妹はこの世界でただ一人の味方
昔話
二人は森の中を走りながら獣人族の国へと向かっていた。
「お兄ちゃん、そういえばどれくらいの距離なの?一応聞いておきたいんだけど。」
「・・・聞くのか?聞かない方がいいと思うぞ。」
そう言った学の顔はすでに少しやつれていた。まだ走り出して10分ほどで、結衣ですら平然としているためこのやつれは距離を知っているが故のものだと結衣はすぐに気がついた。
「でもやっぱり気になるなぁ・・・。お兄ちゃん、教えて。」
「東京から大阪くらいまで。」
「あっ・・・。」
ちなみに東京から大阪まで約500km。その距離を歩いて移動となると学のようにやつれてしまうのは仕方の無い事かもしれない。
「俺は大丈夫なんだが・・・そうだな・・・一般的な歩行速度は時速4kmだから・・・1日5時間くらい歩く感じでもいいか?」
「あのさお兄ちゃん・・・別に無理して行って欲しいわけじゃないの。お兄ちゃんが苦痛に感じるなら私はしたくない。」
学の少し後ろを歩いていた結衣はそう言ったが、学はそう言った結衣の言葉を聞きながらも歩き続けた。結衣も遅れないよう後を追った。
「結衣、何を思って苦痛だと思ったんだ?」
しばらく黙ってた学は唐突に言った。
「・・・お兄ちゃんが疲れてるように見えたから。」
「ん?別に疲れてはないぞ。」
「え?でもだって・・・。」
流石に500kmは辛いと思ったけど・・・別に苦痛ではないんだよな。それより結衣が無理してる方がダメだな・・・。
「せっかく2人で歩いているんだ。楽しい話をしないか?例えば・・・昔の話とか。」
「そういえば昔結衣がお酒飲んで酔ったことあるんだぞ。」
「えっ!?本当?」
あれから2時間ほど経っているが、うまく話を切り替えたようで2人とも楽しく話をしていた。
「ジュースと間違えたんだろうな。」
「えぇ〜・・・全然覚えてないな・・・。」
「まぁ酔ってたからな。仕方ないな。ほら、これがその時の写真だ。」
あたかも当然のように写真を撮っている学はゆいに写真を見せた。見せられた写真は学の人差し指を口にくわえていて学のシーツにくるまって寝ている結衣の写真だった。
当然結衣は覚えていないので初めて知ったことではあったが、恥ずかしさが結衣を襲った。
「いやぁ・・・あの時の寝言でお兄ちゃんって言ってくれたんだよな〜・・・懐かしい。今では普通に呼んでくれるからな〜。」
結衣は写真を収納にしまった。
「あ、結衣。返してくれないか?それ一枚しかないんだよ。」
「やだ。没収。」
「なっ!それは奇跡の一枚とも言える写真なのに!」
「だめー。恥ずかしいもん・・・。」
「・・・まぁいい。脳内メモリーにはしっかり保存してあるしな。」
「ちょっ!今すぐ消してよ!恥ずかしい!」
そんな話をする。2人はお互いの恥ずかしい話をしながらもその表情は笑顔だった。恥ずかしくても、お互いにとっては最高の思い出なのだ。それがすれ違うことが多くても、喧嘩をしたとしても...2人の考えは変わらないのだった。
話していると目的の20kmをゆうに超えていた。日が沈み、辺りが暗くなっても2人の会話は続いた。
「はい。」
「ん?なんだこれ...って!これは!」
結衣が出した写真は学が寝ている写真だった。別に寝ているだけだったら学もここまで驚きはしなかっただろう。驚いたのは結衣も一緒に写っている事だった。結衣は何に驚いているか分からず、学に聞いた。
「え?何?なんか変だった?」
「結衣が笑いながら写真に俺と写ってることがレアでな・・・驚いた。しかもこれ地球の時だな。可愛い顔してるな。まぁ元々世界一の可愛さだったんだが。」
と、つい本音が出てしまった学はしまったと思いながらチラリと結衣の方を見た。
案の定、結衣は顔が赤くなっていた。
いや・・・まぁ仕方ないな。可愛いのは事実だしな。今の結衣に言っていい事だったかは別として。
「あ、結衣。結構進んだな。今日はここまでにするか。あと・・・468kmだ。明日も頑張ろうな。」
家を出しながら学は結衣にそう言った。
「あ、うん・・・結構歩いたんだね。」
まだ思い出しているのか、反応は意外とそっけないものだった。学は気にする事なく家へと入り、結衣も続いて入っていくのだった。
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以下作者のコメント
前の話の通り、急いで書いた話なのでいつもより400字前後少ないです。ごめんなさい。そして眠いのでお休みなさい。
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「お兄ちゃん、そういえばどれくらいの距離なの?一応聞いておきたいんだけど。」
「・・・聞くのか?聞かない方がいいと思うぞ。」
そう言った学の顔はすでに少しやつれていた。まだ走り出して10分ほどで、結衣ですら平然としているためこのやつれは距離を知っているが故のものだと結衣はすぐに気がついた。
「でもやっぱり気になるなぁ・・・。お兄ちゃん、教えて。」
「東京から大阪くらいまで。」
「あっ・・・。」
ちなみに東京から大阪まで約500km。その距離を歩いて移動となると学のようにやつれてしまうのは仕方の無い事かもしれない。
「俺は大丈夫なんだが・・・そうだな・・・一般的な歩行速度は時速4kmだから・・・1日5時間くらい歩く感じでもいいか?」
「あのさお兄ちゃん・・・別に無理して行って欲しいわけじゃないの。お兄ちゃんが苦痛に感じるなら私はしたくない。」
学の少し後ろを歩いていた結衣はそう言ったが、学はそう言った結衣の言葉を聞きながらも歩き続けた。結衣も遅れないよう後を追った。
「結衣、何を思って苦痛だと思ったんだ?」
しばらく黙ってた学は唐突に言った。
「・・・お兄ちゃんが疲れてるように見えたから。」
「ん?別に疲れてはないぞ。」
「え?でもだって・・・。」
流石に500kmは辛いと思ったけど・・・別に苦痛ではないんだよな。それより結衣が無理してる方がダメだな・・・。
「せっかく2人で歩いているんだ。楽しい話をしないか?例えば・・・昔の話とか。」
「そういえば昔結衣がお酒飲んで酔ったことあるんだぞ。」
「えっ!?本当?」
あれから2時間ほど経っているが、うまく話を切り替えたようで2人とも楽しく話をしていた。
「ジュースと間違えたんだろうな。」
「えぇ〜・・・全然覚えてないな・・・。」
「まぁ酔ってたからな。仕方ないな。ほら、これがその時の写真だ。」
あたかも当然のように写真を撮っている学はゆいに写真を見せた。見せられた写真は学の人差し指を口にくわえていて学のシーツにくるまって寝ている結衣の写真だった。
当然結衣は覚えていないので初めて知ったことではあったが、恥ずかしさが結衣を襲った。
「いやぁ・・・あの時の寝言でお兄ちゃんって言ってくれたんだよな〜・・・懐かしい。今では普通に呼んでくれるからな〜。」
結衣は写真を収納にしまった。
「あ、結衣。返してくれないか?それ一枚しかないんだよ。」
「やだ。没収。」
「なっ!それは奇跡の一枚とも言える写真なのに!」
「だめー。恥ずかしいもん・・・。」
「・・・まぁいい。脳内メモリーにはしっかり保存してあるしな。」
「ちょっ!今すぐ消してよ!恥ずかしい!」
そんな話をする。2人はお互いの恥ずかしい話をしながらもその表情は笑顔だった。恥ずかしくても、お互いにとっては最高の思い出なのだ。それがすれ違うことが多くても、喧嘩をしたとしても...2人の考えは変わらないのだった。
話していると目的の20kmをゆうに超えていた。日が沈み、辺りが暗くなっても2人の会話は続いた。
「はい。」
「ん?なんだこれ...って!これは!」
結衣が出した写真は学が寝ている写真だった。別に寝ているだけだったら学もここまで驚きはしなかっただろう。驚いたのは結衣も一緒に写っている事だった。結衣は何に驚いているか分からず、学に聞いた。
「え?何?なんか変だった?」
「結衣が笑いながら写真に俺と写ってることがレアでな・・・驚いた。しかもこれ地球の時だな。可愛い顔してるな。まぁ元々世界一の可愛さだったんだが。」
と、つい本音が出てしまった学はしまったと思いながらチラリと結衣の方を見た。
案の定、結衣は顔が赤くなっていた。
いや・・・まぁ仕方ないな。可愛いのは事実だしな。今の結衣に言っていい事だったかは別として。
「あ、結衣。結構進んだな。今日はここまでにするか。あと・・・468kmだ。明日も頑張ろうな。」
家を出しながら学は結衣にそう言った。
「あ、うん・・・結構歩いたんだね。」
まだ思い出しているのか、反応は意外とそっけないものだった。学は気にする事なく家へと入り、結衣も続いて入っていくのだった。
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前の話の通り、急いで書いた話なのでいつもより400字前後少ないです。ごめんなさい。そして眠いのでお休みなさい。
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コメント
さらだ
有難う御座います。
さらだ
あ、あなたは神か!?僕は没収されるとしたら明日ですね。なんとか乗り切りたいです。コツとかあります?笑
瑠璃
お疲れ様です
応援してます
バジリス
お疲れ様です。
僕はなんとかスマホ没収は乗り切りましたw