お嬢様は軍師様!
お嬢様 平穏に過ごす 6 イーゼスside
前言撤回。
なぜ俺はあの時クローム・サジタリアは警戒すべき相手だと思ったのだろうか。
そう思った自分が恥ずかしい。
過去の自分を殴ってやりたい。
盗賊の討伐後、学園に戻った俺は、後処理で忙しいかった。
生徒達からの申請、金額の調整など相変わらず書類が多い。
特に英雄扱いをされているオーガスタ殿下を呼んで大会やお茶会などの申請する生徒が増えてきている。
もちろん、全て却下した。
当たり前だ。
万が一、俺達のことがバレたら色々問題になるからな。
一応、オーガスタ殿下達には強く口止めをしたが、あのマリアだけは無駄だった。
案の定、噂が一気に広まってしまった。
毎日、庭園の所で盗賊達がどの様に討伐されたのか話をしているらしい。 
まぁ、討伐の話と言っても、あの女は離れた所にいたから、討伐の詳しい話などは出来ないだろう。
聞くところによると、殿下達がどの様に討伐をしたのかよりも、ずっとクロームに守ってもらった事を話しているのだ。
しかも、セラから聞いた報告の内容よりも、かなり大袈裟にだ。
『クローム君が、突然襲ってきた敵から守ってくれた。』
『クローム君が、ずっと私の傍にいて守ってくれた。』
うちのフェイとセラを悪役にするつもりか!
一体あの女の脳内はどうなっているんだ。
考えるだけで頭が痛くなってくるぞ、俺は。
『・・・様。』
今日は早く帰ろうか。
考えすぎて、書類に手がつかない。
『・・イーゼス様。』
あー、確かロンが商会にいたな。
久しぶりに手合わせをするか。 
『イーゼス様!!』
『うわぁ!』
『大丈夫ですか?ボーッとされてましたけど』
『・・・すまない、疲れているようだ。どうした?』
『イーゼス様に用があるそうで・・・。』
『俺に?誰が?』
机に向いていた視線をゆっくりと上に上げると、監督生の後ろに誰かの姿が見えた。
制服からすると男子生徒だ。
周りにいる生徒も、この男に注目していた。
それもそうだろう。
何故こいつがここに来るのか理由がわからない。
しかも、俺に会いにきたのだから。
『何の用だ。クローム・サジタリア。』
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