妹はこの世界でただ一人の味方
ニャア
・・・俺は天才か?
ある日の昼下がり、学は自分のことをそう思った。普段はあまり自分を褒めない学だが、今日だけは違った。
猫は可愛い。人によって好みは違うだろうが、俺は好きだ。それと小鳥も好きだな。まぁ今日は小鳥は関係ないからどうでもいい。
猫に限らずだが、動物と触れ合うことでストレスを軽減させ精神や体の不調を回復させる効果があるアニマルセラピーというのが研究でわかってる。
しかもだ。猫を飼ってる人は飼ってない人と比べて心筋梗塞で死亡する確率が40%下がるとい結果も出ている。
かと言って猫を飼いたいわけじゃない。結衣がアレルギーでダメだからな。
そして学が手に持っているのは猫耳だった。フサフサと触り心地のいい毛はいつまでも触っていれそうなくらいだった。
察しのいい人にはもう分かるかもしれない。
・・・結衣につけてもらうか。
あらかじめ言っておこう。今回の話は結衣が猫耳をつけるのと、学が執事になる話である。
さて、善は急げだ。・・・っと扉はしっかり閉めないとな。
しっかりと扉が閉まった音を聞いた学は屋敷の中を歩いて探したがいつものごとく見つけることができなかった。まだ探していないのは結衣の部屋、森の中といった場所だ。
学はまず結衣の部屋に行った。
コンコン・・・
「結衣〜今いるか?」
しかし返事がしなかったので、ソッと部屋の扉を開けて部屋の中を見た。部屋は薄暗かったが、結衣はいなかった。
いないか・・・。仕方がない。帰ってきたら
ガタッ
・・・隣から聞こえたな。て言うか隣は俺の部屋だな。物が落ちてきただけならいいんだが、・・・流石にいないよな?
学はそう考えながらも忍び足で自室へと足を運んで、勢いよく扉を開けた。
「・・・これには深いわけが・・・。」
やはりそこに結衣はいた。シーツをかぶってやり過ごそうとしたのか、ベッドの上でくるまっていた。
「なら一応聞いておこうか。深いわけがどれほどのものか。」
学は結衣がどれほどのスピードで走っても追いつけるところにまで歩くと話を聞く体勢になった。
「実はお兄ちゃんの部屋にゴキブリが入って私はそれを退治しようとしたんだよ。」
「へー・・・それで?」
「お兄ちゃんは部屋にゴキブリが入ったと思うと悲しむと思ったから気づかれないように部屋に入ったの。」
「なるほど。それでゴキブリは?」
「で、部屋に入ったあとすぐに捕まえて窓から放り出したの。その音でお兄ちゃんが気づいちゃって部屋に来ちゃったって感じ。」
「なるほど。結衣の気遣いはすごく嬉しいし、優しさすら感じさせられた。ありがとな。」
「どういたしまして。」
笑顔で微笑む結衣を見て学も笑った。
さて、学は結衣を探すにあたり部屋を出た。その時に学はしっかりと確認していたのだ。扉が閉まった音を。
「で、本当は?」
笑顔のまま学は聞くと結衣も笑顔のまま答えた。
「私に猫耳をつけるとか聞こえたから逃げるために入ったんだよ。」
さっと目を逸らした学は無言で猫耳を差し出した。結衣も無言で受け取り膝を使って真っ二つに割った。
「ああああああああああああ!!!」
結衣は無情にも収納へとしまい、猫耳をつけたくない事を行動で示した。
「・・・恥ずかしいからヤダ。」
「猫耳をつけた結衣を見て見たいなぁ。」
結衣はなにかを考え、それを言葉にした。
「・・・・・・条件次第でつけてあげてもいいよ。」
学もこのチャンスを逃すつもりはないと思いながらも、慎重に話を進めてった。
「ちなみにその条件は?」
「お兄ちゃんが私の指定する格好になる事。」
格好か・・・。要するにコーディネートさせろってことか。結衣は猫耳をつけるだけだが、俺はどんなになるか想像がつかないな。まぁ結衣のことだからあまり酷いのはしないだろうが。
「分かった。・・・写真いいよな?」
「お兄ちゃんのも撮らせてくれるのならいいよ。」
「分かった。じゃ、お願いします。」
「ええと・・・こう?」
「・・・ふぅ・・・。」
「え、なに?やっぱり似合ってない?」
「いや、自分の無力さを痛感しただけだ。」
「・・・?」
この可愛さを言葉に例えることができない・・・。感激で涙が出そうだ。
「お兄ちゃん・・・なんで泣いてるの?」
・・・本当に泣いていたのか。案外自分では気がつかないもんだな。
「感動した・・・。」
「ちょっと意味がわからない。」
・・・とりあえず写真だ。
なんというか、猫耳という新鮮さに加え上目遣いの結衣、恥ずかしがっているのかモジモジ体を小刻みに揺らしているのが可愛すぎる。・・・ダメだな。やっぱり小学生レベルの感想だな。これで結衣の可愛さを表そうなんて申し訳なさすぎる。
「結衣。最後にニャアって言ってくれないか?」
「・・・・・・えぇ・・・。」
困惑して迷っている結衣だが、その間も学が撮っているシャッター音が止むことはなかった。
「に、ニャア・・・。」
可愛すぎかよっ!
「いつまで写真を撮ってるんだニャア。もうやめてニャア。」
一回だけ言って欲しかったんだが・・・まぁいいか!可愛すぎるし。動画撮っとくか。
「・・・そういえば、俺はどんな格好になればいいんだ?」
「執事服ニャ。」
・・・ニャが可愛すぎたせいで執事服とか聞こえたな。きっと聞き間違えた・・・そんなわけないか。執事服か・・・。ハードル高いな。
「着替えてきます・・・。」
「急ぐニャ。」
部屋に戻ってきたお兄ちゃんは執事というか、物語に出てきそうな格好良さがにじみ出てた。言葉で表せられない・・・。
「似合ってるか?」
「うん。もちろんだよ。むしろカッコいい。」
腕を見たりあげたりするその一動作がカッコいいんだよお兄ちゃん。そうだ、写真撮らないと。
「・・・撮りすぎじゃねぇか?」
「え?そんなことないよ。」
そうそう。お兄ちゃんだっていっぱい撮ってたしね。200枚くらいは撮っておかないと・・・。
結衣の画像フォルダに学の執事姿が100枚ほどたまると学は結衣にさせたように自分も口調を変えた。
「お嬢様、撮りすぎですよ。」
・・・お兄ちゃんにお嬢様って言われた・・・。その声でお嬢様・・・えへへ・・・。
「お嬢様、どうなさいましたか?」
お嬢様と言われるたび、結衣の顔はどんどん緩くなり、言われることが嬉しいと第三者が見ても一目瞭然だった。
学も結衣も動画で撮った声を何回も聞いたのは言うまでもないことだろう。
-------------------------------------------------
以下作者のコメント
テスト前日ですね。投稿ペースが落ちてるのは本当に謝るしかりません。そしてスマホ没収されてました。3時間前に返されて急いで書きました。最近日常編みたいな感じで本編進んでなくてごめんなさい。
多分次の更新もそうなってしまうと思います。2回目、最悪3回目までには本編に戻ろうとします。
いいね数が3000件を超えました。励ましの源になります。いいねしてくださった方有難う御座います。
そしてコメント数が異常に多いですね(笑)
それではまた次回。
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猫は可愛い。人によって好みは違うだろうが、俺は好きだ。それと小鳥も好きだな。まぁ今日は小鳥は関係ないからどうでもいい。
猫に限らずだが、動物と触れ合うことでストレスを軽減させ精神や体の不調を回復させる効果があるアニマルセラピーというのが研究でわかってる。
しかもだ。猫を飼ってる人は飼ってない人と比べて心筋梗塞で死亡する確率が40%下がるとい結果も出ている。
かと言って猫を飼いたいわけじゃない。結衣がアレルギーでダメだからな。
そして学が手に持っているのは猫耳だった。フサフサと触り心地のいい毛はいつまでも触っていれそうなくらいだった。
察しのいい人にはもう分かるかもしれない。
・・・結衣につけてもらうか。
あらかじめ言っておこう。今回の話は結衣が猫耳をつけるのと、学が執事になる話である。
さて、善は急げだ。・・・っと扉はしっかり閉めないとな。
しっかりと扉が閉まった音を聞いた学は屋敷の中を歩いて探したがいつものごとく見つけることができなかった。まだ探していないのは結衣の部屋、森の中といった場所だ。
学はまず結衣の部屋に行った。
コンコン・・・
「結衣〜今いるか?」
しかし返事がしなかったので、ソッと部屋の扉を開けて部屋の中を見た。部屋は薄暗かったが、結衣はいなかった。
いないか・・・。仕方がない。帰ってきたら
ガタッ
・・・隣から聞こえたな。て言うか隣は俺の部屋だな。物が落ちてきただけならいいんだが、・・・流石にいないよな?
学はそう考えながらも忍び足で自室へと足を運んで、勢いよく扉を開けた。
「・・・これには深いわけが・・・。」
やはりそこに結衣はいた。シーツをかぶってやり過ごそうとしたのか、ベッドの上でくるまっていた。
「なら一応聞いておこうか。深いわけがどれほどのものか。」
学は結衣がどれほどのスピードで走っても追いつけるところにまで歩くと話を聞く体勢になった。
「実はお兄ちゃんの部屋にゴキブリが入って私はそれを退治しようとしたんだよ。」
「へー・・・それで?」
「お兄ちゃんは部屋にゴキブリが入ったと思うと悲しむと思ったから気づかれないように部屋に入ったの。」
「なるほど。それでゴキブリは?」
「で、部屋に入ったあとすぐに捕まえて窓から放り出したの。その音でお兄ちゃんが気づいちゃって部屋に来ちゃったって感じ。」
「なるほど。結衣の気遣いはすごく嬉しいし、優しさすら感じさせられた。ありがとな。」
「どういたしまして。」
笑顔で微笑む結衣を見て学も笑った。
さて、学は結衣を探すにあたり部屋を出た。その時に学はしっかりと確認していたのだ。扉が閉まった音を。
「で、本当は?」
笑顔のまま学は聞くと結衣も笑顔のまま答えた。
「私に猫耳をつけるとか聞こえたから逃げるために入ったんだよ。」
さっと目を逸らした学は無言で猫耳を差し出した。結衣も無言で受け取り膝を使って真っ二つに割った。
「ああああああああああああ!!!」
結衣は無情にも収納へとしまい、猫耳をつけたくない事を行動で示した。
「・・・恥ずかしいからヤダ。」
「猫耳をつけた結衣を見て見たいなぁ。」
結衣はなにかを考え、それを言葉にした。
「・・・・・・条件次第でつけてあげてもいいよ。」
学もこのチャンスを逃すつもりはないと思いながらも、慎重に話を進めてった。
「ちなみにその条件は?」
「お兄ちゃんが私の指定する格好になる事。」
格好か・・・。要するにコーディネートさせろってことか。結衣は猫耳をつけるだけだが、俺はどんなになるか想像がつかないな。まぁ結衣のことだからあまり酷いのはしないだろうが。
「分かった。・・・写真いいよな?」
「お兄ちゃんのも撮らせてくれるのならいいよ。」
「分かった。じゃ、お願いします。」
「ええと・・・こう?」
「・・・ふぅ・・・。」
「え、なに?やっぱり似合ってない?」
「いや、自分の無力さを痛感しただけだ。」
「・・・?」
この可愛さを言葉に例えることができない・・・。感激で涙が出そうだ。
「お兄ちゃん・・・なんで泣いてるの?」
・・・本当に泣いていたのか。案外自分では気がつかないもんだな。
「感動した・・・。」
「ちょっと意味がわからない。」
・・・とりあえず写真だ。
なんというか、猫耳という新鮮さに加え上目遣いの結衣、恥ずかしがっているのかモジモジ体を小刻みに揺らしているのが可愛すぎる。・・・ダメだな。やっぱり小学生レベルの感想だな。これで結衣の可愛さを表そうなんて申し訳なさすぎる。
「結衣。最後にニャアって言ってくれないか?」
「・・・・・・えぇ・・・。」
困惑して迷っている結衣だが、その間も学が撮っているシャッター音が止むことはなかった。
「に、ニャア・・・。」
可愛すぎかよっ!
「いつまで写真を撮ってるんだニャア。もうやめてニャア。」
一回だけ言って欲しかったんだが・・・まぁいいか!可愛すぎるし。動画撮っとくか。
「・・・そういえば、俺はどんな格好になればいいんだ?」
「執事服ニャ。」
・・・ニャが可愛すぎたせいで執事服とか聞こえたな。きっと聞き間違えた・・・そんなわけないか。執事服か・・・。ハードル高いな。
「着替えてきます・・・。」
「急ぐニャ。」
部屋に戻ってきたお兄ちゃんは執事というか、物語に出てきそうな格好良さがにじみ出てた。言葉で表せられない・・・。
「似合ってるか?」
「うん。もちろんだよ。むしろカッコいい。」
腕を見たりあげたりするその一動作がカッコいいんだよお兄ちゃん。そうだ、写真撮らないと。
「・・・撮りすぎじゃねぇか?」
「え?そんなことないよ。」
そうそう。お兄ちゃんだっていっぱい撮ってたしね。200枚くらいは撮っておかないと・・・。
結衣の画像フォルダに学の執事姿が100枚ほどたまると学は結衣にさせたように自分も口調を変えた。
「お嬢様、撮りすぎですよ。」
・・・お兄ちゃんにお嬢様って言われた・・・。その声でお嬢様・・・えへへ・・・。
「お嬢様、どうなさいましたか?」
お嬢様と言われるたび、結衣の顔はどんどん緩くなり、言われることが嬉しいと第三者が見ても一目瞭然だった。
学も結衣も動画で撮った声を何回も聞いたのは言うまでもないことだろう。
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テスト前日ですね。投稿ペースが落ちてるのは本当に謝るしかりません。そしてスマホ没収されてました。3時間前に返されて急いで書きました。最近日常編みたいな感じで本編進んでなくてごめんなさい。
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コメント
さらだ
なんと!理解者がいた!感激!
ミラル ムカデ
ケモミミ❗執事❗最高ですよ!
さらだ
W(`0`)Wうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
頑張ります。
瑠璃
お疲れ様です
頑張ってくださいo(・`д・´。)
さらだ
ハデスさん。いつもコメント有難う御座います。それだけで疲れなんてなくなります。これからもよろしくお願いします。