妹はこの世界でただ一人の味方
会議
「現在情報によると学、結衣はダンジョン11階にいるらしい。2人の強さを考えると12階に行っている可能性が高いと思う。そしてさらに今入った情報によるとあの男と接触したらいい。」
魔王軍の幹部たちが全員集まっている部屋で魔王はそう言い出した。そこへ序列6位のフーベルが補足説明をした。
「接触してきたのは男の方で2人は巻き込まれたという感じです。戦闘は行われなかったようです。」
その報告を聞いて幹部たちはため息と安堵の息を同時に吐いた。そこへ序列15位のフバードが魔王に質問した。
「魔王様。1つだけご質問が。」
「言ってみろ。」
「さっさと彼らという異世界人は殺すべきだと思います。」
「何故だ?」
「彼らが不安材料となってこう言った話し合いの場を設けるのなら早めに取り除くべきだと思うからです。」
そうフバードが言うと魔王は少し考え込んだ。こう言った時間に他の人は口出しをしないのがルールであり、それは決して破ってはいけないことになっている。
しばらくすると魔王が口を開いた。
「仮に殺すとしても学と結衣は除外することになる。」
そう言った魔王にフバードは驚きを隠せなかった。
「何故ですか魔王様!? 彼らだけ特別扱いするのですか!?」
怒鳴ったフバードをフーベルはたしなめた。少し気分が落ち着いたフバードを見ると魔王は口を開いた。
「あの黒ずくめの男たちは手を組んでいる状態だ。故にいつ裏切るかわからない状況なのは分かっているな?」
魔王は全体を見渡してそう言った。全員が頷くのを見ると話を進めた。
「しかしあの兄妹は危害を加えないようにとわざわざここまで来て交渉をしてきた。つまりあの兄妹がこちらに危害を加えてくるとは考えにくい。ならわざわざ刺激することはないだろう。お互いに損害は出したくないからな。」
フバードは渋々と言った感じだったが一応納得して静かになった。
しばらく無言の状態が続いていたが、魔王は立ち上がり、窓から見える街を見ながら言った。
「あいつらが機械というものを持ってきてここらの生活は一変した。魔法に頼らずとも便利なことが出来るようになった。だが、それはいいこととは言い難いような気がする。これは破滅の道になると私は思う。」
なぜならと言い話を続けた。
「なぜなら、このままこの機械が発展していけば魔法よりももっと殺すのが簡単になるはずだ。あくまで予想なのだが、あの黒ずくめの男たちはまだ何かを隠し持っているような気がする。先ほど殺すのなら黒ずくめの男たちという言い方をしたが、それも無しだ。少なくともあいつらの切り札を分かってからではないとダメだ。」
魔王のその言葉はただの勘だったが、何回も修羅場をくぐり抜けてきた魔王が言ったことは幹部たちが疑う余地ものかった。
「それで結局今日は何を話すつもりなんですか?」
と、序列11位のヘールンが口を挟んできた。魔王はそれに答えた。
「ああ。私たちのレベルはもうほとんど上がることはない。いわば完成形だ。故にこれ以上の力をつけるには自分の命を使わなければならない。しかし、あの兄妹は驚異的な速度で成長を遂げているらしい。経験値増加系のスキルを持っている可能性が高い。」
そこでそこへ序列16位のラジックが口を挟む。
「魔王様。現時点でレベルは分かっているのでしょうか?」
それに答えたのは魔王ではなくフーベルだった。
「それについては私がお答えしましょう。ただ今、学さんと結衣さんはどちらともレベルが265です。ちなみにドーレさんと戦った時は195だったそうです。」
そこで初めて少し序列が5位以下の幹部がざわついた。ドーレも腕を組み目を閉じて戦いを思い出していた。
そこに序列3位のバレージという幹部の男が話した。
「しかしこう言ってはなんだが、厄介なのは2人になった時だけなのだろドーレ?」
ドーレの報告を聞いたことがあるバレージはドーレにそう確認した。
「ああ・・・。一人一人なら大した問題はない。だが2人になると連携を取り始め厄介になった。それに少しステータスも上がったような気がする。」
「ということは・・・だ、もし殺すのなら2人が離れた瞬間にするのがベストだろう。」
そこまで言ったバレージに頭から拳が振り落とされた。拳の正体は魔王のものでため息を吐いていた。
「そういうことを言おうとしていたんじゃない。前にあちらから交渉してきたのはお互いが基本的に関わり合わないというものだった。それを飲もうかと思っている。今の私たちには彼らを敵に回さないというメリットがある。」
今までの話を聞き、異議を申し立てる人はいなかった。それを肯定と受け取った魔王はフーベルに指示を出した。
「あの兄妹にこの前の交渉について話があるとダンジョンをクリアした後伝えに言ってくれ。日程はあっちに合わせる。」
「かしこまりました。そのように伝えておきます。」
「ではこれで一度会議を終了する。解散していいぞ。」
その言葉が最後となり、一人また一人とりと部屋を出て行った。
同時刻ダンジョン7階
「戻ってきたよ〜。」
沢辺が軽右手を挙げた先にいたのは一人の男だった。
「お帰り。どうだった?」
「まあまあって感じだね。同じくらい。」
沢辺は学と結衣の強さの確認にきただけだったのだ。ダンジョンに学たちがいたのは全くの偶然ではあったが。
「あ、それと邪魔はしないって。」
「そんなら大丈夫だ。計画はこのまま続行することにするぞ。」
「相変わらずのゲスな発想・・・。」
「何を言ってるんだよ沢辺?こんなに面白いことはないぞ。どちらが勝っても負けても世界は変わる。その瞬間を見るのができるなんて面白いだろ?」
そう言って笑うのだった。沢辺はため息をついて目の前に現れた魔物を倒すのだった。
--------------------------------------------
以下作者のコメント
まずは報告を。
更新ペースが遅くなるのと内容の量が減ることです。例外もあるかもしれませんがそういう事が多くなると思います。
理由は・・・まあ私事なんですが春期講習が始まる事ですね。受験生ということもあり授業時間も長く、書く時間が少ない事が原因です。僕を恨まないでください。塾を恨んでください。僕も恨んでます。
あ、あとこの後減るかもしれませんが一応800人になりました。有難う御座います。m(_ _)m
いいね数も順調に増えていって・・・学校の授業中に考えていたものなのに・・・。
ネーミングセンスは勘弁してください。
ちょっと幹部が増えてきたので僕の確認も踏まえて・・・
序列3位・・・バレージ
序列4位・・・ドーレ
序列6位・・・フーベル
序列7位・・・ゼゼル
序列11位・・・ヘールン
序列12位・・・テール
序列15位・・・フバード
序列16位・・・ラジック
ああ・・・ネーミングセンスが・・・。なにか抜けてたら教えてください。はっきり言って見落としてる可能性があるので。こういう時ぶっつけの話にしてると後悔するんですよね。
それでは・・・報告も含めてよろしくお願いします。
いいね、コメント、フォローお願いします。
魔王軍の幹部たちが全員集まっている部屋で魔王はそう言い出した。そこへ序列6位のフーベルが補足説明をした。
「接触してきたのは男の方で2人は巻き込まれたという感じです。戦闘は行われなかったようです。」
その報告を聞いて幹部たちはため息と安堵の息を同時に吐いた。そこへ序列15位のフバードが魔王に質問した。
「魔王様。1つだけご質問が。」
「言ってみろ。」
「さっさと彼らという異世界人は殺すべきだと思います。」
「何故だ?」
「彼らが不安材料となってこう言った話し合いの場を設けるのなら早めに取り除くべきだと思うからです。」
そうフバードが言うと魔王は少し考え込んだ。こう言った時間に他の人は口出しをしないのがルールであり、それは決して破ってはいけないことになっている。
しばらくすると魔王が口を開いた。
「仮に殺すとしても学と結衣は除外することになる。」
そう言った魔王にフバードは驚きを隠せなかった。
「何故ですか魔王様!? 彼らだけ特別扱いするのですか!?」
怒鳴ったフバードをフーベルはたしなめた。少し気分が落ち着いたフバードを見ると魔王は口を開いた。
「あの黒ずくめの男たちは手を組んでいる状態だ。故にいつ裏切るかわからない状況なのは分かっているな?」
魔王は全体を見渡してそう言った。全員が頷くのを見ると話を進めた。
「しかしあの兄妹は危害を加えないようにとわざわざここまで来て交渉をしてきた。つまりあの兄妹がこちらに危害を加えてくるとは考えにくい。ならわざわざ刺激することはないだろう。お互いに損害は出したくないからな。」
フバードは渋々と言った感じだったが一応納得して静かになった。
しばらく無言の状態が続いていたが、魔王は立ち上がり、窓から見える街を見ながら言った。
「あいつらが機械というものを持ってきてここらの生活は一変した。魔法に頼らずとも便利なことが出来るようになった。だが、それはいいこととは言い難いような気がする。これは破滅の道になると私は思う。」
なぜならと言い話を続けた。
「なぜなら、このままこの機械が発展していけば魔法よりももっと殺すのが簡単になるはずだ。あくまで予想なのだが、あの黒ずくめの男たちはまだ何かを隠し持っているような気がする。先ほど殺すのなら黒ずくめの男たちという言い方をしたが、それも無しだ。少なくともあいつらの切り札を分かってからではないとダメだ。」
魔王のその言葉はただの勘だったが、何回も修羅場をくぐり抜けてきた魔王が言ったことは幹部たちが疑う余地ものかった。
「それで結局今日は何を話すつもりなんですか?」
と、序列11位のヘールンが口を挟んできた。魔王はそれに答えた。
「ああ。私たちのレベルはもうほとんど上がることはない。いわば完成形だ。故にこれ以上の力をつけるには自分の命を使わなければならない。しかし、あの兄妹は驚異的な速度で成長を遂げているらしい。経験値増加系のスキルを持っている可能性が高い。」
そこでそこへ序列16位のラジックが口を挟む。
「魔王様。現時点でレベルは分かっているのでしょうか?」
それに答えたのは魔王ではなくフーベルだった。
「それについては私がお答えしましょう。ただ今、学さんと結衣さんはどちらともレベルが265です。ちなみにドーレさんと戦った時は195だったそうです。」
そこで初めて少し序列が5位以下の幹部がざわついた。ドーレも腕を組み目を閉じて戦いを思い出していた。
そこに序列3位のバレージという幹部の男が話した。
「しかしこう言ってはなんだが、厄介なのは2人になった時だけなのだろドーレ?」
ドーレの報告を聞いたことがあるバレージはドーレにそう確認した。
「ああ・・・。一人一人なら大した問題はない。だが2人になると連携を取り始め厄介になった。それに少しステータスも上がったような気がする。」
「ということは・・・だ、もし殺すのなら2人が離れた瞬間にするのがベストだろう。」
そこまで言ったバレージに頭から拳が振り落とされた。拳の正体は魔王のものでため息を吐いていた。
「そういうことを言おうとしていたんじゃない。前にあちらから交渉してきたのはお互いが基本的に関わり合わないというものだった。それを飲もうかと思っている。今の私たちには彼らを敵に回さないというメリットがある。」
今までの話を聞き、異議を申し立てる人はいなかった。それを肯定と受け取った魔王はフーベルに指示を出した。
「あの兄妹にこの前の交渉について話があるとダンジョンをクリアした後伝えに言ってくれ。日程はあっちに合わせる。」
「かしこまりました。そのように伝えておきます。」
「ではこれで一度会議を終了する。解散していいぞ。」
その言葉が最後となり、一人また一人とりと部屋を出て行った。
同時刻ダンジョン7階
「戻ってきたよ〜。」
沢辺が軽右手を挙げた先にいたのは一人の男だった。
「お帰り。どうだった?」
「まあまあって感じだね。同じくらい。」
沢辺は学と結衣の強さの確認にきただけだったのだ。ダンジョンに学たちがいたのは全くの偶然ではあったが。
「あ、それと邪魔はしないって。」
「そんなら大丈夫だ。計画はこのまま続行することにするぞ。」
「相変わらずのゲスな発想・・・。」
「何を言ってるんだよ沢辺?こんなに面白いことはないぞ。どちらが勝っても負けても世界は変わる。その瞬間を見るのができるなんて面白いだろ?」
そう言って笑うのだった。沢辺はため息をついて目の前に現れた魔物を倒すのだった。
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以下作者のコメント
まずは報告を。
更新ペースが遅くなるのと内容の量が減ることです。例外もあるかもしれませんがそういう事が多くなると思います。
理由は・・・まあ私事なんですが春期講習が始まる事ですね。受験生ということもあり授業時間も長く、書く時間が少ない事が原因です。僕を恨まないでください。塾を恨んでください。僕も恨んでます。
あ、あとこの後減るかもしれませんが一応800人になりました。有難う御座います。m(_ _)m
いいね数も順調に増えていって・・・学校の授業中に考えていたものなのに・・・。
ネーミングセンスは勘弁してください。
ちょっと幹部が増えてきたので僕の確認も踏まえて・・・
序列3位・・・バレージ
序列4位・・・ドーレ
序列6位・・・フーベル
序列7位・・・ゼゼル
序列11位・・・ヘールン
序列12位・・・テール
序列15位・・・フバード
序列16位・・・ラジック
ああ・・・ネーミングセンスが・・・。なにか抜けてたら教えてください。はっきり言って見落としてる可能性があるので。こういう時ぶっつけの話にしてると後悔するんですよね。
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さらだ
流石にそこまでやる気はないのでw
田中 凪
受験勉強ばっかやって気を狂わせたり体調を崩さないことを祈っておきます(クラスでそんなことがあったので…)
さらだ
勉強嫌だぁぁぁぁ。