向けた。結衣は小さく笑いながら、小悪魔のような喋り方で
「ちょーっとくらいは意識し始めてくれたんだって嬉しくって。ね?お兄ちゃん?」
先ほどまで学と名前で呼ばれていたのに対し、今は「お兄ちゃん」とわざと強調された喋り方になり、学はつくづくこの場から逃げ出したいと思うばかりだった。
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以下作者のコメント
ちゃんと約束は守りましたよ!2日後(あと10分くらいで3日後ですが)には投稿するって言ったじゃないですか!
・・・すいません。調子こきました。
最近マフィア○ティってゲームにハマってるんですよねー。組織に入れるんですけど、その組織の人がみんないい人で楽しくゲームができるんですよ。
皆さんも是非やって見てはいかがでしょう?
あ、それとTwitterやってる人は知ってるかもしれませんが、ラインでノベルバ作者専用グループってやつを作っています!今メンバーは15人で、多分これからもっと増えると思います。
異世界転移は分解で作成チートって作品を書いているテトさんもいれば、美浜さん、海美さんもいます。もし希望者がいれば「海美蒼衣」「相原兵士」これをTwitterで調べて貰えばでてくると思うのでDMを送ってください。
以上です!
しーゆーあげいん!
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コメント
さらだ
作者の妄想の塊です(笑
美浜
結衣がかわいい...