異世界転生の特典は言語理解EXでした〜本を読むだけで魔法習得できるチートスキルだった件〜
第二十話「作戦開始」
教会に戻ってきた。辺りに人はいない・・・・・・と思っていたが、一匹いたようだ。
「ピィィ!」
教会の扉の前で待っていたのはティル。俺が姿を現すと、パタパタと小さな翼を羽ばたかせ、俺の頭に乗る。
「ッフ、ティル、お前は本当に愛嬌のあるやつだな。それでこそムードメーカーだ」
「ピィ!(お腹空いた)」
頭の上からぐぅ~という腹の音と可愛らしい鳴き声がきこえる。
ティルは、どうやらお腹が空いたようだった。夕食のとき大量に食べていたというのに。成長期って奴か?大きくなるためにたくさん食べなければいけないのだろうか。それにしても、なぜ俺が地下にいないことが分かっていたのだろうか。うーむ、考えすぎても埒が明かないな。
ティルを頭に乗せ、教会の地下へ向かう。
地下への階段を降りた先には、たくさんのエルフが集合していた。女子供ばかりいるように見えるので、作戦に参加するエルフ達は訓練場にでもいるのだろう。
エルフ達の中にルーシェの姿を見つけた。丁度いい、ティルをルーシェに預けておこう。
「よう、ルーシェ」
「あれ、アレン様。訓練場の方にいらっしゃると思ってましたが、どうかしたんですか?」
「まぁちょっと用事を済ませてきてな。それより、ティルを任せてもいいか?」
「はい、大丈夫ですよ!ぜひ任せてください!」
「頼んだぜ」
ルーシェは満面の笑みで頷いた。ティルをルーシェに渡した。
ルーシェはティルを抱きかかえる。ティルとふれあっている時のルーシェは本当に幸せそうな顔をしている。
普通、戦いの前で笑顔を作るのは難しい。
ルーシェも内心、不安でいっぱいだろう。
それでも、こうして人に笑顔をふりまけるのは王として器量だろうか。
それとも、ただ呑気なだけだろうか。・・・・・・呑気な気がしなくもないが、きっと前者だろう。
足を進ませ訓練場に向かおうとしたが、ティルが空腹なのを思い出した。ルーシェの方を振り向く。
「そういえば、ティル腹減ってるっぽいからなんか食べさせてやってくれ」
「おお、ティルちゃんはもうお腹を空かせているのですか・・・・・・。食いしん坊ですね」
ティルはルーシェに任せておけば問題なさそうだ。訓練場に向かうとしよう。
訓練場まで歩いていると、アギールの声が聞こえてくる。もう人は集まり、突撃前だということが分かる。
訓練場に到着し、アギールのもとに向かう。
アギールは、俺に気づくとホッとしたように笑った。
隣にいるミカエラも同様に笑みを浮かべていた。
「よし、これで皆揃ったみたいだな。表に出て作戦開始だ!」
「「「オオオオォォォォォォォ!!!!!」」」
集まっているエルフは、声を大にして答えた。
地下中に声が響き渡る。皆気合十分といった様子だ。
表に集まり、突撃隊、援護隊に別れる。
時間は深夜。夜の一番暗い時間帯だ。外は魔物の大群が進行してきていたとは思えないぐらい静まり返っている。
俺とアギールとミカエラは、突撃隊が注目を浴びている隙に裏門から侵入するため、もう少し身を潜めた後に行動する。
突撃隊、援護隊は既に準備が整っている。突撃隊は鎧に盾や剣、槍などを装備していてエルフのイメージとは異なる格好だ。
それに比べて援護隊は軽装だ。機動性を重視しているようだ。援護隊は、突撃隊と比べて動き回らなければならないだろうから重い装備にはできないのだろうな。俺達も鎧はつけていない。理由は同じだ。
「レクト、用意はいいか?」
「ああ、いつでも大丈夫だ」
アギールが突撃隊の隊長であるレクトに声をかける。
準備は万全のようだ。
アギールは、服の内ポケットから何かを取り出した。ミサンガのように見える。
それを、レクトの手に渡す。
「全能神セシル様のお守りだ。死ぬなよ」
レクトは、アギールからお守りを受け取り、微笑んだ。
お守りを握りしめる。
「アギールは、いつも無理ばっか言ってたな。突撃隊で派手に暴れろって言ってるくせに今度は死ぬなときたか。今回も頑張ってみるさ」
「ああ、お前なら大丈夫だ」
レクトの発言からアギールとの付き合いの長さが伺える。
レクトはお守りを自分の手首につける。目には少し涙を浮かべているようだ。
それをすぐ拭い、腰に差している剣を抜き、突撃隊の皆の方を向く。
「では、突撃隊!行くぞ!」
突撃隊の進行が始まった。約300人が城門に向かって走り出す。
静まり返っていた辺りに地面を叩く音が響く。
この様子では、すぐに城門まで到着し、その門を破り城内に入る頃には次々に兵が集まるだろう。
援護隊のリーダー、ゲラウドも部下に指示を下す。
「俺達は突撃隊が交戦したときにいつでも援護できるような位置を各々が見つけてくれ。4人一組になって行動してくれ。では、散れ!」
ゲラウドの指示を聞き、援護隊の皆は近くにいる4人で一組となり、各組が一緒に城門方向で散っていく。
家の屋根上など高所となるような位置に向かっている奴が多い。
ゲラウドは一人で行動するみたいだ。
「俺達も裏門の方へ向かうぞ」
「はい」
「おう」
アギールが先頭になって走り出す。皆、ステータスが高い分、移動が速い。ミカエラのステータスも陸竜車に乗っているとき暇つぶしで【鑑定】したが、能力値が平均約600と結構強かった。魔法は風属性、水属性、光属性の3つが最上級まで使えるようだ。。
年齢はルーシェと違って結構生きている。俺目線でいくと超ババアといった感じか。
そんなことを思っているうちに裏門へ到着した。
「ピィィ!」
教会の扉の前で待っていたのはティル。俺が姿を現すと、パタパタと小さな翼を羽ばたかせ、俺の頭に乗る。
「ッフ、ティル、お前は本当に愛嬌のあるやつだな。それでこそムードメーカーだ」
「ピィ!(お腹空いた)」
頭の上からぐぅ~という腹の音と可愛らしい鳴き声がきこえる。
ティルは、どうやらお腹が空いたようだった。夕食のとき大量に食べていたというのに。成長期って奴か?大きくなるためにたくさん食べなければいけないのだろうか。それにしても、なぜ俺が地下にいないことが分かっていたのだろうか。うーむ、考えすぎても埒が明かないな。
ティルを頭に乗せ、教会の地下へ向かう。
地下への階段を降りた先には、たくさんのエルフが集合していた。女子供ばかりいるように見えるので、作戦に参加するエルフ達は訓練場にでもいるのだろう。
エルフ達の中にルーシェの姿を見つけた。丁度いい、ティルをルーシェに預けておこう。
「よう、ルーシェ」
「あれ、アレン様。訓練場の方にいらっしゃると思ってましたが、どうかしたんですか?」
「まぁちょっと用事を済ませてきてな。それより、ティルを任せてもいいか?」
「はい、大丈夫ですよ!ぜひ任せてください!」
「頼んだぜ」
ルーシェは満面の笑みで頷いた。ティルをルーシェに渡した。
ルーシェはティルを抱きかかえる。ティルとふれあっている時のルーシェは本当に幸せそうな顔をしている。
普通、戦いの前で笑顔を作るのは難しい。
ルーシェも内心、不安でいっぱいだろう。
それでも、こうして人に笑顔をふりまけるのは王として器量だろうか。
それとも、ただ呑気なだけだろうか。・・・・・・呑気な気がしなくもないが、きっと前者だろう。
足を進ませ訓練場に向かおうとしたが、ティルが空腹なのを思い出した。ルーシェの方を振り向く。
「そういえば、ティル腹減ってるっぽいからなんか食べさせてやってくれ」
「おお、ティルちゃんはもうお腹を空かせているのですか・・・・・・。食いしん坊ですね」
ティルはルーシェに任せておけば問題なさそうだ。訓練場に向かうとしよう。
訓練場まで歩いていると、アギールの声が聞こえてくる。もう人は集まり、突撃前だということが分かる。
訓練場に到着し、アギールのもとに向かう。
アギールは、俺に気づくとホッとしたように笑った。
隣にいるミカエラも同様に笑みを浮かべていた。
「よし、これで皆揃ったみたいだな。表に出て作戦開始だ!」
「「「オオオオォォォォォォォ!!!!!」」」
集まっているエルフは、声を大にして答えた。
地下中に声が響き渡る。皆気合十分といった様子だ。
表に集まり、突撃隊、援護隊に別れる。
時間は深夜。夜の一番暗い時間帯だ。外は魔物の大群が進行してきていたとは思えないぐらい静まり返っている。
俺とアギールとミカエラは、突撃隊が注目を浴びている隙に裏門から侵入するため、もう少し身を潜めた後に行動する。
突撃隊、援護隊は既に準備が整っている。突撃隊は鎧に盾や剣、槍などを装備していてエルフのイメージとは異なる格好だ。
それに比べて援護隊は軽装だ。機動性を重視しているようだ。援護隊は、突撃隊と比べて動き回らなければならないだろうから重い装備にはできないのだろうな。俺達も鎧はつけていない。理由は同じだ。
「レクト、用意はいいか?」
「ああ、いつでも大丈夫だ」
アギールが突撃隊の隊長であるレクトに声をかける。
準備は万全のようだ。
アギールは、服の内ポケットから何かを取り出した。ミサンガのように見える。
それを、レクトの手に渡す。
「全能神セシル様のお守りだ。死ぬなよ」
レクトは、アギールからお守りを受け取り、微笑んだ。
お守りを握りしめる。
「アギールは、いつも無理ばっか言ってたな。突撃隊で派手に暴れろって言ってるくせに今度は死ぬなときたか。今回も頑張ってみるさ」
「ああ、お前なら大丈夫だ」
レクトの発言からアギールとの付き合いの長さが伺える。
レクトはお守りを自分の手首につける。目には少し涙を浮かべているようだ。
それをすぐ拭い、腰に差している剣を抜き、突撃隊の皆の方を向く。
「では、突撃隊!行くぞ!」
突撃隊の進行が始まった。約300人が城門に向かって走り出す。
静まり返っていた辺りに地面を叩く音が響く。
この様子では、すぐに城門まで到着し、その門を破り城内に入る頃には次々に兵が集まるだろう。
援護隊のリーダー、ゲラウドも部下に指示を下す。
「俺達は突撃隊が交戦したときにいつでも援護できるような位置を各々が見つけてくれ。4人一組になって行動してくれ。では、散れ!」
ゲラウドの指示を聞き、援護隊の皆は近くにいる4人で一組となり、各組が一緒に城門方向で散っていく。
家の屋根上など高所となるような位置に向かっている奴が多い。
ゲラウドは一人で行動するみたいだ。
「俺達も裏門の方へ向かうぞ」
「はい」
「おう」
アギールが先頭になって走り出す。皆、ステータスが高い分、移動が速い。ミカエラのステータスも陸竜車に乗っているとき暇つぶしで【鑑定】したが、能力値が平均約600と結構強かった。魔法は風属性、水属性、光属性の3つが最上級まで使えるようだ。。
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コメント
きよぼん
実に面白いです。
主人公が窮地に陥らないのがとても好きですね~
あまりハラハラすると心臓に悪いですから。
続きを楽しみにしています。
Nekomaru
早く次の話読みたいです。
楽しみにしてます。