充実した異世界ライフを送る......はずだったが

ざん

17話 獣人化......。




   ここは魔族がいる、アクラシアと言う大陸。この大陸の中央には魔王城が存在する。そして、その魔王城に一つの知らせが届く。『魔王が帰還した』その知らせは四天王の上、三人の幹部の一人ディーラにも届いている。その男は誰よりも早く魔王がいる部屋に向かっていた。
扉を開いたその男は偉大なる絶対のお方を目にする。

「魔王様......お帰りなさいませ、ご無事で何よりです」

「あぁ、しかし...____になりすますと言うのは危険だ。何年か記憶が消えてしまったからな。まぁでも、いい収穫もあった。それで?あの件はどうなっている」

「はっ!調べは済んでいます。結果、5人です。それぞれ、植物魔法、光魔法、砂魔法、空間魔法、最後に......」

「獣魔法............か」

「はい」

魔王は不気味に笑ったあとディーラを見て言う。

「これで駒が揃った、あとは時を待つのみ...」

そして部屋に響き渡るようにまた、不気味に笑った。のちに魔王の手によって一つの国が滅ぼされるもはこの二人以外知るよしもなかった..................。






「なぁお前獣だよな......」

「そうだが」

どこに行くか神マップで確認した翔太と九尾、次の町『ガルーデン』への道のりを歩いていた。

「幻獣種だよな......」

「何を今さら」

「幻獣種って狙われてんだよな......」

「...............ああ。お前が言いたいのは、次の町に着いたとき幻獣種だから狙われるぞってことだろう?」

「そうだよ」

「............」

「............」

「............」じゃなくて!どうするんだよ!!」

「参ったな......」

「なんか策無かったのかよ」

「ある」

「あんのかよ」

「あるにはある、だが、お前の力も必要だ」

「獣人化だ。我ら幻獣は生まれつき獣人化できる魔法を使えるのだが、発動条件が厳しく、我の知っているなかでも成功したのはたったの一人だ」

「じゃあ九尾はできないのか?」

「発動条件が厳しい、だが今の我には簡単だ。発動条件は消費魔10000、さらに人間の魔力を足して、だ。」

「ってことは俺の魔力をよこせってことか?」

「そう言うことだ」

「お主は我にだいたい......半分くらいの魔力を分けてくれ」

「おーけー。ってどうやんの?」

「主が我の体に触れ、主の魔力を我に流す。それだけだ。簡単だろ?」

「分かった」

俺は言われた通り九尾の背中に手をあて、目を閉じ自分に流れているであろう魔力の流れに意識を集中した。すると、身体中に流れているもやもやを感じとった。

(流す......)

初めてなのでやり方は分からなかったがだんだんと思い通りに流せるようになり、魔力の半分を九尾に流した途端、疲れを感じた。

「疲れた~」

「よくやった」

「成功させろよ」

「分かってる」

すると、九尾は息を吸う。

「はっ!」

九尾が声をあげると同時にとてつもない量の魔力が飛び出していくのを見えはしないが、風にのって飛び出すのを感じた。と思ったら、その魔力たちが九尾の方に集まりだした。ピカッと光だした。
だんだんと人、いや、獣人の形が出来上がっていく。

「ほぉ、これが我の体か......不思議だな」

「っ............!九尾...なの....か?」

「あぁ」

そこには翔太が想像していた男の獣人ではなく、女性だった。目はすべてを見透かしているかのような紫で、髪はスラッとした金髪、可愛らしげな耳にふわふわとした尻尾が9つではなく一つ。なめらかなボディライン、年齢は俺と同じくらいだろう、全てが完璧で『美の象徴』と言うのに相応しい。

「男.........じゃないのか......?!」

「たしかに男じゃないな、ちなみに女でもないぞ。幻獣は性別がないからな。多分、獣人化するときはランダムなのだろう」

俺は口を開けたまま何も考えられずにいた。

「おい、どうした」

「は、ああ、いえ!何でもございません!!」

「はぁまぁいい、日がくれる前に着きたい、急ぐぞ。とは言ってもこの人間の体を手に入ったんだせっかくだ、歩いていこう」

「は、はぁ」

とりあえず気にしたら終わりだ、と思い歩くことにした。




「見えたぞ」

「あーやっとか!早く休みて~」

「では早く行「ちょっと待て」

九尾が走ろうとしたので俺は袖をつかんで止めた。なぜなら......

「服!」

「ああこれか」

九尾が着ているのは着物だ。無視していたが流石に門番に怪しまれる。それに、

「お前の名前もだ、町に入って九尾、なんて呼んだら誤解が生まれかねない、そこでこれからはレイと呼ばせてもらうぞ」

「よかろう」

「服は、俺が先にガルーデンに入って服を買ってくるから待っててくれ」

「分かった」

「よし、じゃ行ってくる!」


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あけましておめでとうございます!今年初投稿ー!!だんだんとフォロー数が増えてってきていますとても嬉しい限りですm(_ _)m今年も不定期更新『充実した異世界ライフを送る......はずだったが』をよろしくお願いしまーす!!!!

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