妹はこの世界でただ一人の味方

サラダアブラ

1と2の違い

「いや〜意外と骨折ってすぐ治るものなんだな。」

「普通はそんなにすぐ治らないよお兄ちゃん。」

なんか勘違いをしてたみたいだな。傷は治せるけど、内部の怪我は治せないのが回復魔法だと思ってたのに、普通に治せたんだ。スキルを見返してたら思い出した。

「怪我が早く治るのに越したことはないですよ。結衣さんも心配していたじゃないですか。」

「・・・それは・・・そうだけど。」

照れてる結衣なんて珍しいな。

「ギルドに依頼完了の報告も済ませたし、どこかでご飯でも食べていくか?」

俺はあの戦いの後で食欲が無いんだが、結衣たちが食べたかったらそれを阻止するのは悪いからな。

「・・・私はいいや。お兄ちゃんが食べたかったら食べてていいよ。私は少し休んでおきたいな。」

「すみませんが僕も。戦った後に食べるのは遠慮しておきたいです。」

みんな同じ考えだったか。ならどうするか決まっている。

「早く宿に帰って休もうか。」

2人とも賛同してくれた。そしてまだ寝るのには早い時間帯だったが寝た。・・・俺以外は。

学は宿の裏にある小さな水飲み場に行った。そこで胃の中のものを吐き出していた。

「はぁ・・・はぁ・・・。こんなんじゃダメだ。もっと・・・もっと強くならないと何も守れない。自分の命も・・・そしてなにより大事な結衣の命も。」

そこで悩んでいた学だったが、しばらくすると部屋に戻って行くのだった。



ー夜中ー
結衣が目を覚ますと、寝る前まで隣にいた学の姿が無いことに気がついた。慌てた結衣だったが、床に毛布を敷いて寝ている学を見て少し安堵したのと同時に不機嫌にもなった。

あんなに床で寝ないでって言ったのに。まったく・・・。なら私も床で寝ようっと。

床に降りた結衣はベッドにあった毛布を持ち、学にかかってた毛布の中に入った。そして自分が持ってた毛布を上からかけた。

あったかいなぁ・・・。すごくあったかい。あの時・・・戦ってた時のお兄ちゃんの言葉は昔私に言ってくれたことと同じだったな・・・。





まだ結衣が小学生の頃そしてまだ結衣がいじめを辛いと思っていた時

あの時だったなぁ。物を隠され、殴られていた日々。隠していたつもりなのにお兄ちゃんにはすぐに気づかれちゃったな。

「結衣。お前誰かにいじめられるとか、暴力的な行為をされてるのか?」

「いいえ・・・。」

「・・・ふーん。なあ結衣。少し話をしようか。・・・ある所に兄妹がいました。妹はいじめられ、それを隠していました。ところが兄はそれに気がつき妹に問い詰めましたが否定されどうすることも出来ませんでした。」

その時の私は話をどう思って聞いてたのかな? きっと何言ってるんだろう?って感じだったんだろうな。

「ここで結衣に質問だ。この妹はこの後どうなったでしょうか?」

「・・・分かりませんよそんな事。」

「答えはいじめられて心の傷をただ1人で誰にも話さずに抑え込む。そしてそれは人を信じることのできない人間の完成だ。」

「でも・・・それはあくまで予想。必ずそうなるとは限りませんよね?」

「ああそうだな。でも、可能性があるのなら早めに潰すべきだ。」

「・・・・・・。」

「あと2つだけ質問するぞ。さっきの妹だが、兄に助けを求めたら助かってたと思うか?」

「助かりません。」

「理由は?」

「兄といっても所詮はまだ私と同じ小学生です。小学生6年生が2年生のいじめを止められるわけがありません。」

「なるほど。しっかりと考えは持っているようだな。・・・だけどな結衣。俺は一言も兄妹が小学生だなんて言ってないぞ。誰と連想したんだ?」

「っ...!」

「まあそれは一回置いておこう。だけど、結衣のその考えは間違いだ。1人と2人は違うんだ。」

「少なくとも妹は無力です。なので1人も2人も変わりません。結果は同じです。」

「いいや、1と2は違う。自分が無力だと思っていても、それはあくまで自分で見ているだけの世界。他の人から見たら助かっている現実もあるんだ。だけど、それに妹は気づいていない。ただそれだけのことだ。」

「・・・そうですか。私には理解ができないですね。」

「まあ考え方は人それぞれだしな。じゃあ最期の質問。今までの話を聞いてもう一度問おう。結衣はいじめ、もしくはそれに等しい行為をされているのか? 」

「何度も言いますがされてません。」

「・・・・・・そうか。まあもしされる事があったら頼ってよ。せっかく同じ小学校なんだしさ。」

「ありがとうございます。それでは宿題がありますので。」

そう言い結衣はその場を後にした。それを見送った学はパソコンを使いある物を買った。
そして次の日の夕方
またもやいじめられて帰ってきた結衣を待っていたのはその家の少し年をとった従業員だった。昔学たちのお父さんが生きているときはこうして専属の人が来てくれる事が多かったので特に何も感じなかった。

「おや、結衣ちゃん。こんにちは」

老人は帰ってきた結衣を笑顔で迎えた。

「こんにちは。お久しぶりですね。」

「半年ぶりくらいかな?時が経つのは早いもんだね。」

「ところで今日はどうしてここに?確か点検日はまだ先のはずだったと思うんですが。」

「学くんが呼んだからね。急いできたんだよ?」

結衣が話を詳しく聞くと印刷機を使いたいから点検してほしいとの事らしい。今は印刷室にいると聞き、結衣は向かった。

「あ、おかえり結衣。」

「ただいま帰りました。・・・ところで何をなさってるんですか?」

「んーっと・・・2の重要さを教えるための準備?」

「自分も分かってないんですか?」

「まあね。やりたいことをする。それだけだから。あと500枚くらい印刷しないといけないから大変なんだよ。」

「じゃあ私も手伝いますね。」

「あ、いや大丈夫だよ。というか今回は手伝わないで。」

「・・・分かりました。」

そう言い残し結衣は部屋に戻ってった。

そして次の日
全校集会でビデオを流す日だった。上級生は毎年見ているものなので退屈しているようにしか見えなかったが、学だけは違ったようだ。
そのビデオに流れたのは結衣をいじめている一部始終を撮った動画だった。教師たちも呆然とし、すぐに止めることはなかった。その後も全校生徒の机にその光景の写真が入ってあったという。

その日からいじめてた人は学校に来なくなった。


結衣が家に帰ると学はキッチンでケーキを作ってた。

「お帰り結衣。今日のビデオ面白かったな。」

「そうですね。」

そこで一旦2人の会話は途切れた。そして学がケーキが完成したのを確認し、結衣に話しかけた。

「結衣。ケーキいる?」

「ぜひお願いします。」

学は2人分の皿とお茶を用意して無言で食べ始めた。そして学が結衣に問いかけた。

「あのビデオには結衣がいじめられているのが映ってた。・・・嘘をついてたことになるな。」

学は極めて冷静な声で聞いた。

「友達同士のじゃれあいですよ。」

そこからは本当に無言になり、先に食べ終わった学が部屋に戻っていった。その1分後には結衣も食べ終わり、部屋に戻ってった。


単なる偶然か。それとも何かの前触れか。それは誰にも分からないが、この日の夜2人が同じ夢を見たことは誰も知らない。
そして朝学が起きると隣に結衣が寝ていて驚いたのはいうまでもない。


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以下作者のコメント
なんか違う。書きたかったのと何かが違う。そう思いながらも待たせてはいけないと思いチャッチャッと書いてしまった作者です。

最近思ったんですが、コメント数多くないですか?返しているのもあるのかもしれませんが。それでも友人に多いと言われハッとしました。

・・・ほかに書く事がないんですけど、新しい話でも書こうかなぁと思い始めています。まだ書いていませんが。その時はどうぞよろしくお願いします。


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コメント

  • サラダアブラ

    有難うございます。あんまり待たせてしまうのも申し訳ないのでつい急いでしまいました。質を落とさないよう急いで書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

    1
  • たーくん

    今回も面白かったですよ。
    作者さんが納得のいく物が書けるまで待ちますから、じっくりと納得のいくまで書いて下さい。(あくまでも私の意見ですが)
    それと新しい作品も楽しみにしています。

    3
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