妹はこの世界でただ一人の味方
雪玉(石入り)
早朝に降った雪が積もり防寒着が必要になるほど冷え込んだ。結構寒い。
けれど今日は家に戻る日でもある。しっかりと宿にお金を払い、街を出た。
ちなみに今はコートを羽織り、同じ色のマフラーを巻いている。色は赤だ。それでも息は白く冷えていることが分かる。
手には貼らないカイロ。そして背中には貼るカイロをつけている。
「寒い・・・。」
「そんな事言ったってどうしようもないよ・・・。身体強化を使って早く家に帰るのじゃダメなの?」
「それでもいいんだけど寒いじゃん。走る時の風とか。」 
どうでもいいことかもしれないが、今も雪が降っていて多分40cmくらい積もっている。
「あ、お兄ちゃん。私も寒いからさ、少し運動しようよ。」
「運動? 何をするんだ?」
あまり走るのとかは遠慮したいんだが・・・。結衣が選んだものなら何でもいいか。
「雪合戦。」
「・・・もう一度いいか?」
「雪合戦。」
雪合戦か・・・。一見遊びのように見えるけれどしっかりと国際ルールまである奥の深いあれか。手袋もしてるし大丈夫か・・・。
「よし。じゃあやろうか。」
「うん。じゃあルールは顔に当たったら負けね。魔法はあり。だけど中級まで。・・・これでいい?」
「随分と細かく決めるんだな・・・。まあそれでいいよ。」
一旦学たちは20mほど離れた。そしてお互いに向き合い手に一個の雪玉を持った。どちらかが投げたら開始の合図だ。
雪合戦・・・するのは初めてだな。顔に当てなくちゃいけないのならそのまま顔につけるようにしておいたほうがいいな。怪我をさせたら危ないし。
最初に投げてきたのは結衣だった。ゆっくり投げたために雪玉は遅かった。それに当たらないように学もゆっくり投げた。ぶつかり合い、雪玉は空中でなくなった。
学が結衣の方を見るとすでにその場にいなかった。すると後ろから雪を踏み込んだ音が聞こえ、学が後ろを向くと先ほどとは違いとても速いスピードで雪玉が迫ってきた。
詠唱が間に合わないと分かり学は雪玉を殴った。
しかし雪とは違う感覚があった。ゴツン! という音がして学の手からは血が流れた。
「え・・・?」
学の額から冷や汗が出てきた。チラリと結衣の方を見てみると身体強化を使い雪玉を作り空に投げ火の魔法で雪を溶かし石を持ち落ちてきた雪玉に入れていた。
「結衣・・・。石入ってるんだけど。」
「え? 当然でしょ。お兄ちゃんが私の許可なしに他の女と目を合わせた回数合計で28回。その分は当てないと・・・。」
え、怖・・・。てゆーかそんなことで。
「まあ落ち着け結衣。だいたい他の女に興味なんて・・・話してる・・・最中に・・・投げるの・・・は、やめろよ。」
全く聞く耳を持たないな。さっさと決着をつけたほうがいいのか。
「ふぅ・・・身体強化。」
これ使わないといずれ当たりそうだったからな。仕方がないんだ。かといって当てる気もないからな。しばらくは守りに専念しようか。結衣の身体強化が切れたら顔に当てればいいか。
「ふふ・・・お兄ちゃん避けないでよ。昔よく教えてくれたじゃん。約束を破ったらダメだって・・・。今お兄ちゃんは約束を破ったんだから罰を受けるべきなんだよ・・・。ねぇ・・・ねぇ・・・聞いてる? 聞いてるならさっさと当たってよ!」
なんて事を言うんだ・・・。石があったったら痛いのに。まあレベルも上がって結構耐久力もあると思うから大事には至らないと思うけど。
学は結衣が怒鳴って投げた雪玉(石入り)を避けるとどうやって機嫌をなだめようか考えていた。すでに説得が無理なのは気づいていた。(結衣が聞く耳を持たなかっただけだが)
そんな時地面が揺れ始めた。思わず結衣も雪玉を投げるのをやめるほど大きなものだった。
すぐに学は結衣のところに駆け出して周囲を警戒した。
また厄介ごとになりそうだな。出来るだけひっそりと平和に暮らしたいんだが、そんな望みは聞いてくれないのか。
5秒ほどすると揺れは収まった。しかし地面から蛇のような魔物が現れた。
・・・体長はおよそ4mくらいか? 少しでかいな。
名前 ストーンスネーク
レベル 87
HP 104290/104290
MP 2090/2090
ATK 20890
DEF 40280
スキル
硬化 
名前の通り石みたいなやつだな。それに防御力が少し高めか・・・。硬化は今の状態なのか、それともさらに硬化できるのかは分からないな。
なんにせよそれだけ注意しておけばいいか。
「結衣。とりあえず一旦雪合戦は置いておくぞ。まずはこいつが最初だ。」
「わかってるよお兄ちゃん。邪魔をしたんだから死んでもらわないと。」
そういうとすぐに結衣は魔物のところに走りに行き殴った。さらに追い討ちとして蹴りも入れた。
蹴りの強さが凄かったせいで魔物は少し離れたところまで飛んだ。
「シャァァァァァァァ!!」
結衣を敵と認識した魔物は口を開きながら向かってきた。すると学が
「ガラ空きだ。」
すかさずエアガンを魔物の口の中に撃った。魔物が口を開けた瞬間中までは硬化されてなかったのを見抜き撃ったのだ。
エアガンの弾は魔物の口に入り撃ち抜いた。血が舞い、結衣を飲み込もうとした口は軌道を変えた。そしてそのまま街の方へ逃げて行った。
学たちはそれをーーーー追わなかった。
「逃げちゃったけど別に追いかけなくていいよな?」
「本当は殺したいところだけど・・・あの硬さは面倒くさいしそれでいいよ。」
俺たちは正義のヒーローじゃない。他の人がどうなろうが別になんとも思わない。それにたかだかレベル87くらい大した敵じゃないから街の冒険者が勝手に倒すだろ。
「さあお兄ちゃん続けようぶわぁ!」
早速続けようとする結衣だったが学に肩を掴まれ抱きしめるようにされた後顔に雪玉をつけられた。もちろん石は入ってない。
「俺の勝ちだな。」
「うぅぅ・・・お兄ちゃんが悪いのにぃ・・・ばかぁ・・・。」
結衣はその場で座り込み固めないまま雪を投げた。それは学の顔に当たった。
「はいはい。俺が悪かったよ。だから泣かないで家帰ろう。」
これはこれで可愛いんだけど流石に冷えるだろう。体はあったかくなったけど座り込んだらまた冷えちゃうからな。
けれど立たないで泣いている結衣を見て学はどうするか考えた。その結果抱いて帰ることにした。
赤ちゃんみたいに結衣のお尻を腕に乗せて顔が肩にくるようにした。
いつもだったら暴れたり何かしら言う結衣なのだが今回は何も言わなかった。不思議に思った学だったが特に気にする事もなくそのまま森に行くのだった。
--------------------------------------------
以下作者のコメント
少し間が空いてすいませんでした。無事スキー教室も終わりました。初めてだったのですが、なんとか3日で少し滑れるようになりました。
毎回話を書いているとカラカラを忘れてしまうんですよ。やばいですね。自分の作品なのに登場人物(?)を忘れてしまうなんて。
僕の班にものすごくスキーのセンスがない人がいて背中から滑るんです。結構驚きましたね。案の定転んでましたが。あれって転ぶと中々立てなくて大変なんですよ。上手い人はすぐに立てるみたいですが。
それではまた次回
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けれど今日は家に戻る日でもある。しっかりと宿にお金を払い、街を出た。
ちなみに今はコートを羽織り、同じ色のマフラーを巻いている。色は赤だ。それでも息は白く冷えていることが分かる。
手には貼らないカイロ。そして背中には貼るカイロをつけている。
「寒い・・・。」
「そんな事言ったってどうしようもないよ・・・。身体強化を使って早く家に帰るのじゃダメなの?」
「それでもいいんだけど寒いじゃん。走る時の風とか。」 
どうでもいいことかもしれないが、今も雪が降っていて多分40cmくらい積もっている。
「あ、お兄ちゃん。私も寒いからさ、少し運動しようよ。」
「運動? 何をするんだ?」
あまり走るのとかは遠慮したいんだが・・・。結衣が選んだものなら何でもいいか。
「雪合戦。」
「・・・もう一度いいか?」
「雪合戦。」
雪合戦か・・・。一見遊びのように見えるけれどしっかりと国際ルールまである奥の深いあれか。手袋もしてるし大丈夫か・・・。
「よし。じゃあやろうか。」
「うん。じゃあルールは顔に当たったら負けね。魔法はあり。だけど中級まで。・・・これでいい?」
「随分と細かく決めるんだな・・・。まあそれでいいよ。」
一旦学たちは20mほど離れた。そしてお互いに向き合い手に一個の雪玉を持った。どちらかが投げたら開始の合図だ。
雪合戦・・・するのは初めてだな。顔に当てなくちゃいけないのならそのまま顔につけるようにしておいたほうがいいな。怪我をさせたら危ないし。
最初に投げてきたのは結衣だった。ゆっくり投げたために雪玉は遅かった。それに当たらないように学もゆっくり投げた。ぶつかり合い、雪玉は空中でなくなった。
学が結衣の方を見るとすでにその場にいなかった。すると後ろから雪を踏み込んだ音が聞こえ、学が後ろを向くと先ほどとは違いとても速いスピードで雪玉が迫ってきた。
詠唱が間に合わないと分かり学は雪玉を殴った。
しかし雪とは違う感覚があった。ゴツン! という音がして学の手からは血が流れた。
「え・・・?」
学の額から冷や汗が出てきた。チラリと結衣の方を見てみると身体強化を使い雪玉を作り空に投げ火の魔法で雪を溶かし石を持ち落ちてきた雪玉に入れていた。
「結衣・・・。石入ってるんだけど。」
「え? 当然でしょ。お兄ちゃんが私の許可なしに他の女と目を合わせた回数合計で28回。その分は当てないと・・・。」
え、怖・・・。てゆーかそんなことで。
「まあ落ち着け結衣。だいたい他の女に興味なんて・・・話してる・・・最中に・・・投げるの・・・は、やめろよ。」
全く聞く耳を持たないな。さっさと決着をつけたほうがいいのか。
「ふぅ・・・身体強化。」
これ使わないといずれ当たりそうだったからな。仕方がないんだ。かといって当てる気もないからな。しばらくは守りに専念しようか。結衣の身体強化が切れたら顔に当てればいいか。
「ふふ・・・お兄ちゃん避けないでよ。昔よく教えてくれたじゃん。約束を破ったらダメだって・・・。今お兄ちゃんは約束を破ったんだから罰を受けるべきなんだよ・・・。ねぇ・・・ねぇ・・・聞いてる? 聞いてるならさっさと当たってよ!」
なんて事を言うんだ・・・。石があったったら痛いのに。まあレベルも上がって結構耐久力もあると思うから大事には至らないと思うけど。
学は結衣が怒鳴って投げた雪玉(石入り)を避けるとどうやって機嫌をなだめようか考えていた。すでに説得が無理なのは気づいていた。(結衣が聞く耳を持たなかっただけだが)
そんな時地面が揺れ始めた。思わず結衣も雪玉を投げるのをやめるほど大きなものだった。
すぐに学は結衣のところに駆け出して周囲を警戒した。
また厄介ごとになりそうだな。出来るだけひっそりと平和に暮らしたいんだが、そんな望みは聞いてくれないのか。
5秒ほどすると揺れは収まった。しかし地面から蛇のような魔物が現れた。
・・・体長はおよそ4mくらいか? 少しでかいな。
名前 ストーンスネーク
レベル 87
HP 104290/104290
MP 2090/2090
ATK 20890
DEF 40280
スキル
硬化 
名前の通り石みたいなやつだな。それに防御力が少し高めか・・・。硬化は今の状態なのか、それともさらに硬化できるのかは分からないな。
なんにせよそれだけ注意しておけばいいか。
「結衣。とりあえず一旦雪合戦は置いておくぞ。まずはこいつが最初だ。」
「わかってるよお兄ちゃん。邪魔をしたんだから死んでもらわないと。」
そういうとすぐに結衣は魔物のところに走りに行き殴った。さらに追い討ちとして蹴りも入れた。
蹴りの強さが凄かったせいで魔物は少し離れたところまで飛んだ。
「シャァァァァァァァ!!」
結衣を敵と認識した魔物は口を開きながら向かってきた。すると学が
「ガラ空きだ。」
すかさずエアガンを魔物の口の中に撃った。魔物が口を開けた瞬間中までは硬化されてなかったのを見抜き撃ったのだ。
エアガンの弾は魔物の口に入り撃ち抜いた。血が舞い、結衣を飲み込もうとした口は軌道を変えた。そしてそのまま街の方へ逃げて行った。
学たちはそれをーーーー追わなかった。
「逃げちゃったけど別に追いかけなくていいよな?」
「本当は殺したいところだけど・・・あの硬さは面倒くさいしそれでいいよ。」
俺たちは正義のヒーローじゃない。他の人がどうなろうが別になんとも思わない。それにたかだかレベル87くらい大した敵じゃないから街の冒険者が勝手に倒すだろ。
「さあお兄ちゃん続けようぶわぁ!」
早速続けようとする結衣だったが学に肩を掴まれ抱きしめるようにされた後顔に雪玉をつけられた。もちろん石は入ってない。
「俺の勝ちだな。」
「うぅぅ・・・お兄ちゃんが悪いのにぃ・・・ばかぁ・・・。」
結衣はその場で座り込み固めないまま雪を投げた。それは学の顔に当たった。
「はいはい。俺が悪かったよ。だから泣かないで家帰ろう。」
これはこれで可愛いんだけど流石に冷えるだろう。体はあったかくなったけど座り込んだらまた冷えちゃうからな。
けれど立たないで泣いている結衣を見て学はどうするか考えた。その結果抱いて帰ることにした。
赤ちゃんみたいに結衣のお尻を腕に乗せて顔が肩にくるようにした。
いつもだったら暴れたり何かしら言う結衣なのだが今回は何も言わなかった。不思議に思った学だったが特に気にする事もなくそのまま森に行くのだった。
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少し間が空いてすいませんでした。無事スキー教室も終わりました。初めてだったのですが、なんとか3日で少し滑れるようになりました。
毎回話を書いているとカラカラを忘れてしまうんですよ。やばいですね。自分の作品なのに登場人物(?)を忘れてしまうなんて。
僕の班にものすごくスキーのセンスがない人がいて背中から滑るんです。結構驚きましたね。案の定転んでましたが。あれって転ぶと中々立てなくて大変なんですよ。上手い人はすぐに立てるみたいですが。
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コメント
さらだ
おお!うまい!笑
ちょっと二次元が好きです
スキーは滑れても物語は滑らないですね笑笑
さらだ
検定お疲れ様でした。今回は結果がそぐわなかったみたいですが気を落とさないでください。それほど難しい競技なので滑れるだけすごいですよ。
是非これからも宜しくお願いします。
たーくん
スキー教室お疲れ様でした。
私もスキー・スノボー合宿に行きましたが検定に落ちて少し不機嫌でした。でも今回の話を読んで気が付いたら機嫌が直っていました。
さらだ
慣れれば簡単なんですけど、そこまでが難しかったですね。