妹はこの世界でただ一人の味方
改変
お互いを探していた2人だったが、15分ほど経った今でも会う事はなかった。
森を走っている2人の方向は同じ方向で、さらに同じスピード、結衣が相手をしている巨大生物も木々や、山の高さで隠れてしまい学から見える事はなかった。
2人も何の考えもなしに走っているわけではない。もしかしたら逃げてる(追ってる)方向が同じだと考えもした。そうして方向転換をするときに限って心が繋がっているかのように同時に方向を変えるのだ。
そのため一向に会う事ができない。
結衣がいねぇ!
お兄ちゃんがいない!
お互いが見つからずイラつき始めている頃、その森の上空ではーー
「・・・失敗だ。上手くいかないもんだな。」
フロが本を片手に頭を悩ましていた。その本こそが学が探している本で、学に部屋からとった張本人でもあった。
フロは魔法から資源を作りそこから刀を創造するという超高次元の魔法を使っていたが、イメージがまだ定着していないのか、脆かったり小さかったりする事が多かった。
「ん?結構すごい魔物がいるな。ちょっと手伝いに行くか。」
「どこ行ったんだ結衣は?」
口調こそ穏やかだが、学を追いかけてくる魔物を見ればそれがどれほどの怖さか分かるだろう。
平然ぶってる学だが、微かに疲れが現れていた。
「何やってんだ?」
「うおっ!・・・ビックリさせるなよ。」
いきなり声をかけてきたフロの接近に気がつかなかった学は大声を出してしまった。別に不利になる事はないが、ただ単純に恥ずかしいものだ。
「見て分かんねぇのか?追われてるんだよ。」
「ふーん・・・倒せないの?」
「倒せたら追いかけられねぇよ。」
学は収納から一本の刀を取り出し、追いかけてきた魔物へと全力で投げた。そして当たったかの結果を見ずに走り出した。
学の予想通り刀は速度を落とし、地面へと落ちた。
「な?何度かやってみたが、結局こうなるんだ。おそらく魔物のうちどれかが使っているんだろうが数が多すぎる。」
フワフワと飛んでいるフロを見て少しイラついていた学は吐き出すように言った。
フロは考え込むように喋らなくなった。しかし学の後ろにピッタリとくっついている。
う、鬱陶しい・・・。
学はそう思いながらも結衣を探す事と逃げることの割合を3:7程度で続けた。
すると突然後ろから爆音と衝撃が走った。完全に無防備だった学はその衝撃で足を絡ませてしまい、盛大にこけてしまった。
後ろを向いた学は目を大きく開けることとなる。
学の後ろは地獄絵図といっても過言ではないほどだった。先ほどまで追いかけてきた魔物は肉片となり、木々にへばりついていた。そして火の魔法を使ったのか葉が燃えているところもあった。
「倒せたな。」
「お前ふざけるなよ!」
学は立ち上がると早々にフロへ向かって叫んだ。何に怒られているのか分からないフロは黙っていた。
「もし超火力の魔法が必要なら俺もそうする。だがな、結衣を巻き込む可能性があるのならそれは却下だ!だから俺は結衣を見つけるために逃げてたんだよ!」
やっと何に怒られているのか分かったフロは学を落ち着かせるために、空で見た事を伝える。
「そこらへんは大丈夫だ。当たらないように威力を調節、第一反対側にいるわけだから当たるわけもない。」
・・・ならいいんだが。...! お前その本俺のか!?」
「・・・屋敷にあった。」
「俺のじゃねぇか!まてよ。そしたら結衣は俺の部屋から何を盗ったんだ・・・?」
「そろそろ来そうだぞ。」
フロの予言通り、次の瞬間最高スピードを保っていた結衣が学の視界へと入る。
「結・・・衣・・・アレは?」
「知るわけないだろ。」
結衣を追いかけている魔物を見て軽く引いた学だったが、結衣が追いかけられているということで魔物へと殺意を向けた。
ビクともしなかった魔物だったが、スピードを落とし、学と結衣を見下ろした。
「全然攻撃が通らなかったよ。」
戦うことになった結衣は最初に注意するようにそう言った。学はため息を吐きたくなるような感覚に陥った。
「そういえばさっきはどうやって倒したんだ?」
疑問を持った学はフロへと聞いた。フロはゆっくりと魔物に手のひらを向けると小さく呟いた。
「爆発。」
そこからは先ほど学が味わった事と同じだった。少し気分が悪くなった結衣が目眩を起こす程度が予想外と言ったところだろうか。
「素直にすごいな。」
学は魔法を見た後率直な感想を告げた。それにより気分が良くなったのか、この魔法の正体について一言で表した。
「これは前使ったところを見た特急魔法の改変だ。」
改変と言われてもさっぱりだった2人は詳しく聞こうかと口を開いた瞬間だった。
木々の隙間から矢が放たれた。狙われたのは結衣だったが、あっさりとかわした。
その矢を後に、ゾロゾロと人が集まって来た。人と言っても冒険者だろう。ほとんどの人間が武装をしていて学たちに敵意を向けていた。
学はこれから起きそうな事を想定してため息をつかずにはいられなかった。
-------------------------------------------------
以下作者のコメント
 今日は地獄の運動会。別にスポーツが苦手なわけじゃないんですよ。むしろ得意ですし。クラス選抜のリレーもしました。だからと言って好きなわけじゃないんですよね。どこのアニメキャラかっつーの。
そういえば友人が秋葉原に行ったんですよ。Tシャツが欲しかったらしく約3万を持ってったらしいです。
途中オタクがいっぱい集まりそうな店で新刊を購入したところ、Tシャツを買う際に財布を置いて来た事を思い出したそうです。急いで戻ってみると、あら不思議。財布がなくなってたとさ。店の人に聞いても無駄だったらしいです。
落し物には気をつけましょう!!!
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森を走っている2人の方向は同じ方向で、さらに同じスピード、結衣が相手をしている巨大生物も木々や、山の高さで隠れてしまい学から見える事はなかった。
2人も何の考えもなしに走っているわけではない。もしかしたら逃げてる(追ってる)方向が同じだと考えもした。そうして方向転換をするときに限って心が繋がっているかのように同時に方向を変えるのだ。
そのため一向に会う事ができない。
結衣がいねぇ!
お兄ちゃんがいない!
お互いが見つからずイラつき始めている頃、その森の上空ではーー
「・・・失敗だ。上手くいかないもんだな。」
フロが本を片手に頭を悩ましていた。その本こそが学が探している本で、学に部屋からとった張本人でもあった。
フロは魔法から資源を作りそこから刀を創造するという超高次元の魔法を使っていたが、イメージがまだ定着していないのか、脆かったり小さかったりする事が多かった。
「ん?結構すごい魔物がいるな。ちょっと手伝いに行くか。」
「どこ行ったんだ結衣は?」
口調こそ穏やかだが、学を追いかけてくる魔物を見ればそれがどれほどの怖さか分かるだろう。
平然ぶってる学だが、微かに疲れが現れていた。
「何やってんだ?」
「うおっ!・・・ビックリさせるなよ。」
いきなり声をかけてきたフロの接近に気がつかなかった学は大声を出してしまった。別に不利になる事はないが、ただ単純に恥ずかしいものだ。
「見て分かんねぇのか?追われてるんだよ。」
「ふーん・・・倒せないの?」
「倒せたら追いかけられねぇよ。」
学は収納から一本の刀を取り出し、追いかけてきた魔物へと全力で投げた。そして当たったかの結果を見ずに走り出した。
学の予想通り刀は速度を落とし、地面へと落ちた。
「な?何度かやってみたが、結局こうなるんだ。おそらく魔物のうちどれかが使っているんだろうが数が多すぎる。」
フワフワと飛んでいるフロを見て少しイラついていた学は吐き出すように言った。
フロは考え込むように喋らなくなった。しかし学の後ろにピッタリとくっついている。
う、鬱陶しい・・・。
学はそう思いながらも結衣を探す事と逃げることの割合を3:7程度で続けた。
すると突然後ろから爆音と衝撃が走った。完全に無防備だった学はその衝撃で足を絡ませてしまい、盛大にこけてしまった。
後ろを向いた学は目を大きく開けることとなる。
学の後ろは地獄絵図といっても過言ではないほどだった。先ほどまで追いかけてきた魔物は肉片となり、木々にへばりついていた。そして火の魔法を使ったのか葉が燃えているところもあった。
「倒せたな。」
「お前ふざけるなよ!」
学は立ち上がると早々にフロへ向かって叫んだ。何に怒られているのか分からないフロは黙っていた。
「もし超火力の魔法が必要なら俺もそうする。だがな、結衣を巻き込む可能性があるのならそれは却下だ!だから俺は結衣を見つけるために逃げてたんだよ!」
やっと何に怒られているのか分かったフロは学を落ち着かせるために、空で見た事を伝える。
「そこらへんは大丈夫だ。当たらないように威力を調節、第一反対側にいるわけだから当たるわけもない。」
・・・ならいいんだが。...! お前その本俺のか!?」
「・・・屋敷にあった。」
「俺のじゃねぇか!まてよ。そしたら結衣は俺の部屋から何を盗ったんだ・・・?」
「そろそろ来そうだぞ。」
フロの予言通り、次の瞬間最高スピードを保っていた結衣が学の視界へと入る。
「結・・・衣・・・アレは?」
「知るわけないだろ。」
結衣を追いかけている魔物を見て軽く引いた学だったが、結衣が追いかけられているということで魔物へと殺意を向けた。
ビクともしなかった魔物だったが、スピードを落とし、学と結衣を見下ろした。
「全然攻撃が通らなかったよ。」
戦うことになった結衣は最初に注意するようにそう言った。学はため息を吐きたくなるような感覚に陥った。
「そういえばさっきはどうやって倒したんだ?」
疑問を持った学はフロへと聞いた。フロはゆっくりと魔物に手のひらを向けると小さく呟いた。
「爆発。」
そこからは先ほど学が味わった事と同じだった。少し気分が悪くなった結衣が目眩を起こす程度が予想外と言ったところだろうか。
「素直にすごいな。」
学は魔法を見た後率直な感想を告げた。それにより気分が良くなったのか、この魔法の正体について一言で表した。
「これは前使ったところを見た特急魔法の改変だ。」
改変と言われてもさっぱりだった2人は詳しく聞こうかと口を開いた瞬間だった。
木々の隙間から矢が放たれた。狙われたのは結衣だったが、あっさりとかわした。
その矢を後に、ゾロゾロと人が集まって来た。人と言っても冒険者だろう。ほとんどの人間が武装をしていて学たちに敵意を向けていた。
学はこれから起きそうな事を想定してため息をつかずにはいられなかった。
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以下作者のコメント
 今日は地獄の運動会。別にスポーツが苦手なわけじゃないんですよ。むしろ得意ですし。クラス選抜のリレーもしました。だからと言って好きなわけじゃないんですよね。どこのアニメキャラかっつーの。
そういえば友人が秋葉原に行ったんですよ。Tシャツが欲しかったらしく約3万を持ってったらしいです。
途中オタクがいっぱい集まりそうな店で新刊を購入したところ、Tシャツを買う際に財布を置いて来た事を思い出したそうです。急いで戻ってみると、あら不思議。財布がなくなってたとさ。店の人に聞いても無駄だったらしいです。
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コメント
さらだ
やはり面倒くさいものはどう考えても面倒くさいですね。
さらだ
有難う御座います。
神田礫
残念の一言ですね。
運動会、私もめんどくさかったです。
ハデス
お疲れ様です
さらだ
彼のあだ名は“3万バカ”になりました。