充実した異世界ライフを送る......はずだったが

ざん

8話 宣言!打倒、魔王!!


  「ハァハァハァ...」

何処まで走ったか分からない。ここは何処なのかさえも。俺は木に手をかけ休んだ、涙を堪えながら。

「おーい、翔太くーん。聞こえるー?」

(この声は......神様か)

「聞こえる......」

「あれ?なんか暗くない?しかも涙目、怪我もしてるじゃん、どうしたの?」

「............」

「あぁ」

なにか察したみたいだ。神様のことだからどうせ過去を見たりとかしたんだろう。

「ごめんね、そんなことがあったなんて......」

「神様なんだろ、あのおじいさん生き返してくれよ!」

八つ当たりしてしまった。自分が弱かったのが原因なのに。

「それは、無理なお願いだ。神様っていっても何十人かいてそれぞれの役割があるんだ、僕は『転移神』転移させることしかできないんだ。本当にごめん、君を一人にした僕が悪い、だから、生き返すのは無理だけど、せめての償いとして受け取ってほしい」

何か暖かいのを感じた。俺は頭の中でステータスを開く。

・サトウ  ショウタ(佐藤翔太)・人間
職業:平民  Lv.16
攻撃力:30600
防御力:10600
素早さ:6000
魔力:10000
魔法:獣魔法 Lv.5
スキル:『獣憑依』
称号:『迷い人』

「それと、これも。手を開いてくれる?」

前に手を出すと、紙がでてきた。

「それは、紙だけどただの紙じゃないんだ。君の世界でいうGoogle〇ップみたいなやつだよ。念じればマップが出てきて、指で拡大縮めることもできるんだ。しかも、絶対に燃えない、破れない、染みないという能力付きだよ」

「ありがとう......」

「そして最後。報告だよ」

「報告?」

「そう、君にとって良い報告」

興味がでてきた。

「さっき冥界王に話を聞いたんだけど...........ギンジ  ハウンドさんだっけ?その人生きてるよ」

「え!?」

(なんで............キングリザードマンに殺されたはず......。あ、違う。実際に殺されたのなんて見ていない。生きてるよ!!)

涙がでた。なんで生かされたかは、分からないがそんなことどうでも良い。生きている。それだけが嬉しかった。

「まぁまぁ、泣かない泣かない。これからは僕が君を見ていたいけどそうもいかないんだ。これから100年に一回神聖会議といって神々がみんな集まる会議があるんだ。だから、これから頑張れるかい?もちろん一人でなんて言わない、仲間も作れば良いさ」

俺は涙を袖で拭き、神様に言う。

「当たり前だ、一人でなんとかなるさ。色々ありがとな、神様。もう世話になんかならねぇ」

「うん!そう言ってくれて嬉しいよ!僕はこれから行くけど頑張ってね、応援してるよー!」

すると、神様の声がしなくなった。
おじいさんは生きてる。だからいつかまた会おう。翔太は元気になり、今日起こったことを整理した。

(魔族......許せる相手じゃない。おじいさんが生きていたからよかったが、傷つけた。そんなやつらをほっとくわけにはいかない。キングリザードマン......いや、魔族、そして魔王!お前らを許さない!)

「充実した異世界ライフなんてあまい考えをしていた俺が馬鹿みたいだぜ、魔王、俺はお前を許さない!いつか俺の手で葬ってやるぜ!!」

誰もいない森のなか、空に向かって放った言葉に森がざわめく。打倒魔王。いいじゃんか、退屈してた世界とは全然違う。

(ここが俺のスタートだ!)






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