妹はこの世界でただ一人の味方
殺気
「荷物もないし、夕食まで時間もあるから街でも見てこない?適当にぶらぶらと。」
宿に着いてから学は数分でそのことを口にした。それも仕方のないことかもしれない。なにせこの世界では地球と比べて娯楽が圧倒的に少ない。2人は読書をするだけでもいいのだが、肝心の本屋も少ない。学はそれ以外に結衣との会話も娯楽の1つだが、そのネタもなく出かけながら話すという考えを持っていたのだ。
「うん。いいよ。」
女子は買い物やおしゃれをする人が多いだろう。また、それを娯楽に感じる人も多くいることだろう。しかし、結衣は読書と食事、そして学との会話が娯楽になっているのだ。ちなみに食事は学の作ったものしか幸福感を味わえないのだが。
「じゃあカラカラも行くぞ〜。」
流石に2人っていうのも寂しいからな。まあそれでもいいんだけど、快適に出かけるのならカラカラは必須だ。みんな怖がって俺たちから距離を置くからな。混んでいても進みやすい。
「あ、今行きます。」
ベッドの上で休んでたカラカラは飛び降りて学の足元に移動した。
「行こうか。」
俺たちは早速宿を出て自由気ままに歩いていった。まあ当然というか色々と目立ってた。まずカラカラ。普通は街に魔物を入れない。外の魔物だったら門番が殺し、契約をしてても誰かに攻撃してしまったら大金を払わなくてはいけなくなるからな。普通なら。二千円程度なんて端金だからな。この世界は俺たちが生きるのになかなか都合がいい。
そして結衣。まあカラカラと同様に目立つのは仕方のない事だろう。俺から見たらここにいる人間は地球と同レベル程度だ。個性豊かな顔で特別いいわけでもなく、悪いわけでもない。けれど結衣は違う。美しすぎるのだ。まあこれは前に出かけた時もそうだったからある程度は予想できてたが。
「そういえば結衣ってアクセサリーって身に付けてないけど、どうして?女の子って自分を可愛く見せたいものなんじゃないの?」
つければもっと綺麗に見えると思うんだけどな。まあ結衣は何もつけなくても綺麗なんだけど。
「別に可愛く見せる必要ないし、別にいいかなって。それにあまり気に入った物もなかったし。」
ふーん。なら今度作ってあげようかな。気に入るかは別問題として。
最後に俺・・・というか俺と結衣の腕だな。恋人のように組んでいるから余計目立ってるんだろう。正直結衣とこうやってすることの至福感と目立ってる恥ずかしさの2つが混ざってる。
ちなみにカラカラは俺の頭の上にいる。これがひんやりしていて気持ちいいんだわ。
「なんか・・・特に気が惹かれるところがないな。結衣はなんかあった?」
「ううん。特にない。この街がダメなのかな?それとも他の街も同じようなのかな?」
「どうだろう?まあ他に行く機会があったら見てみれば分かるだろ・・・。う〜ん。カラカラ。なんかお前に殺気が向けられているような気がするんだけど。」
「そうですね・・・。もし僕1人だったらすぐ戦闘になってましたね。学さんたちには感謝してます。」
「俺たちの心配ってないの?少し寂しいんだけど。」
と、少し嘘だが涙を出して悲しい声を出してみた。結衣は笑いを堪えているようだった。・・・そんなに笑えるのか?
「特級魔法まで使える人に何を心配すればいいんですか?」
カラカラはもっともなことを言ってきた。そりゃそうだな。多分見てるのもただの冒険者っぽさそうだし何にも危険なんてないけど。
「うぅ・・・僕は悲しいよ。・・・分かったからそんな目で見ないでくれない?真面目に話しますから。ごほん! まあそれは置いておこう。いい加減鬱陶しいな。なんとか出来ないか?」
「街中の暴力行為って禁止されてるのかな?確か魔物だとダメだったよね。・・・その魔物もいないんだけど。」
あの時の門番は魔物のことしか教えてくれなかったからなぁ。もっと詳しく聞いておけばよかった。今更後悔したって遅いんだけどさ。
「じゃあ人に聞くしかないか。・・・と言っても通行人に聞いたら怪しまれそうだな。ギルドに行くか。そこで聞いても何もないだろう。どうだ?」
「うん。いいんじゃない。・・・分かってるよね?お兄ちゃん。」
「もちろん。」
しつこいようだが、異性と許可なく喋るなってことだ。本当に心配性だな結衣は。そこが可愛いんだけど。
「あの〜・・・僕にとってギルドはちょっと・・・。」
あ〜。カラカラは魔物だったな。うん。忘れてた。元はというとこいつに対する殺気対策をしようとしてたんだった。
「大丈夫。結衣が第一優先。第2優先として守ってやるよ。分かりやすく言うと結衣を守る時は特級魔法。カラカラを守る時は上級魔法って感じだな。・・・本当に使ったら目立つからしないけど。」
まあ呪文の威力で例えたのは分かりやすかっただろう。ちなみに俺は初級魔法くらいでいいや。自分より結衣の方を優先するだけだから。
「じゃあ行こうか。」
「お兄ちゃん。ギルドどこにあるか分かるの?」
「ああ。目の前にパン屋あるだろ。」
「なるほど。」
本当にパン屋便利だな。時々使わせて頂いてます。助かってます。
「カラカラ。今から入るけど大丈夫か?」
「は、はい。大丈夫です。」
その言葉を聞き、俺は扉に手をかけ、開いた。その瞬間熱気が伝わってきた。そして俺は入ることなくその扉を閉めた。前回と違って人が多すぎたな。
「・・・お兄ちゃん。」
「予想外だ。ここまで人がいる上に熱気が酷すぎる。時間帯をずらそう。それまではなるべく大通りで過ごしておこう。」
「うん。そうだね。じゃあまた腕貸して。」
「はいはい。カラカラは頭のままでいいか?」
「はい。ここで十分すぎます。」
俺たちはその後いつもお世話になっているパン屋に行って夜まで時間を潰した。・・・味は個性的だったと言っておこう。
--------------------------------------------
以下作者のコメント
今日はいつのまにか寝落ちしてました。お陰で夜に書くことができなくて予想以上に時間がかかりました。ぶっちゃけ書きたかったところまで書けなかったんですよね。
あと2日で冬休みが終わってしまいます。初日に宿題は全て終わらして9日からの学校の用意をしたあと全く勉強してません。ゲームやアニメ視聴しかしてないですね。一応四月から中学三年生なので勉強しないとやばいんでしょうが・・・。授業中は作品のネタ考えてて聞いてないし、実技科目は苦手だし散々ですわ。
一応塾の模擬テストで明大が受かる・・・かも?ってところですね。しかし残念なことに作者は勉強をするとストレスが溜まるので一切しません。代わりに塾はしっかりと授業を聞きます。
あとこの前餅を食べたら喉に詰まって結構焦りました。最初はすぐ取れたんでよかったのですが、2回目がすぐきて、辛かったです。
そういえば一昨日家の隣に犬が来たんですよ。吠えない事でマンションの中で少し有名になりました。住んでるマンションはみんな顔見知りなので仲がいいですよ。それでみんな犬に触ってたので作者も触ろうかなと思ったら、吠えられました。完璧なオチでした。
多分部屋に帰ってから少し落ち込んだのは誰も知らないと思います。
昔から動物に嫌われるんですよねぇ。カラスによく頭突かれそうになるんですよ。そのせいで毎回折り畳み傘で追いはらわなくちゃいけないので大変なんですよ。・・・あれ?書いてたら涙が。
うぅ・・・それではまた次回。
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宿に着いてから学は数分でそのことを口にした。それも仕方のないことかもしれない。なにせこの世界では地球と比べて娯楽が圧倒的に少ない。2人は読書をするだけでもいいのだが、肝心の本屋も少ない。学はそれ以外に結衣との会話も娯楽の1つだが、そのネタもなく出かけながら話すという考えを持っていたのだ。
「うん。いいよ。」
女子は買い物やおしゃれをする人が多いだろう。また、それを娯楽に感じる人も多くいることだろう。しかし、結衣は読書と食事、そして学との会話が娯楽になっているのだ。ちなみに食事は学の作ったものしか幸福感を味わえないのだが。
「じゃあカラカラも行くぞ〜。」
流石に2人っていうのも寂しいからな。まあそれでもいいんだけど、快適に出かけるのならカラカラは必須だ。みんな怖がって俺たちから距離を置くからな。混んでいても進みやすい。
「あ、今行きます。」
ベッドの上で休んでたカラカラは飛び降りて学の足元に移動した。
「行こうか。」
俺たちは早速宿を出て自由気ままに歩いていった。まあ当然というか色々と目立ってた。まずカラカラ。普通は街に魔物を入れない。外の魔物だったら門番が殺し、契約をしてても誰かに攻撃してしまったら大金を払わなくてはいけなくなるからな。普通なら。二千円程度なんて端金だからな。この世界は俺たちが生きるのになかなか都合がいい。
そして結衣。まあカラカラと同様に目立つのは仕方のない事だろう。俺から見たらここにいる人間は地球と同レベル程度だ。個性豊かな顔で特別いいわけでもなく、悪いわけでもない。けれど結衣は違う。美しすぎるのだ。まあこれは前に出かけた時もそうだったからある程度は予想できてたが。
「そういえば結衣ってアクセサリーって身に付けてないけど、どうして?女の子って自分を可愛く見せたいものなんじゃないの?」
つければもっと綺麗に見えると思うんだけどな。まあ結衣は何もつけなくても綺麗なんだけど。
「別に可愛く見せる必要ないし、別にいいかなって。それにあまり気に入った物もなかったし。」
ふーん。なら今度作ってあげようかな。気に入るかは別問題として。
最後に俺・・・というか俺と結衣の腕だな。恋人のように組んでいるから余計目立ってるんだろう。正直結衣とこうやってすることの至福感と目立ってる恥ずかしさの2つが混ざってる。
ちなみにカラカラは俺の頭の上にいる。これがひんやりしていて気持ちいいんだわ。
「なんか・・・特に気が惹かれるところがないな。結衣はなんかあった?」
「ううん。特にない。この街がダメなのかな?それとも他の街も同じようなのかな?」
「どうだろう?まあ他に行く機会があったら見てみれば分かるだろ・・・。う〜ん。カラカラ。なんかお前に殺気が向けられているような気がするんだけど。」
「そうですね・・・。もし僕1人だったらすぐ戦闘になってましたね。学さんたちには感謝してます。」
「俺たちの心配ってないの?少し寂しいんだけど。」
と、少し嘘だが涙を出して悲しい声を出してみた。結衣は笑いを堪えているようだった。・・・そんなに笑えるのか?
「特級魔法まで使える人に何を心配すればいいんですか?」
カラカラはもっともなことを言ってきた。そりゃそうだな。多分見てるのもただの冒険者っぽさそうだし何にも危険なんてないけど。
「うぅ・・・僕は悲しいよ。・・・分かったからそんな目で見ないでくれない?真面目に話しますから。ごほん! まあそれは置いておこう。いい加減鬱陶しいな。なんとか出来ないか?」
「街中の暴力行為って禁止されてるのかな?確か魔物だとダメだったよね。・・・その魔物もいないんだけど。」
あの時の門番は魔物のことしか教えてくれなかったからなぁ。もっと詳しく聞いておけばよかった。今更後悔したって遅いんだけどさ。
「じゃあ人に聞くしかないか。・・・と言っても通行人に聞いたら怪しまれそうだな。ギルドに行くか。そこで聞いても何もないだろう。どうだ?」
「うん。いいんじゃない。・・・分かってるよね?お兄ちゃん。」
「もちろん。」
しつこいようだが、異性と許可なく喋るなってことだ。本当に心配性だな結衣は。そこが可愛いんだけど。
「あの〜・・・僕にとってギルドはちょっと・・・。」
あ〜。カラカラは魔物だったな。うん。忘れてた。元はというとこいつに対する殺気対策をしようとしてたんだった。
「大丈夫。結衣が第一優先。第2優先として守ってやるよ。分かりやすく言うと結衣を守る時は特級魔法。カラカラを守る時は上級魔法って感じだな。・・・本当に使ったら目立つからしないけど。」
まあ呪文の威力で例えたのは分かりやすかっただろう。ちなみに俺は初級魔法くらいでいいや。自分より結衣の方を優先するだけだから。
「じゃあ行こうか。」
「お兄ちゃん。ギルドどこにあるか分かるの?」
「ああ。目の前にパン屋あるだろ。」
「なるほど。」
本当にパン屋便利だな。時々使わせて頂いてます。助かってます。
「カラカラ。今から入るけど大丈夫か?」
「は、はい。大丈夫です。」
その言葉を聞き、俺は扉に手をかけ、開いた。その瞬間熱気が伝わってきた。そして俺は入ることなくその扉を閉めた。前回と違って人が多すぎたな。
「・・・お兄ちゃん。」
「予想外だ。ここまで人がいる上に熱気が酷すぎる。時間帯をずらそう。それまではなるべく大通りで過ごしておこう。」
「うん。そうだね。じゃあまた腕貸して。」
「はいはい。カラカラは頭のままでいいか?」
「はい。ここで十分すぎます。」
俺たちはその後いつもお世話になっているパン屋に行って夜まで時間を潰した。・・・味は個性的だったと言っておこう。
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以下作者のコメント
今日はいつのまにか寝落ちしてました。お陰で夜に書くことができなくて予想以上に時間がかかりました。ぶっちゃけ書きたかったところまで書けなかったんですよね。
あと2日で冬休みが終わってしまいます。初日に宿題は全て終わらして9日からの学校の用意をしたあと全く勉強してません。ゲームやアニメ視聴しかしてないですね。一応四月から中学三年生なので勉強しないとやばいんでしょうが・・・。授業中は作品のネタ考えてて聞いてないし、実技科目は苦手だし散々ですわ。
一応塾の模擬テストで明大が受かる・・・かも?ってところですね。しかし残念なことに作者は勉強をするとストレスが溜まるので一切しません。代わりに塾はしっかりと授業を聞きます。
あとこの前餅を食べたら喉に詰まって結構焦りました。最初はすぐ取れたんでよかったのですが、2回目がすぐきて、辛かったです。
そういえば一昨日家の隣に犬が来たんですよ。吠えない事でマンションの中で少し有名になりました。住んでるマンションはみんな顔見知りなので仲がいいですよ。それでみんな犬に触ってたので作者も触ろうかなと思ったら、吠えられました。完璧なオチでした。
多分部屋に帰ってから少し落ち込んだのは誰も知らないと思います。
昔から動物に嫌われるんですよねぇ。カラスによく頭突かれそうになるんですよ。そのせいで毎回折り畳み傘で追いはらわなくちゃいけないので大変なんですよ。・・・あれ?書いてたら涙が。
うぅ・・・それではまた次回。
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コメント
さらだ
読ませて頂きました。ところどころ「。」がないと読みずらい所があったので言わせて頂きます。お話は面白かったですよ。フォローしておきました。これからも頑張って下さい。
さらだ
有難う御座います。これが維持できたらいいんですけどね(笑)
さらだ
ちなみに作者は息抜き10割です(笑)家庭学習なんて最後にやったの忘れてるくらいですよ。
田中 凪
息抜き9割、お勉強1割だから体調は万全です!(笑)
邪神龍さんもお体には気をつけて!
あ、体調が万全だからといって緊張しないなんて言ってませんよ
さらだ
これからも活躍しますよ(予定)