妹はこの世界でただ一人の味方
ホワイトデー
3月13日ーー夜
お返しをどうするか・・・。普通にケーキを作るのでもいいんだけど、月一で作ってるんだよな・・・。かと言ってアクセサリーとかも結衣はつけないんだよな・・・。難しいな・・・。
「すいません。少しお時間いただいてもいいですか?」
考え事をしていた学の部屋に結衣が入って来て、そう言ってきた。学は結衣とリビングに行き、お茶を入れた。
「で、どうしたんだ?」
結衣はお茶を一口飲んで言った。
「随分と悩んでたようですけど、もし明日のホワイトデーのお返しでしたらいりませんから。」
心が読まれてた・・・。流石は結衣といったところだな・・・。
「でも風習として返すべきだろ。」
「いりません。あんなクッキーでお返しをもらうほどいいものではありませんでしたし。」
そう言って再び結衣はお茶を飲んだ。
友人や家族にこう聞いてみてほしい。
ある日父親と母親が死んで、兄と妹だけが残された。
兄は高校生で、妹は中学生だった。
あなたは妹の立場である。
「何か欲しいものがあるか?」
と聞かれた時に、「◯◯が欲しい」と言えるだろうか?
否、殆どの人は言えないだろう。生活がかかっているのだから。
学もお茶を一口飲んだ。
まあそういうことで、結衣が何もいらないと言うことは予想できたんだがな・・・。最悪ケーキにすればいいか。
3月14日 ホワイトデー
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。気をつけていけよ。これも持ってけ。超お手頃スタンーー。」
全て言い終わる前に結衣は学校に出発した。学は超お手頃スタンガン(笑)を棚にしまうとケーキを作り始めた。
作り始めてから2時間後。ケーキに飾るロウソクや、ホイップクリームを買いにスーパーに行った。そこで見たのは花見のコーナー。
それを学が見てある事を思いついた。
17:10
「ただ今帰りました。」
「お帰り結衣。悪いけど時間あるか?」
「別に構いませんが・・・時間はどれくらいですか?」
「1時間前後でいいか?」
結衣は了承すると、自分の部屋に戻った。
それからきっちり1時間後に部屋から出てきた。
学は結衣と一緒に駅に行くと20分程度の駅まで電車で移動した。
さらにそこから15分ほど歩いて目的の場所についた。
そこに広がるのは河津桜と呼ばれる桜だった。満開の時期でチラホラと桜を見ている人がいた。
「どうだ? 夜の景色とあってて綺麗だと思わないか?」
「そうですね・・・。とっても綺麗です。」
桜の花言葉には「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡白」がある。結衣にはぴったしだ。それに結衣はもちろんのこと桜も綺麗だからな。
「結衣は桜の花言葉を知ってるのか?」
「いいえ・・・なんなんですか?」
学は一瞬躊躇した後、それを黙っとくことにした。
「さぁ・・・なんだろうな・・・。」
「意地悪ですね・・・。」
学たちはしばらく月が出ている夜景と桜を見てた。
不意に風が吹いて、二人の髪が風に乗って揺れた。それに合わせるように桜の花びらも少しだけ散った。
その景色を見て学は通行人を呼び止めた。
「あ、すいません。少しいいですか?」
人の良さそうなお爺さんは学の呼びかけに応じて足を止めた。
「どうしたんだい?」
「ちょっと写真撮ってもらっていいですか?」
学がそう言うと結衣は反対してきた。
「私は反対です。どうしても撮るのならお一人でお願いします。」
そう言って離れようとする結衣の手を学は掴んで逃がそうとしなかった。
「すいません。お願いできますか?」
そのお爺さんは快く快諾してくれた。
「任せて起きなさい。せっかくなんだし彼氏彼女同士くっついたらどうだい?」
そのお爺さんは笑いながらそう言った。学は結衣の耳元で話した。
「俺彼氏だって。結衣は彼女。そんな風に見られてるんだな。」
結衣はボッ!っと赤くなった。学は面白くなって結衣の背中から抱きついた。結衣の右肩に顔をせるようにすると、結衣は学に何かを言うことも出来ず、縮こまった。
その隙を逃さんとばかりのお爺さんはシャッターを切った。
その写真だが、学はもちろん笑顔だった。結衣も恥ずかしそうに少しだけ笑っていた。
その日の夜に新しく写真が飾られる事になったらしい。
夜
学が朝に作ったケーキを二人で食べていた。ケーキはショートケーキだ。
「・・・あの写真はどう思う?」
先ほど撮った写真の感想を学は結衣に聞いた。
「今すぐ捨てたいです。」
結衣はケーキを淡々と食べながらそう言った。
「本当に結衣が嫌だったら捨てていいぞ。わざわざ不快な気分になるものは置きたくないし。」
そう学が言うと結衣は少し焦ったように弁解を始める。
「い、いえ・・・別にそう言うわけじゃないんです。」
「じゃあどう言うことなの? 嫌なんでしょ? 捨てない・・・ああ。じゃあ俺が捨てておくよ。」
学は少しいじめてみようと思いそう言った。席を立って、写真を捨てようと手を伸ばした。がーー、その手は結衣に掴まれた。
「どうしたんだよ結衣。いらないだろ?」
「・・・っ・・・置いといて下さい。」
「え? なんで? 結衣がいらないって言ったんじゃん。それなりの理由はあるんだよな?」
学がそう言うと結衣は黙り込んでしまった。
学はもう一度写真に手を伸ばしたが、またもや結衣に掴まれてしまう。懲りずにもう一度すると、結衣もそれに応じて掴んだ。
学は結衣の頭を撫でた。
「いるならいるって言えよ。ただ・・・ちょっと俺も悪かったな。つい結衣をいじめたくなちゃって。」
学がもう捨てないと遠回しに言うと結衣はトボトボとテーブルに戻り、ケーキを食べ始めた。
学は最後に気になってたことを結衣に聞いた。
「なぁ結衣。しっかりと俺はバレンタインのお返しができたか?」
結衣は間を空ける事なく言った。
「もちろんです。」
と。
--------------------------------------------
以下作者のコメント
なんかフォロー数が700になってますね。どう言う事でしょうか?ドッキリですか?
有難う御座います。595あたりで停滞してたんですけど、なぜか増えましたね。
最近本編をほったらかしてる様な・・・気のせいですね。
チョコを貰った人は今日なにを返しましたか?
もともとホワイトデーはマシュマロデーと言われてたそうですよ。ダサいですね。
最後に1つだけ・・・。
もっと二人をイチャつかせたかった・・・。
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お返しをどうするか・・・。普通にケーキを作るのでもいいんだけど、月一で作ってるんだよな・・・。かと言ってアクセサリーとかも結衣はつけないんだよな・・・。難しいな・・・。
「すいません。少しお時間いただいてもいいですか?」
考え事をしていた学の部屋に結衣が入って来て、そう言ってきた。学は結衣とリビングに行き、お茶を入れた。
「で、どうしたんだ?」
結衣はお茶を一口飲んで言った。
「随分と悩んでたようですけど、もし明日のホワイトデーのお返しでしたらいりませんから。」
心が読まれてた・・・。流石は結衣といったところだな・・・。
「でも風習として返すべきだろ。」
「いりません。あんなクッキーでお返しをもらうほどいいものではありませんでしたし。」
そう言って再び結衣はお茶を飲んだ。
友人や家族にこう聞いてみてほしい。
ある日父親と母親が死んで、兄と妹だけが残された。
兄は高校生で、妹は中学生だった。
あなたは妹の立場である。
「何か欲しいものがあるか?」
と聞かれた時に、「◯◯が欲しい」と言えるだろうか?
否、殆どの人は言えないだろう。生活がかかっているのだから。
学もお茶を一口飲んだ。
まあそういうことで、結衣が何もいらないと言うことは予想できたんだがな・・・。最悪ケーキにすればいいか。
3月14日 ホワイトデー
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。気をつけていけよ。これも持ってけ。超お手頃スタンーー。」
全て言い終わる前に結衣は学校に出発した。学は超お手頃スタンガン(笑)を棚にしまうとケーキを作り始めた。
作り始めてから2時間後。ケーキに飾るロウソクや、ホイップクリームを買いにスーパーに行った。そこで見たのは花見のコーナー。
それを学が見てある事を思いついた。
17:10
「ただ今帰りました。」
「お帰り結衣。悪いけど時間あるか?」
「別に構いませんが・・・時間はどれくらいですか?」
「1時間前後でいいか?」
結衣は了承すると、自分の部屋に戻った。
それからきっちり1時間後に部屋から出てきた。
学は結衣と一緒に駅に行くと20分程度の駅まで電車で移動した。
さらにそこから15分ほど歩いて目的の場所についた。
そこに広がるのは河津桜と呼ばれる桜だった。満開の時期でチラホラと桜を見ている人がいた。
「どうだ? 夜の景色とあってて綺麗だと思わないか?」
「そうですね・・・。とっても綺麗です。」
桜の花言葉には「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡白」がある。結衣にはぴったしだ。それに結衣はもちろんのこと桜も綺麗だからな。
「結衣は桜の花言葉を知ってるのか?」
「いいえ・・・なんなんですか?」
学は一瞬躊躇した後、それを黙っとくことにした。
「さぁ・・・なんだろうな・・・。」
「意地悪ですね・・・。」
学たちはしばらく月が出ている夜景と桜を見てた。
不意に風が吹いて、二人の髪が風に乗って揺れた。それに合わせるように桜の花びらも少しだけ散った。
その景色を見て学は通行人を呼び止めた。
「あ、すいません。少しいいですか?」
人の良さそうなお爺さんは学の呼びかけに応じて足を止めた。
「どうしたんだい?」
「ちょっと写真撮ってもらっていいですか?」
学がそう言うと結衣は反対してきた。
「私は反対です。どうしても撮るのならお一人でお願いします。」
そう言って離れようとする結衣の手を学は掴んで逃がそうとしなかった。
「すいません。お願いできますか?」
そのお爺さんは快く快諾してくれた。
「任せて起きなさい。せっかくなんだし彼氏彼女同士くっついたらどうだい?」
そのお爺さんは笑いながらそう言った。学は結衣の耳元で話した。
「俺彼氏だって。結衣は彼女。そんな風に見られてるんだな。」
結衣はボッ!っと赤くなった。学は面白くなって結衣の背中から抱きついた。結衣の右肩に顔をせるようにすると、結衣は学に何かを言うことも出来ず、縮こまった。
その隙を逃さんとばかりのお爺さんはシャッターを切った。
その写真だが、学はもちろん笑顔だった。結衣も恥ずかしそうに少しだけ笑っていた。
その日の夜に新しく写真が飾られる事になったらしい。
夜
学が朝に作ったケーキを二人で食べていた。ケーキはショートケーキだ。
「・・・あの写真はどう思う?」
先ほど撮った写真の感想を学は結衣に聞いた。
「今すぐ捨てたいです。」
結衣はケーキを淡々と食べながらそう言った。
「本当に結衣が嫌だったら捨てていいぞ。わざわざ不快な気分になるものは置きたくないし。」
そう学が言うと結衣は少し焦ったように弁解を始める。
「い、いえ・・・別にそう言うわけじゃないんです。」
「じゃあどう言うことなの? 嫌なんでしょ? 捨てない・・・ああ。じゃあ俺が捨てておくよ。」
学は少しいじめてみようと思いそう言った。席を立って、写真を捨てようと手を伸ばした。がーー、その手は結衣に掴まれた。
「どうしたんだよ結衣。いらないだろ?」
「・・・っ・・・置いといて下さい。」
「え? なんで? 結衣がいらないって言ったんじゃん。それなりの理由はあるんだよな?」
学がそう言うと結衣は黙り込んでしまった。
学はもう一度写真に手を伸ばしたが、またもや結衣に掴まれてしまう。懲りずにもう一度すると、結衣もそれに応じて掴んだ。
学は結衣の頭を撫でた。
「いるならいるって言えよ。ただ・・・ちょっと俺も悪かったな。つい結衣をいじめたくなちゃって。」
学がもう捨てないと遠回しに言うと結衣はトボトボとテーブルに戻り、ケーキを食べ始めた。
学は最後に気になってたことを結衣に聞いた。
「なぁ結衣。しっかりと俺はバレンタインのお返しができたか?」
結衣は間を空ける事なく言った。
「もちろんです。」
と。
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以下作者のコメント
なんかフォロー数が700になってますね。どう言う事でしょうか?ドッキリですか?
有難う御座います。595あたりで停滞してたんですけど、なぜか増えましたね。
最近本編をほったらかしてる様な・・・気のせいですね。
チョコを貰った人は今日なにを返しましたか?
もともとホワイトデーはマシュマロデーと言われてたそうですよ。ダサいですね。
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コメント
さらだ
ちょっと絵文字の勉強してきます笑笑
YUKI.N
懸命に書いてた東方の絵文字的なやつです
(`・ω・´)ドヤァ
さらだ
面白い話が書けてたら何よりです。
そして一部解読不可能でした。ごめんなさい。
YUKI.N
続きが楽しみ(*^^*)
待ってます
`《 ̄>―――< ̄》
ヒ/=- -=\ソヽ
/ /ノメイ人レ∠ルヽヽ|
レY|(ヒO ヒO)|| ||
目 ゙゙ヽフ ゙゙目)||
|人 || リ
|ノル>ー―-<リルノ
さらだ
すいません笑