チート無しクラス転移〜〜Be chained(ベチーン)〜〜
コラボ章 2話 『ロリコンでした』
「う、うぅん・・・・・・」
「あ、ミツキ、起きたぞ!!」
滝つぼで3人のドザエモンを引き揚げてから、数十分。
心臓は動いていたのだが、水を大量に飲んだのか呼吸が止まっていた彼らをミツキのいる所にまで連れて行った。
ミツキの指示を仰いで懸命な救命作業が実ったのか、3人は無事、三途を渡ることなく息を吹き返した。
「こ、ここは・・・?」
3人の中で最後に起きたガタイの良い少年。彼は目を覚まし、オレたちの顔を見ると、驚き、困惑、どちらとも言えない様な表情を見せた。
「安心してください、怪しい者じゃ無いですから。あなたは川で溺れていたんです。記憶はありますか?」
そんな少年に、ミツキが外行きの口調で冷静に問いかける。
「あ、あぁ・・・、確か魚を取ろうとして川に潜ったら、激流に流されてそのままーーー。ーーー!」
「アレ!?僕溺れて・・・!?ていうか光希と原ちゃんはどこにーーー!?」
判然としない意識で質疑応答に答えていた少年だったが、前後の記憶が繋がると目を剥いて狼狽し始めた。
「あ、サイトーやっと起きた〜。おはよ〜」
「おぅ、サイトー。起きんのおっせぇよこのねぼすけクマさんが」
かたやスローリーにマイペースな長身痩躯のおっとりした少年。
かたや強豪の運動部を思わせる、健康的に鍛えられた肉体をもったファッションモデルみたいにイケメンな少年。
各々が目を覚ました眼前の友人、サイトーを見て胸を撫で下ろし、そして起床の挨拶を告げた。
「み、光希、原、よかった。無事だったんだね。それで、この人たちは・・・?」
「ん〜、命の恩人ってやつじゃね?溺れている俺たちを助けてくれたんだよ」
端正な顔立ちの少年、原にそう説明されると、サイトーは目を丸くしてオレに視線を移した。
「あ、あなたたちが・・・、すいません、ありがとうございます・・・!」
サイトーは乾いた草の上で正座した後、深く頭を下げて感謝を述べる。
「べ、別に、大したこと無いですって、頭上げて下さいっ!ていうかこのやり取りもう3回目なんだけど!?」
最初に意識を取り戻した長身痩躯の少年、光希から原、サイトーという順番でオレたちは今日3回も誠心誠意頭を下げられた。
人から感謝されるのに慣れていないのか、マドリはその度に手をワタワタさせて自分も頭を下げてしまう。
そんな慌てたマドリの様子はオレなりにかなり楽しんでいたのだが、これでもうおしまいだろう。
なにはともあれ、3人とも無事で良かった。
「サイトー。腹減ったろ、飯できてるから一緒に食べようぜ」
「ーーーそれじゃ全員揃ったってことで改めて、自己紹介するか」
取ってきた大きめの魚を食べ終えて、フゥとサイトーが一息ついた後、オレはそう提案し、マドリが下手くそな指笛で囃し立てた。
「オレの名前は加藤ミキオ!歳は16歳で趣味は筋トレとサイクリングだ。あとは・・・、あとなんかあるか・・・?」
光希と原には最低限名前だけの自己紹介だったので、プラスアルファでもう少し何か語ろうと思っていたが、いかんせん突飛な発案だったので企画倒れな感が否めない。
「彼女はいますかー?」
オレが言葉に詰まっていると、マドリが助け舟を出してくれる。
ーーーいや、嬉しいんだけどね・・・?答えづらいっていうか、余計なお世話っていうか・・・。
「い、居ません・・・、ってか出来たことありません・・・!!」
しかしこの場を設けたのはオレだ。質問に、答えない訳にはいかない。
オレは、血を吐く様に言葉を絞り出した。
「ブフッ・・・!!」
「おいマドリ、何、噴き出しとんだ」
「な、なんでも・・・!想像通りのチェリー過ぎて、ちょっとね」
手を口に当てて爆笑をこらえている様だが、嘲笑に歪んだまなじりは隠せていなかった。
「お、お前ぇ・・・」
「好きなタイプはなんですかー?」
よっぽど怒りに身を任せて、マドリのデッカい胸をもぎ取ってやろうかと考えたが、原が挙手して再び別の質問をした。
「好きなタイプ、かぁ・・・。黒髪で、大人しそうで、あと巨乳?」
「・・・・・・ッ!!・・・ッッ!!」
いよいよマドリは呼吸ができないとばかりに抱腹絶倒していたが、オレがギロリと睨んだのでいらん事は言わなかった。
「む、じゃあいくつくらいの子がタイプですかー?」
心なし、原の顔が先ほどよりも曇って見えた。
「え?いや、普通に、同い年の女子、とか・・・?」
「・・・!全く話になんねぇ!!」
「えぇ!!何!?」
突然立って眉を吊り上げた原に気圧されて、唾をゴクリと飲んだ。
「さっきから巨乳だの同じ年の女子だの・・・!オレと同じ匂いがしたのに、ガッカリだよ!」
唾棄する様に、その端正な顔立ちをしかめて見せる原。
「俺の名前は原観月!年齢は16歳で趣味は天体観測!!アダ名は原ちゃん!」
「好きなタイプは、小学四年生から小学六年生までの幼女(美少女に限る)だ!!」
朗々と、または堂々と胸を張って語った自己紹介ならぬ、性癖紹介をした原の目は澄み渡っており、辺りに痛々しい沈黙が波及した。
「ロ、ロリコンだーーーー!!!」
「このイケメンとんでもねぇ爆弾抱えてやがったぁ!!」
最初にマドリが口火を切って、オレはそれに追随する。
「違う、オレはロリコンじゃねぇ。純粋に幼女と付き合いたいだけだ。真の愛の求道者だ」
「不純100パーセントで純粋だぁーーーー!!」
髪を掻き揚げてチッチッチと指を左右に揺らす原は、男でもときめくほどイケメンだった。
が、そんなイケメンを相殺して余りある『変態』、『ロリコン』というレッテルにマドリは淡青色の瞳を大きく開いて叫んだ。
もちろん、オレも驚いている。
やっちゃった、と言わんばかりに頭を抱えているサイトー。
そしてそんなオレたちの様子を見て、光希とミツキはニヤニヤしていた。
どうも!キズミ ズミです!!
いや、本当はこの話でコメントする気は無かったんですがね・・・その、あまりにも更新が遅くなったので、ね?
本当に申し訳ありませんでした!!
もう色々慣れないこともあったり忙しかったりだったんですよ!
Akisanは何だかのコンテントがあったり(言い訳)ボクは部活の合宿があったり(言い訳)アホ面倒くさい英語の課題があったり(言い)で、
お互い暇な時に集まれなかったんです(言)!!
・・・いや、ボクたちもこんな少年ジャンプペースで更新する気はサラサラありません。
次回、3話は今話に続いて自己紹介ですが出来るだけ早く更新しますので、お願いします。
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