勇者の冒険(仮)

あべこー

モンスターポップ


階段を進み、第一階層と同じような通路に出た。一本道が続くかと思えば、右手には細い小部屋、正面には通路が続いていた。とりあえず、右手の細い小部屋に入ってみると、中に魔物はいなかった。ほかに何かないかと探してみるが何もなかった。

「本当になにもないただの部屋か。なんのための部屋なんだ」

ぶつくさと独り言を言っていると、目の前にいきなり魔物が現れた。

【ゴブリンファイター:レベル15】

え? なに? なんでいきなり現れたの?
背が小さく、右手には汚れた剣、左手にはバックラーの盾を持っている。典型的な ゴブリンと呼ばれる魔物だ。ゴブリンファイターはグギャアと声を上げ、襲い掛かってきた。
不意を突かれ、動揺したがすぐに倒すことができた。

落ち着いたところで考えてみると、これはモンスターポップってやつではないだろうか。

魔物はダンジョンからあふれ出てきたものだと聞いた。ではダンジョンの魔物はどこから来るのか。それはダンジョン内だと無限にポップされ続けるのかもしれない。そう考えると、地上に魔物が増えすぎたのもうなずける。ダンジョンの処理が追い付かずに放置されたダンジョンからあふれ出てきたのだ。
しかし、そんなにダンジョンは多いのか。これは世界中のダンジョンを攻 略していくとなると骨が折れそうだ。

部屋を出て通路を進み、小部屋を見つける。『サーチ:魔物』を使うと中には2体いる。

【ゴブリンファイター:レベル15】×2

相手に臆することもなく次々と倒していく。部屋の中には宝箱があった。ミミックのトラウマで開けずに立ち去ろうと思ったが、好奇心には勝てず中を開ける。
今度は罠の気配はなく、中には【丈夫な布の服】が入っていた。自分の今着ている服と似ているが、生地というか触りごちが違った。しかも今着ている布の服と違うところは『収納』できたのだ。つまり、アイテムあるいは装備品と判定されたのだ。

そうか 。今着ている布の服はエルザのおばあさんが作ったもので、【丈夫な布の服】はダンジョンのドロップ品だ。ドロップ品は基本的にアイテムとして判定されるが、人間が作ったものはアイテムとして判定されないとかそんな理由かもしれない。あくまで予想でしかないけど。
俺は丈夫な布の服を装備してみた。すると、今着ているものの上に重ね着のような感じになってゴワゴワする。
丈夫なって言うくらいだから防御力が上がるのかもしれないけど、今はいいや。
結局アイテムボックスに戻してしまった。

部屋を出て、さらに奥へと進む。
今度は一際大きな部屋に出た。【サーチ:魔物】を使うと中央に2体、奥に1体いるようだ。
中央までは少し距離があるため 奇襲攻撃はできそうにない。諦めて正面から正々堂々と攻めることにした。
中央にいたのは

【ゴブリンファイター:レベル15】だ。全速力で迫り攻撃を仕掛ける。
相手も俺の存在に気がつき、臨戦態勢を取った。かまわず、一体を斬り裂く。
そのままもう一体も攻撃して終わりにするはずだったが、遠くから何かが飛んできて俺の太ももに直撃した。

「ぐあッ」

遠くから攻撃を仕掛けてきたのは、奥にいたもう一体だ。

【ゴブリンアーチャー:レベル15】というらしい。汚れた弓に矢じりがボロボロ矢を使って攻撃をしてきた。

足に刺さった矢は消え、当たった場所にはダメージを知らせる赤いエフェクトがかかった。痛みは走ったが刺さりっぱな しよりは良かった。
ゴブリンアーチャーはさらに攻撃をしようと弓を引く。
俺はそれを阻止するため、ゴブリンファイターを放置して、アーチャーに狙いを定めた。

武器が弓であるため、近づくとあっけなく倒せた。残りのファイターも倒し、なんとか勝てた。今回はちょっと焦った。考えてみれば、近距離の武器だけとは限らないんだ。弓なんかで遠くから狙われ続けたらたまらないな。
次から遠距離攻撃にも注意することにした。

ダメージを負ったため赤ポーションを使ってHPを回復した。
今までに受けたダメージはたいしたことなかったから分からなかったけど、弓で攻撃を受けたときにHPが大きく減った感覚があった。あと、数発同じように攻撃を受け続けたら、HPが0になるだろう。

考えないようにしてたけど、HPが0になったらやっぱり死ぬよな。どっかの教会で復活できたりしないのかな。試してみる勇気はないけど。

回復したところで部屋の内部を調べてみた。すると第一階層と同じようにレバーがあった。レバーを下すと、何かが開く音がした。同じように次の階層へ行くための隠し扉が開いたのだろう。

通路を進むと、そこには階段があった。そろそろ帰ろうかとも思ったが、ダ ンジョンを探索する楽しさにハマり、もう少しだけ進むことにした。


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