あたしの気持ち

てんかす

あたしの気持ち

私は那美、至って普通の高校1年生

私には幼馴染がいる、二十歳の大学生玲音だ

そいつは頭もよく、運動もでき、顔も良いという文句を言えない様な人間

私は去年気づいてしまった、あいつのことが好きということを

でもあいつは、私の事なんて気にもしていない。あいつはいつ見ても違う女といる

遊びなんてのは誰にでもわかることだ

あの女たちも知ってて付き合っているはずだ

でも私はやっぱりあいつのことが好きだ。

そんなことを考えるうちにもう学校に行く時間になっていた

あいつも家を出てくる時間だろうと踏んで家を出た

「おぅ那美じゃないか、おはよう!」

「なに・・・」

本音は会えてとっても嬉しい、でも言葉にすることが出来ない

「今日も時間通りで偉いね!」

「ありがと、学校遅れちゃうからもう行くね。」

「ちょっと待てよ」

 玲音が腕を掴んできた、男の力ってやっぱり強い…

「ちょっとやめてよ!」

「この際だから話そうって思って」

なんなのよ、いつもは社交辞令の挨拶だけして消えちゃう癖に…

そんなことを思いつつ彼の話に耳を傾けた

「なぁ…お前って朝、弱くなったのか?昔は毎日のように朝起こしに来てくれてただろ?」

「別に、私の勝手でしょ!」

「勝手…ねぇ、本当のこと教えてよ。なんとなく、いや確実に当てられる気がする」

(え、バレてる?逃げたい、バレたくない、今ドキドキしてることを)

「言ってみてよ、なんで私がこの時間に家から出てくるのか」

もうやだ、怖い、早く言ってほしい、もう無理だから

あいつは私のことを体に引き寄せて抱きしめた

「ちょっ・・・ちょっと!」

「俺が言ってもいいの?ホントは自分で言った方がいいんじゃない?」

耳元でそう囁く、心臓が加速する、弾けそうになる

「どうする?言おうか?」

ほんとは今すぐにでも言いたい、でもあいつは楽しんでいるんだ、私が何も出来ていないこの状況を。

「はは…なんだよ冗談だよ」

・・・もうダメだ今更戻れない!!

「待って!!」

今度は私から掴んだ。

「ん?どーした?なにか言いたいことでもあるの?」

もう分かってるから早く言えよ、と目が語ってくる

「もう学校遅れた・・・」

「遅れても行きゃいいじゃん」

「玲音も遅れた・・・」

「俺は遅れてないよ、10時からだもん」

「えっ・・・」

どうゆうこと・・・?

「んで、話あるんでしょ?聞くよ」

「えっと・・・」

「ん?ないの?てっきり愛の告白かなんかかと」

「・・・」

情けない、やっぱりばれてんじゃん!!心からそう思った

「じゃあ俺から言おっかな?」

「えっ?」

有無を言わせず道端の壁に押し付けられた

俗に言う壁ドンというやつかな?

眼前には整った顔、心臓がさらに加速する

余裕そうな顔がムカついた、なぜかつい口に出していたんだ

「好き・・・」

私は恥ずかしさで顔が赤く染まった

熱くなっていくのは自分でも分かった。

「好きなんだ・・・」

「だから・・・何?」

「両想いだと思って・・・まぁ分かってたことだけど」

「ホントにムカつく・・・」

「何度でも言っていいよ、好きなんでしょ?じゃあ俺も言おっかな」

『大好きだよ・・・那美・・・』

そう言うと彼は私にキスをした

「俺も那美に会いたくて、それだけの為に早く家を出てたんだよ・・・」

ホントにムカついて、いやだけど大好きなあいつが

私の彼になったんだ

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