妹はこの世界でただ一人の味方
心情
お兄ちゃんの戦いに加戦しようと足を一歩踏み出した時だった。
足に何かが絡まって前から倒れてしまった。後ろを向くと植物の根のようなものが巻き付いていた。お兄ちゃんは戦っているから自分でなんとかしようとまずは手で引き裂こうとした。
巻きついている強さはそこまでではなかった。私の力でも引き裂こうとすればできた。けれど、引き裂こうとしている最中、また別のところから根が生えてきて右手、右足、左手、口、左足の順番に巻きつかれた。
「ん・・・。」
声は出せない。手足も動かない。身体強化を使えば切り抜けられるかな?
結衣が身体強化を使うか迷っていると、左手に巻きついていた根っこが伸びていた壁の一部がなくなり人1人が通れそうな穴が現れた。
結衣は瞬時に身体強化を使い、根から離れようと試みた。けれどその行動は遅く、左腕に巻きついていた根がその穴へと結衣を引っ張り、結衣の姿が消えるとその穴は再び普通の天井へと元に戻ったのだった。
結衣が引っ張られて次に視界に捉えたのは16階、ストロングがいるところだった。
結衣はすぐに根を引き裂いて、目の前部いるストロングに警戒した。
ストロングは結衣をチラリと一瞥したが、すぐに興味を無くしたようでモニターに映ってる学とウェイジの戦いを観戦していた。
モニター?ここにも機械があるの?っていうかこの人誰?
「ねぇ。お兄ちゃんの所に戻してよ。」
ストロングは無言でモニターを見つめていたままだった。無視された結衣はそれ以上言葉を発する事なく、部屋を見渡した。
テーブルが1つ。椅子が2つ。まだ湯気が出ている湯呑み2つ。モニターが1つ。
結衣が部屋で見てたのはたったそれしかなかった。
結衣がウロチョロしてるのが癪に触ったのか、ストロングは結衣に初めて口を開いた。
「あんまり動き回るなよ。物を壊されたらたまったもんじゃない。」
ストロングから言葉が聞けたことに結衣は少し驚いたが、冷静に返した。
「第1物が少ないから壊す事はないと思う。それよりもお兄ちゃんの所に帰してよ。」
一度口を開けたからか、ストロングは黙るのをやめて喋り出した。
「まあ落ち着け。まだその時じゃない。ゆっくりと戦っているのでも見てようぜ。」
「その時って・・・戦いが終わった時の事?そんなの待てない。」
するとストロングはモニターから目をそらし、結衣の方を見て言った。
「少しくらい待てよ。兄に嫌われるぞ。」
「お兄ちゃんはそんなことで嫌いになんかはならない。それに今はお兄ちゃんは関係ない。」
ストロングは立ち上がり人差し指を結衣に向けた。次の瞬間結衣がその場を飛び離れたのと、地面が削られたのはほとんど同時だった。
ほとんどというのは少しばかり結衣の行動が速かっただけだった。
「・・・今のを避けるか。想像以上に経験を積んできているんだな。」
「私が出来るほとんどの事はお兄ちゃんが教えてくれた事。私が凄いわけじゃない。」
淡々と述べる結衣だったが、心は驚愕の一言に尽きた。
無詠唱・・・。あれは危険。さっき躱せたのもほとんど奇跡みたいなものだし。一番厄介なのは、いつ魔法が撃たれるか分からないという相手側・・・私の集中力が切れてしまうこと。命のやり取り中に集中力が切れるのは致命傷に繋がってしまう。
「なるほど。お前の兄はさぞかし立派なんだろうな。身内からの信頼が強いのはいい事だ。」
「お兄ちゃんは優しく接してくれる。私みたいな荷物のような存在でも。そんなお兄ちゃんの何がわかるの?何も知らないくせに立派とか言わないで。」
結衣は頭の中で詠唱を終えていた魔法をストロングへと撃ち込んだ。ストロングは一度不敵な笑みを浮かべると、防御もとらずに結衣の魔法をそのまま受けた。
「なっ...!」
結衣が驚いているとストロングは無傷のまま笑っていた。
「はははは・・・兄が立派だぁ?やれやれ、馬鹿かお前は?お前の兄はな、お前のことを荷物とも思ってねぇよ。ただ邪魔な存在だとしか思ってない。妹に好かれるのは悪い気はしないと思ってるあいつだが、お前はそれを超えすぎている。故に、お前は兄から嫌われているんだよ。」
ストロングは一気に結衣へと言い放った。結衣はそんな事はないと反論をする。
「お兄ちゃんはそんな事思っていない! お兄ちゃんは私を大切にしてくれているんだ!優しくしてくれてるんだ!そんなお兄ちゃんが私の事を嫌いなはずがない!」
「そういうところだよ! 自覚をしてないなら教えてやるよ!お前のそういうところが兄に嫌われているんだ!覚えておけ!」
叫び疲れたのかストロングは息が少し荒くなっていた。結衣はモニターに写っている学を見て複雑な心情になったのだった。
------------------------------------------------
以下作者のコメント
ごめんなさい。この話を一回保存し忘れて消しちゃいました。本当はこの後学のシーンがあったんですけど時間がなくなっちゃったので、次回にします。後五分で4日目に突入しちゃうので、これで失礼します。
次回は明後日に投稿します。
本当に遅れてごめんなさい。
いいね、コメント、フォローお願いします。
急いで書いたので誤字があったら報告お願いします。あと少なくてごめんなさい。
フォロー数が900超えていました!有難う御座います。
足に何かが絡まって前から倒れてしまった。後ろを向くと植物の根のようなものが巻き付いていた。お兄ちゃんは戦っているから自分でなんとかしようとまずは手で引き裂こうとした。
巻きついている強さはそこまでではなかった。私の力でも引き裂こうとすればできた。けれど、引き裂こうとしている最中、また別のところから根が生えてきて右手、右足、左手、口、左足の順番に巻きつかれた。
「ん・・・。」
声は出せない。手足も動かない。身体強化を使えば切り抜けられるかな?
結衣が身体強化を使うか迷っていると、左手に巻きついていた根っこが伸びていた壁の一部がなくなり人1人が通れそうな穴が現れた。
結衣は瞬時に身体強化を使い、根から離れようと試みた。けれどその行動は遅く、左腕に巻きついていた根がその穴へと結衣を引っ張り、結衣の姿が消えるとその穴は再び普通の天井へと元に戻ったのだった。
結衣が引っ張られて次に視界に捉えたのは16階、ストロングがいるところだった。
結衣はすぐに根を引き裂いて、目の前部いるストロングに警戒した。
ストロングは結衣をチラリと一瞥したが、すぐに興味を無くしたようでモニターに映ってる学とウェイジの戦いを観戦していた。
モニター?ここにも機械があるの?っていうかこの人誰?
「ねぇ。お兄ちゃんの所に戻してよ。」
ストロングは無言でモニターを見つめていたままだった。無視された結衣はそれ以上言葉を発する事なく、部屋を見渡した。
テーブルが1つ。椅子が2つ。まだ湯気が出ている湯呑み2つ。モニターが1つ。
結衣が部屋で見てたのはたったそれしかなかった。
結衣がウロチョロしてるのが癪に触ったのか、ストロングは結衣に初めて口を開いた。
「あんまり動き回るなよ。物を壊されたらたまったもんじゃない。」
ストロングから言葉が聞けたことに結衣は少し驚いたが、冷静に返した。
「第1物が少ないから壊す事はないと思う。それよりもお兄ちゃんの所に帰してよ。」
一度口を開けたからか、ストロングは黙るのをやめて喋り出した。
「まあ落ち着け。まだその時じゃない。ゆっくりと戦っているのでも見てようぜ。」
「その時って・・・戦いが終わった時の事?そんなの待てない。」
するとストロングはモニターから目をそらし、結衣の方を見て言った。
「少しくらい待てよ。兄に嫌われるぞ。」
「お兄ちゃんはそんなことで嫌いになんかはならない。それに今はお兄ちゃんは関係ない。」
ストロングは立ち上がり人差し指を結衣に向けた。次の瞬間結衣がその場を飛び離れたのと、地面が削られたのはほとんど同時だった。
ほとんどというのは少しばかり結衣の行動が速かっただけだった。
「・・・今のを避けるか。想像以上に経験を積んできているんだな。」
「私が出来るほとんどの事はお兄ちゃんが教えてくれた事。私が凄いわけじゃない。」
淡々と述べる結衣だったが、心は驚愕の一言に尽きた。
無詠唱・・・。あれは危険。さっき躱せたのもほとんど奇跡みたいなものだし。一番厄介なのは、いつ魔法が撃たれるか分からないという相手側・・・私の集中力が切れてしまうこと。命のやり取り中に集中力が切れるのは致命傷に繋がってしまう。
「なるほど。お前の兄はさぞかし立派なんだろうな。身内からの信頼が強いのはいい事だ。」
「お兄ちゃんは優しく接してくれる。私みたいな荷物のような存在でも。そんなお兄ちゃんの何がわかるの?何も知らないくせに立派とか言わないで。」
結衣は頭の中で詠唱を終えていた魔法をストロングへと撃ち込んだ。ストロングは一度不敵な笑みを浮かべると、防御もとらずに結衣の魔法をそのまま受けた。
「なっ...!」
結衣が驚いているとストロングは無傷のまま笑っていた。
「はははは・・・兄が立派だぁ?やれやれ、馬鹿かお前は?お前の兄はな、お前のことを荷物とも思ってねぇよ。ただ邪魔な存在だとしか思ってない。妹に好かれるのは悪い気はしないと思ってるあいつだが、お前はそれを超えすぎている。故に、お前は兄から嫌われているんだよ。」
ストロングは一気に結衣へと言い放った。結衣はそんな事はないと反論をする。
「お兄ちゃんはそんな事思っていない! お兄ちゃんは私を大切にしてくれているんだ!優しくしてくれてるんだ!そんなお兄ちゃんが私の事を嫌いなはずがない!」
「そういうところだよ! 自覚をしてないなら教えてやるよ!お前のそういうところが兄に嫌われているんだ!覚えておけ!」
叫び疲れたのかストロングは息が少し荒くなっていた。結衣はモニターに写っている学を見て複雑な心情になったのだった。
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ごめんなさい。この話を一回保存し忘れて消しちゃいました。本当はこの後学のシーンがあったんですけど時間がなくなっちゃったので、次回にします。後五分で4日目に突入しちゃうので、これで失礼します。
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コメント
さらだ
有難う御座います!
まあこれから減るんですけどね(確信)
神田礫
フォロー数900!!あと少しで1000フォローですね!これからも頑張ってください!!!!