妹はこの世界でただ一人の味方
幽霊
「え?幽霊?」
「はい。最近夜中の三時にきっかり出て上に上がろうとしてるみたいなんですけど結界があるのか行けてないんですよ。」
幽霊か。見たことないな。しょっちゅう出られても困るだけなんだけどさ。今夜あたり見てみようかな。
「お兄ちゃん。今日は一緒にいてもいい?」
そう言って手を掴んできた結衣の手は少し震えていた。きっと幽霊が怖いのだろう。学は結衣の手をしっかりと握り返し笑顔で言った。
「勿論だ。いつまでもどこまでも一緒にいてやるぞ。」
「ありがとう。」
(自分で言ったことだけどさっきのセリフ少しくさかったな。絶対気持ち悪いとか思われているよ。)
(今のお兄ちゃんの言葉って告白かな?・・・違うよね。私なんか相手にすらされないよ。お兄ちゃんは凄いんだし。)
(しばらく一緒にいて気づいたんですけど学さんと結衣さんってシスコンとブラコンですよね。付き合っても問題ないくらいに仲がいいと思うんですけど。)
「とりあえずあいつに話を聞きに行ってみるか。何か分かるかもしれないし。」
「そうだね。今から行く?」
「なるべく早い日方がいいからそうしようか。」
「すいません。あの人って誰ですか?」
あ。カラカラは会った事がないのか。
「この家を紹介した店員だよ。」
「そうなのですね。」
何もできないなら幽霊も怖くないんだろうけど結衣が怖がってるならそいつは有罪だ。スキルで消してもいいんだけど何かするのにも情報が必要だ。不測の事態になった時に対処できないなら意味がない。まあ幽霊って言うくらいだから話すことくらいしかできなそうだけど。
今は身体強化の練習もしっかりできていて走るとたったの15分でつけるようになった。その際に入れる力の加減が難しかった。主に結衣に教えるのが。俺は1回目でできたけど結衣は2日かかった。教えるとすぐできるんだけど、コツを掴むまで時間がかかるんだよな。
「なあ結衣。カラカラも連れてきちゃったけど街の中に入れるのかな?」
「どうだろう?でも街の中で見たことないよね。」
だよなぁ。まあダメだと言われても何とかなるだろ。
「ダメだ。」
あ、断られた。
「何故だ?危害を加えないと言っているだろう。」
「そういう問題じゃない。仮に危害を加えた場合お前の人生まで棒にふる事になるんだぞ。」
「例えば?」
「被害者は加害者に対して基本200円、死んだ場合は遺族らが1700円まで請求する事ができる。一括で払えと言う人が多いが、普通一括で払うことはまず無理だ。だから所持品を問答無用で売られ生きていくことすらできなるなるぞ。」
住民の平均月収が50円程だったよな。なるほど。確かに一括で払うのは難しそうだな。それに人は欲望の塊だしな。上限額を普通に請求するだろう。
じゃあ加害者のお金がなかった場合はどうなるんだと聞いたら、親族に払わせると言われそれすらいなかった場合は一ヶ月の間税金の支払いをしないくていいと回答がきた。
「ちなみに国家予算ってどれくらいか分かるか?」
「我々は街の一兵士に過ぎない。そんな事は分かるわけないだろう・・・と言いたいところだが、上司が何故か知っていてな、だいたい1000万らしい。」
思ってたより多いな。
「まあたかだか200や1700なんかあってないようなもんだ。自己責任って事でなら入れていいんだろ?」
「ああ。忠告はしたからな。」
俺は2人分を払って街に入った。どうやら入場料は人間用で魔物はカウントしないらしい。よかったよかった。たくさんお金を持っているとはいえ、あまり使いたくないからな。
「カラカラ。お前は頭は悪くないと思うが、あまり手を出すなよ。たとえ俺らが絡まれても。多分ふつうに対処できるから。」
「分かりました。僕自身に何か因縁をつけてくる人間がいたら避けます。速さも僕の1つの取り柄なので。」
分かってるならいい。さてと・・・不動産はこっちだったかな。
ちなみにカラカラの事を珍しく見つめている人は多かったが、絡んでくる人はいなかった。俺がいうのはなんだけど、当たり屋みたいな人はいないんだな。俺だったら絶対しそうだな。
「いらっしゃいませ。」
最初に出向いたのは黒のロングストレートの女の店員だった。
残念なことに俺と結衣が話し合った結果、お互いが許可を出さない限り異性とは話してはいけないという協定を結んだのだ。チラリと結衣を見たが首を横に振られた。許可は出せないらしい。こういう時は結衣が受け答えをする。
「ボサボサの髪を束ねて、眼鏡をかけている男の店員をお願いしてもいいですか?」
するとこの店員は驚くべきことを口にした。
「はて?男ですか?私が記憶している限りこの店では女性の方しか働いていませんよ。」
は?店でも間違えたか?
「ここって不動産ですよね?」
「そうですよ。」
ん?分からなくなってきたな。ならあの店員はなんなんだ?もしあいつが実際にいない店員だとしたら?じゃあ俺らを対応していたあいつが幽霊なのか?だとしたらこの女の店員はどうやった?店は同じのはずだ。いや、その前にあの屋敷はどんな対応になっているんだ?
「結衣。1つだけ聞きたい事があるからいいか?」
「・・・1つだけなら。」
「ありがとう。店員さん。市場から徒歩三十分くらいの森に屋敷があると思うんだが、今その所有権って誰になってるんだ?」
「少々お待ちくださいね・・・えーっと屋敷なんてありませんね。昔はあったみたいですが今は取り壊して家畜の小屋になっていますね。それが何か?」
「いえ、なんでもないです。ただ確認がしたかっただけなので。結衣。ちょっと話し合おう。」
そう言って俺は結衣を連れて一回店を出た。もちろん俺たちの話を聞いて追求されないためだ。あ、あとカラカラも。
「思ってる以上にすごい事が起きてるな。」
「そうだね。私もう何がなんだか分からないよ・・・。」
うん。かわいいな。
そう思っていると突然カラカラが口を開いた。
「あ、あの・・・。さっき結衣さんが言っていた事なんですが、幽霊がその特徴と当てはまっていまして・・・。」
MA・ZI・KA
「となるとあいつは幽霊だったのか?」
「そんな風には見えなかったんだけど・・・お兄ちゃんも?」
「ああ。それに屋敷がないっていう記録もおかしいな。いや、俺たちがなんらかの洗脳を受けてるのか?・・・だとしたら設置型のものか?カラカラはまだあいつと会った事がならしいし。」
あーでもない。こーでもないと頭を悩ませている学を結衣は見ていたが不意に思った。
お兄ちゃんの考える姿カッコいいなぁ。まあむしろカッコ悪いところなんてどこも無いんだけど、そういえば昔からカッコ良かったなぁ。私が 数人の女子になーーー
その先を思い出す前に学に呼ばれたため思いにふけるのをやめた。
「結衣。怖くて嫌かもしれないが、カラカラが見たという幽霊を確認するぞ。はっきり言って今何が起きているか分からない。少しでも情報を持っていた方がいい。頼りにならないかもしれないけど俺がそばにいるから。」
結衣を一人で部屋にいさせてもいいんだが、それは負担が大きすぎると思いその考えはボツにした。
「ううん。お兄ちゃんがいてくれたら何にも怖くないよ。」
「・・・本当に強いな結衣は。俺も見習わないといけないな。」
「?お兄ちゃんの方が強いじゃん。何度も私を助けてくれたし。」
そういうことじゃないんだよなぁ。まあとにかく今日の夜3時にその幽霊とやらを拝んでみようじゃないか。
・・・厳密には明日の明け方だな。
--------------------------------------------
以下作者のコメント
今日も遅くなってしまい申し訳ありません。・・・今更なんですが今日年賀状を書きました。作者は興味がないものに関してはとことん覚えないので今でもクラスメイトの苗字全員知らないです。なので小学校ましてや幼稚園の先生の名前も覚えているはずもなく、時間がかかりました。
ちなみに今見直しているアニメは「らき☆◯た」です。このアニメは作者が生まれて初めて見たアニメです。まさに感動しました。この世界にはこんな素晴らしいものがあるんだと気づかせてくれた作品です。小学校になり、初めてもらったお金でブルーレイコンプリートboxを買いました。今でも保管しています。
あと最後に1つだけ。この作品にまだ魔物がスライムだけしか出てきてないような・・・。いつか他のも出します。
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「はい。最近夜中の三時にきっかり出て上に上がろうとしてるみたいなんですけど結界があるのか行けてないんですよ。」
幽霊か。見たことないな。しょっちゅう出られても困るだけなんだけどさ。今夜あたり見てみようかな。
「お兄ちゃん。今日は一緒にいてもいい?」
そう言って手を掴んできた結衣の手は少し震えていた。きっと幽霊が怖いのだろう。学は結衣の手をしっかりと握り返し笑顔で言った。
「勿論だ。いつまでもどこまでも一緒にいてやるぞ。」
「ありがとう。」
(自分で言ったことだけどさっきのセリフ少しくさかったな。絶対気持ち悪いとか思われているよ。)
(今のお兄ちゃんの言葉って告白かな?・・・違うよね。私なんか相手にすらされないよ。お兄ちゃんは凄いんだし。)
(しばらく一緒にいて気づいたんですけど学さんと結衣さんってシスコンとブラコンですよね。付き合っても問題ないくらいに仲がいいと思うんですけど。)
「とりあえずあいつに話を聞きに行ってみるか。何か分かるかもしれないし。」
「そうだね。今から行く?」
「なるべく早い日方がいいからそうしようか。」
「すいません。あの人って誰ですか?」
あ。カラカラは会った事がないのか。
「この家を紹介した店員だよ。」
「そうなのですね。」
何もできないなら幽霊も怖くないんだろうけど結衣が怖がってるならそいつは有罪だ。スキルで消してもいいんだけど何かするのにも情報が必要だ。不測の事態になった時に対処できないなら意味がない。まあ幽霊って言うくらいだから話すことくらいしかできなそうだけど。
今は身体強化の練習もしっかりできていて走るとたったの15分でつけるようになった。その際に入れる力の加減が難しかった。主に結衣に教えるのが。俺は1回目でできたけど結衣は2日かかった。教えるとすぐできるんだけど、コツを掴むまで時間がかかるんだよな。
「なあ結衣。カラカラも連れてきちゃったけど街の中に入れるのかな?」
「どうだろう?でも街の中で見たことないよね。」
だよなぁ。まあダメだと言われても何とかなるだろ。
「ダメだ。」
あ、断られた。
「何故だ?危害を加えないと言っているだろう。」
「そういう問題じゃない。仮に危害を加えた場合お前の人生まで棒にふる事になるんだぞ。」
「例えば?」
「被害者は加害者に対して基本200円、死んだ場合は遺族らが1700円まで請求する事ができる。一括で払えと言う人が多いが、普通一括で払うことはまず無理だ。だから所持品を問答無用で売られ生きていくことすらできなるなるぞ。」
住民の平均月収が50円程だったよな。なるほど。確かに一括で払うのは難しそうだな。それに人は欲望の塊だしな。上限額を普通に請求するだろう。
じゃあ加害者のお金がなかった場合はどうなるんだと聞いたら、親族に払わせると言われそれすらいなかった場合は一ヶ月の間税金の支払いをしないくていいと回答がきた。
「ちなみに国家予算ってどれくらいか分かるか?」
「我々は街の一兵士に過ぎない。そんな事は分かるわけないだろう・・・と言いたいところだが、上司が何故か知っていてな、だいたい1000万らしい。」
思ってたより多いな。
「まあたかだか200や1700なんかあってないようなもんだ。自己責任って事でなら入れていいんだろ?」
「ああ。忠告はしたからな。」
俺は2人分を払って街に入った。どうやら入場料は人間用で魔物はカウントしないらしい。よかったよかった。たくさんお金を持っているとはいえ、あまり使いたくないからな。
「カラカラ。お前は頭は悪くないと思うが、あまり手を出すなよ。たとえ俺らが絡まれても。多分ふつうに対処できるから。」
「分かりました。僕自身に何か因縁をつけてくる人間がいたら避けます。速さも僕の1つの取り柄なので。」
分かってるならいい。さてと・・・不動産はこっちだったかな。
ちなみにカラカラの事を珍しく見つめている人は多かったが、絡んでくる人はいなかった。俺がいうのはなんだけど、当たり屋みたいな人はいないんだな。俺だったら絶対しそうだな。
「いらっしゃいませ。」
最初に出向いたのは黒のロングストレートの女の店員だった。
残念なことに俺と結衣が話し合った結果、お互いが許可を出さない限り異性とは話してはいけないという協定を結んだのだ。チラリと結衣を見たが首を横に振られた。許可は出せないらしい。こういう時は結衣が受け答えをする。
「ボサボサの髪を束ねて、眼鏡をかけている男の店員をお願いしてもいいですか?」
するとこの店員は驚くべきことを口にした。
「はて?男ですか?私が記憶している限りこの店では女性の方しか働いていませんよ。」
は?店でも間違えたか?
「ここって不動産ですよね?」
「そうですよ。」
ん?分からなくなってきたな。ならあの店員はなんなんだ?もしあいつが実際にいない店員だとしたら?じゃあ俺らを対応していたあいつが幽霊なのか?だとしたらこの女の店員はどうやった?店は同じのはずだ。いや、その前にあの屋敷はどんな対応になっているんだ?
「結衣。1つだけ聞きたい事があるからいいか?」
「・・・1つだけなら。」
「ありがとう。店員さん。市場から徒歩三十分くらいの森に屋敷があると思うんだが、今その所有権って誰になってるんだ?」
「少々お待ちくださいね・・・えーっと屋敷なんてありませんね。昔はあったみたいですが今は取り壊して家畜の小屋になっていますね。それが何か?」
「いえ、なんでもないです。ただ確認がしたかっただけなので。結衣。ちょっと話し合おう。」
そう言って俺は結衣を連れて一回店を出た。もちろん俺たちの話を聞いて追求されないためだ。あ、あとカラカラも。
「思ってる以上にすごい事が起きてるな。」
「そうだね。私もう何がなんだか分からないよ・・・。」
うん。かわいいな。
そう思っていると突然カラカラが口を開いた。
「あ、あの・・・。さっき結衣さんが言っていた事なんですが、幽霊がその特徴と当てはまっていまして・・・。」
MA・ZI・KA
「となるとあいつは幽霊だったのか?」
「そんな風には見えなかったんだけど・・・お兄ちゃんも?」
「ああ。それに屋敷がないっていう記録もおかしいな。いや、俺たちがなんらかの洗脳を受けてるのか?・・・だとしたら設置型のものか?カラカラはまだあいつと会った事がならしいし。」
あーでもない。こーでもないと頭を悩ませている学を結衣は見ていたが不意に思った。
お兄ちゃんの考える姿カッコいいなぁ。まあむしろカッコ悪いところなんてどこも無いんだけど、そういえば昔からカッコ良かったなぁ。私が 数人の女子になーーー
その先を思い出す前に学に呼ばれたため思いにふけるのをやめた。
「結衣。怖くて嫌かもしれないが、カラカラが見たという幽霊を確認するぞ。はっきり言って今何が起きているか分からない。少しでも情報を持っていた方がいい。頼りにならないかもしれないけど俺がそばにいるから。」
結衣を一人で部屋にいさせてもいいんだが、それは負担が大きすぎると思いその考えはボツにした。
「ううん。お兄ちゃんがいてくれたら何にも怖くないよ。」
「・・・本当に強いな結衣は。俺も見習わないといけないな。」
「?お兄ちゃんの方が強いじゃん。何度も私を助けてくれたし。」
そういうことじゃないんだよなぁ。まあとにかく今日の夜3時にその幽霊とやらを拝んでみようじゃないか。
・・・厳密には明日の明け方だな。
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以下作者のコメント
今日も遅くなってしまい申し訳ありません。・・・今更なんですが今日年賀状を書きました。作者は興味がないものに関してはとことん覚えないので今でもクラスメイトの苗字全員知らないです。なので小学校ましてや幼稚園の先生の名前も覚えているはずもなく、時間がかかりました。
ちなみに今見直しているアニメは「らき☆◯た」です。このアニメは作者が生まれて初めて見たアニメです。まさに感動しました。この世界にはこんな素晴らしいものがあるんだと気づかせてくれた作品です。小学校になり、初めてもらったお金でブルーレイコンプリートboxを買いました。今でも保管しています。
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コメント
さらだ
宣言ぽいですね笑
ちょっと二次元が好きです
さぁ、二人にどんな困難が待っているのか!?
格好いい兄と結衣に期待!(なんか宣伝ぽい)