天才と秀才と馬鹿の話 (画像はイメージです)

つんつくん准将

第0話 天才と秀才と馬鹿と

 どうしてこうなった...

 この物語の主人公の一人、タケルは森の奥深くで
ぽつんと立っていた

 「な、なんでぇぇぇ...なの...俺はさっきまで家で4545ピ―する準備をしていたはずっ!」

 そう、お察しの通りクズである。
 だが男性なら分かる者もいるのではないだろうか?
 そんな問いかけをいるはずもない誰かに念ずるが...当然届くはずもなく。

 「おいおい、ほんとどうなってんの...」

 真情高校しんじょうこうこう二年、新島武ニイジマタケル
 ステータス 十七歳、DT、天才




 この物語の主人公の一人、ハルキは
居酒屋に足を踏み入れていた。

 もちろんただの居酒屋ではない。
 ゴブリンにゾンビ、さらには理科室の模型まで、
幅広すぎるほどの化け物揃いだった。

 「地球...圏外...?」

 もはやオーバーヒートである。

 (あぁ、夢か。なるほど疲れてんだな。)

 [夢]と仮定した彼の脳は徐々に冷めていく。
 だが同時に彼は思う。

 (夢なら醒めないでいいのに...)と。

 桜歌第二高校さくらかだいにこうこう三年、西ノ晴樹にしのはるき
 ステータス 十八歳、冷酷、秀才




 「わぁぁぁぁ!!お空飛んでるよー!」

 人が空を飛べるという非常識を今まさにやってのけているこの物語の主人公の一人、ミサキは...
 「お?鳥さん勝負するかい?」
 ミサキは...
 「ふっふっふ...今の私にはかなわな...」
 .......
 「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 供述するまでもあるまい...
 「羽がっ羽がなくなったぁぁぁぁ!!」

 ボフッッ

 「....ぁぁぁぁあ!!わぁ!雲さんだぁ!!」

 人が空を飛べること、雲の上に乗ること.....
幼児以外は無理というであろう地球人を差し置いて

 「ふかふか〜、もふもふぅ〜♪」

 リアルドラえ〇んをやってのける女である。
さらにその現実を瞬時に受け入れる女である。

 ──一応供述しよう

 快晴高校かいせいこうこう一年、秋月美咲あきづきみさき
 ステータス 十六歳、天然、馬鹿



 この世界の名はオープンワールド。

 ゲームのジャンルではない。

 この現実とかけ離れた世界で

 異世界人の一人として

 主人公の一人として

 彼らは自らの足でこの世界を歩き

 そして出会う

 天才と 秀才と 馬鹿が揃う時

 何が起きるかはまだ誰も分からない...

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