廃墟の妖怪さん

ビッグバン

だからそうじゃない

鈴木は目を覚ますと思考が停止した。何なんだ。この状況は。気づけば和室の布団に寝かされ看病されているのである。彼は起き上り突っ込んだ。

「ここは旅館かァァァ。なんだこの至れりつくせりの徹底ぶり。城跡だよな。ここぉぉ。廃墟だよな。ここぉぉ。何で掃除されてんだ。布団あるんだ。お粥用意され天ダァァ。それに、猫耳浴衣少女と和服姿の幽霊って全然怖くないねえは。
お化け屋敷の方がよっぽどコエェよ。」

猫耳を生やした少女は突然起きて奇声をあげるこの男を憐れみの目で無言で見つめていた。

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