充実した異世界ライフを送る......はずだったが

ざん

7話 四天王の強さ。


   絶句した。ここまでとは想像つかなかった。自分より強いステータスに、言葉がでない。しかも四天王。それじゃあ勝ち目がない。
無理ゲーだ。毎日毎日ゲームをしているから分かる、旅立ちで四天王と会えば必ず死ぬ。

「ファイアボム」

突然俺とおじいさんに向かって炎の玉が飛んできた。
俺たちは左右に避けて激突を避けた。
ドオォォン!
間を通り抜けた炎の玉は木に激突し、勢いよく燃え上がった。その威力は絶大だった。

(危ない、当たったら死ぬ!)

レッドゴブリンが放ったであろう魔法だから、万が一当たったとしてもステータス的にあんまり効かないと分かっていても、怖い。
俺は体制を立て直した......が

「ファイアボム」

「な......っ!」

続けて飛んできた炎の玉を避けきれず直撃してしまった。

「ぐ...っあ、あれ?」

全然痛くない。痒いぐらいだこれがレベルの差ってやつか。効いていないと分かったキングリザードマンは少し驚いたような顔をしていた。

「大丈夫か!?」

「はい!」

(これならいける)

俺は獣魔法を使った。体の一部だけを動物のようにできる。地球上で最も足が速い動物、それはチーターだ。俺は魔法を使う想像をした。その瞬間両足に違和感を感じた。
俺は頭の中で魔法が思い浮かんだ。

「いくぞ!」

「バンブルビー」

最速の足だからこそできる技、バンブルビー。周りをボールみたいに跳ね回る。だが、相手には速すぎて見えない。

「なっ!速い!!」

おじいさんが見守ってくれているなか、俺はレッドゴブリンに狙いを定め、腰にあるプラチナソードを手に、跳ねた。あまりの速さに気を失いそうになるが死ぬかもしれないという思いで気を保っている。
ザッ!!!
レッドゴブリンの前を通ると同時に首をはねた。
バタッ
レッドゴブリンが倒れた。続いて俺は、キングリザードマンに目を向ける。何も動じていない、仲間が死んだというのに平然としている。

(くそっ。次はお前だ!)

「バンブルビー!」

再びバンブルビーを使う。そして先程と同じようにキングリザードマンの首をはねる。そう確信した......なのに、チーターの速さ+素早さ5000で跳ね回っているのに......それ以上の速さでキングリザードマンに追い付かれた。

「なっ!」

「ぐはっ......!!」

おもいっきり蹴られた。そのままおじいさんの側まで地面を転がった。

「大丈夫か!」

「ぐっ......はい、大丈夫です」

「ほう...あれをくらって生きているのか、大したもんだ」

「貴様......っ」

「おじいさん、ダメだ!」

片手に剣を持ったおじいさんが構える。その瞬間、キングリザードマンの姿が消えて、おじいさんの前に姿を現した。「危ない!」と言いたかったが、激痛が走り、そのまま顔を伏せてしまった。顔を上げたときにはおじいさんは、キングリザードマンが自在に操っていた長いしっぽで叩いていた。そのまま横へと倒れるおじいさん。

「やめ......っ!」

おじいさんの首を手で掴みあげるキングリザードマンの表情は笑っていた。

「最後に言い残す言葉はないか?」

顔が血まみれになっている顔は、俺のほうに向け、微笑んだ。

「それなら......あの少年を見逃してくれないか.........」

そう言い俺に指をさす。

(は!?駄目だよ、死ぬ気かよ!)

「そうだな...............レッドゴブリンを倒し、俺を楽しませてくれた礼だ。今回は見逃してやろう」

「え」

俺は心の奥で喜んでしまった。おじいさんを見捨てて俺だけが生き残るなんて。

「早く行け、俺の気が変わらぬうちに」

俺は震える足をなんとか立たせた。そして、最後の力を振り絞り、全力で走った。ただひたすら走った。泣きながら走った。


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7話読んでくれてありがとうございます。ちなみに不定期更新です。(毎日投稿を心がけていますが)
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