邪神使徒転生のススメ
40.邪神の加護
「…それで、二人は《金龍祭》に出るためにここに来たの?」
「ええ、もちろん。もっと強くなってシェイヴァルを殺す為にね」
「…そうですかそうですか」
会話が物騒すぎる。
「二人とも殺し屋なのに目立つ舞台に出てもいいのか?」
「ああ、大丈夫だよ。僕達、冒険者としても有名だから」
「…この二人、黒ランク冒険者だよ。冒険者の中でも割と有名。確か二つ名が、《神速の兄妹》だったかな。この二人速いから」
確かに、さっきの速さを見ればその二つ名も納得だな。
「嫌味にしか聞こえないわね。私達よりももっと速いくせに」
アリアが恨みがましそうな視線を向ける。そういえば二人のステータスってどんなだろ?敏捷が高いのは大体分かるけど。
---------------------------------------
アリア・アーネット
《仕事》/巫女/Lv.67/76
力5142
物理耐久12096
敏捷29512
魔力14213
魔力耐久10041
《スペキアーリススキル》
---------------------------------------
クリア・アーネット
《仕事》/聖騎士/Lv.72/80
力16199
物理耐久15108
敏捷26523
魔力5071
魔力耐久17514
《スペキアーリススキル》
---------------------------------------
うわ、速いな。あれ、スキルが見えない。あと、
「巫女?」
「あら?マヤ、鑑定のスキル持ってるの?」
あ、つい言葉に出てしまった。まあ別にいいか。
「ああ、ちょっと二人のステータス見させてもらったよ。勝手にごめんな」
「別に大丈夫よ、それが鑑定のスキルの真骨頂だもの。それで?私達のステータス、どうだった?」
アリアが自信たっぷりの顔で聞いてきた。所謂ドヤ顔だ。
「さっきから見てた時も思ったけど、やっぱ二人とも速いな。敏捷だけ見たら勇者って奴より速いんだろ?確か」
「ええ、そうよ!シェイヴァル以外には速さで負けるつもりは無いわ。いつかはシェイヴァルだって抜いて殺してやるんだから!」
アリアは興奮したように顔を紅潮させている。顔を紅くさせてるのはアリアの容姿と相まってとても愛らしい。うん、可愛い。
「…はいはい。頑張って殺してね」
シェイが手をひらひらさせながら適当に答える。
「そういえば、三人は《金龍祭》に出るの?」
クリアが思い出したかのように聞いてきた。
「…私は流石に出ない予定だけど、二人はどうする?」
うーん…どうするか悩んでるんだよなぁ。出るのも結構楽しそうだし、シェイ以外の相手と戦うのも良さそうなんだよな。でも、観るのも普通に楽しそうだし。
「私は、マヤさんが出るなら出ようかな、と思っていまして…」
「…マヤ、どうするの?」
「マヤ、悩んでるなら出てみなさいな。マヤを見てると、まだ経験が色々足らなさそうだからいい経験になると思うわよ?」
「そうだね。色んな人間と戦うのもいい事だと思うよ」
「見ただけで経験が無さそうとか分かるのか?」
「ええ、足運びとか、体幹がまだ未熟って感じがするわ。まあ多分一般人には分からないと思いますけど」
やっぱ熟練者からするとまだまだってことか。確かに戦闘の経験って少ないしな。シェイとの鍛錬は殆ど毎日やってるけどな。
「…うん、出てみるか。まあ元から興味はあったし」
「決まりね!私達はダブルスもシングルもどちらも出るけど、どうするの?」
あー、そういえば二つあったな。二人組で戦うダブルスと一人で戦うシングルか。
「折角出るんならどっちも出てみたいな。ミレイア、一緒に出てくれるか?」
「は、はい!よろしくお願いします!」
ミレイアが胸の前で手を握りしめて気合いを入れる。可愛い。
「それじゃあ、私達はそろそろ行くわ。三日後の《金龍祭》、楽しみにしてるわ」
「三人とも、またね」
「ああ、また三日後だな」
二人が手を振りながら通りに出て行った。
「二人と当たったらキツそうだな。二人ともすげえ速いし」
「…そうだね。でも、マヤならもしかしたら勝てるかも」
「そうか?ステータス的には全然負けてるような気がするんだが…」
ミレイアと出会って一回ステータスは見たけど殆ど期間経ってないしあんま変わってないだろうし。
「…それなんだけど。マヤのステータス、というかレベルが恐ろしい程の速さで成長してるよ。理由はよく分からないけど」
そういえばシェイは闇眼でステータス見れるんだっけか。
「でもこの間見てからまだ一週間も経ってないぞ?」
「…疑う前に自分で確認すればいい」
まあ確かにそれもそうか。どれどれと。
---------------------------------------
天魔魔夜
《仕事》/ 邪神使徒/ Lv.58
力 18421
物理耐久 20041
敏捷 17902
魔力 22384
魔法耐久 15041
《スペキアーリススキル》
闇眼Lv.2
疲労回復Lv.5
闇影術式Lv.3
気配遮断Lv.2
危機察知Lv.3
鑑定Lv.3
場所把握Lv.4
言語理解
????
????
ん?んんんん?!いや、ステータス上がりすぎだろ!?前回見た時は5桁とか一つも無かったぞ!なのに魔力と物理耐久がもう2万超えてるんだけど!?
「どういうことなんだよ、これ…」
敏捷以外のステータスはアーネット兄妹よりも高い。この上がり幅はおかしいだろ。
『ふっふっふっ。その疑問、私がお答えしましょう!』
(おお!その声はシンラ!久しぶりだな)
『はい、ご無沙汰してます。それで、魔夜さんの成長速度についてですが、まあ単純に言えば邪神の加護ってやつです』
(俺がステータスをいつでも見れたりシェイが身に付けてるものをすぐ出せるやつか?)
『そうですね。まあ邪神使徒の能力なんて全部加護ですので。それにシェイさんがこの能力を知らないのも仕方ないですよ。邪神使徒はLv.100を過ぎるとこの大幅な経験値の上昇は無くなるんです。シェイさんが邪神使徒になったのはLv.96の時ですからあまり分からなかったんでしょうね』
(なるほどな。でも俺、この前ステータスを見てから今まであんまり何かやった覚えは無いんだが…)
『あー、それはですね……』
(どうした?)
『ははは…ちょっと魔夜さんの能力設定する時、少し気合いを入れ過ぎちゃって…一つの戦闘でもかなりの経験値が入るようになってるみたいです』
(精霊の里の時のあの戦闘が原因ってことか)
『まあ、そういうことになりますね』
(はー、何か勝手に強くなるってのも変な気もするが、まあ仕方ないか。そうなってしまったことは)
『ははあ…すいません。シェイさんには適当に、加護じゃないのか、と言っていただければと』
(ああ、分かったよ。教えてくれてありがおな)
『いえいえ、では私はこれで。この後準備がありますので』
(準備?何のだ?)
『ふふっ、それはもう少ししてからのお楽しみですっ』
はあ、よく分からんが何だか楽しそうな声音だ。まあまた教えてくれるだろ。
(そうかい。じゃあまたな)
『はい、頑張ってくださいね』
シンラと話すのは久しぶりのような気もするけどそうでもなかったか……?最後話したのいつだったっけな。
「…マヤ?ステータス見た?」
毎回シンラと話してるとボーッとしてるようになってしまう。
「ああ、見れたよ。何か強くなりすぎてるな。異常な程に」
「…私の時も割と速かった気もするけど、ここまでじゃなかったような…」
シェイが口に手を当てて考える仕草を見せる。うん、シェイはさっきシンラから聞いた通りの感じっぽいな。
「あー、ほら。あれじゃないのか?あの、加護ってやつ。もしかしたら経験値が大幅に上がったりする能力とかが付いてたりさ」
「…まぁ、それが一番妥当、かな。加護は複数持ちもいるし、不自然ではないかな」
ふぅ、加護って便利だな。今度から、また見つけた能力があればとりあえず加護って言っておこう。
「ええ、もちろん。もっと強くなってシェイヴァルを殺す為にね」
「…そうですかそうですか」
会話が物騒すぎる。
「二人とも殺し屋なのに目立つ舞台に出てもいいのか?」
「ああ、大丈夫だよ。僕達、冒険者としても有名だから」
「…この二人、黒ランク冒険者だよ。冒険者の中でも割と有名。確か二つ名が、《神速の兄妹》だったかな。この二人速いから」
確かに、さっきの速さを見ればその二つ名も納得だな。
「嫌味にしか聞こえないわね。私達よりももっと速いくせに」
アリアが恨みがましそうな視線を向ける。そういえば二人のステータスってどんなだろ?敏捷が高いのは大体分かるけど。
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アリア・アーネット
《仕事》/巫女/Lv.67/76
力5142
物理耐久12096
敏捷29512
魔力14213
魔力耐久10041
《スペキアーリススキル》
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クリア・アーネット
《仕事》/聖騎士/Lv.72/80
力16199
物理耐久15108
敏捷26523
魔力5071
魔力耐久17514
《スペキアーリススキル》
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うわ、速いな。あれ、スキルが見えない。あと、
「巫女?」
「あら?マヤ、鑑定のスキル持ってるの?」
あ、つい言葉に出てしまった。まあ別にいいか。
「ああ、ちょっと二人のステータス見させてもらったよ。勝手にごめんな」
「別に大丈夫よ、それが鑑定のスキルの真骨頂だもの。それで?私達のステータス、どうだった?」
アリアが自信たっぷりの顔で聞いてきた。所謂ドヤ顔だ。
「さっきから見てた時も思ったけど、やっぱ二人とも速いな。敏捷だけ見たら勇者って奴より速いんだろ?確か」
「ええ、そうよ!シェイヴァル以外には速さで負けるつもりは無いわ。いつかはシェイヴァルだって抜いて殺してやるんだから!」
アリアは興奮したように顔を紅潮させている。顔を紅くさせてるのはアリアの容姿と相まってとても愛らしい。うん、可愛い。
「…はいはい。頑張って殺してね」
シェイが手をひらひらさせながら適当に答える。
「そういえば、三人は《金龍祭》に出るの?」
クリアが思い出したかのように聞いてきた。
「…私は流石に出ない予定だけど、二人はどうする?」
うーん…どうするか悩んでるんだよなぁ。出るのも結構楽しそうだし、シェイ以外の相手と戦うのも良さそうなんだよな。でも、観るのも普通に楽しそうだし。
「私は、マヤさんが出るなら出ようかな、と思っていまして…」
「…マヤ、どうするの?」
「マヤ、悩んでるなら出てみなさいな。マヤを見てると、まだ経験が色々足らなさそうだからいい経験になると思うわよ?」
「そうだね。色んな人間と戦うのもいい事だと思うよ」
「見ただけで経験が無さそうとか分かるのか?」
「ええ、足運びとか、体幹がまだ未熟って感じがするわ。まあ多分一般人には分からないと思いますけど」
やっぱ熟練者からするとまだまだってことか。確かに戦闘の経験って少ないしな。シェイとの鍛錬は殆ど毎日やってるけどな。
「…うん、出てみるか。まあ元から興味はあったし」
「決まりね!私達はダブルスもシングルもどちらも出るけど、どうするの?」
あー、そういえば二つあったな。二人組で戦うダブルスと一人で戦うシングルか。
「折角出るんならどっちも出てみたいな。ミレイア、一緒に出てくれるか?」
「は、はい!よろしくお願いします!」
ミレイアが胸の前で手を握りしめて気合いを入れる。可愛い。
「それじゃあ、私達はそろそろ行くわ。三日後の《金龍祭》、楽しみにしてるわ」
「三人とも、またね」
「ああ、また三日後だな」
二人が手を振りながら通りに出て行った。
「二人と当たったらキツそうだな。二人ともすげえ速いし」
「…そうだね。でも、マヤならもしかしたら勝てるかも」
「そうか?ステータス的には全然負けてるような気がするんだが…」
ミレイアと出会って一回ステータスは見たけど殆ど期間経ってないしあんま変わってないだろうし。
「…それなんだけど。マヤのステータス、というかレベルが恐ろしい程の速さで成長してるよ。理由はよく分からないけど」
そういえばシェイは闇眼でステータス見れるんだっけか。
「でもこの間見てからまだ一週間も経ってないぞ?」
「…疑う前に自分で確認すればいい」
まあ確かにそれもそうか。どれどれと。
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天魔魔夜
《仕事》/ 邪神使徒/ Lv.58
力 18421
物理耐久 20041
敏捷 17902
魔力 22384
魔法耐久 15041
《スペキアーリススキル》
闇眼Lv.2
疲労回復Lv.5
闇影術式Lv.3
気配遮断Lv.2
危機察知Lv.3
鑑定Lv.3
場所把握Lv.4
言語理解
????
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ん?んんんん?!いや、ステータス上がりすぎだろ!?前回見た時は5桁とか一つも無かったぞ!なのに魔力と物理耐久がもう2万超えてるんだけど!?
「どういうことなんだよ、これ…」
敏捷以外のステータスはアーネット兄妹よりも高い。この上がり幅はおかしいだろ。
『ふっふっふっ。その疑問、私がお答えしましょう!』
(おお!その声はシンラ!久しぶりだな)
『はい、ご無沙汰してます。それで、魔夜さんの成長速度についてですが、まあ単純に言えば邪神の加護ってやつです』
(俺がステータスをいつでも見れたりシェイが身に付けてるものをすぐ出せるやつか?)
『そうですね。まあ邪神使徒の能力なんて全部加護ですので。それにシェイさんがこの能力を知らないのも仕方ないですよ。邪神使徒はLv.100を過ぎるとこの大幅な経験値の上昇は無くなるんです。シェイさんが邪神使徒になったのはLv.96の時ですからあまり分からなかったんでしょうね』
(なるほどな。でも俺、この前ステータスを見てから今まであんまり何かやった覚えは無いんだが…)
『あー、それはですね……』
(どうした?)
『ははは…ちょっと魔夜さんの能力設定する時、少し気合いを入れ過ぎちゃって…一つの戦闘でもかなりの経験値が入るようになってるみたいです』
(精霊の里の時のあの戦闘が原因ってことか)
『まあ、そういうことになりますね』
(はー、何か勝手に強くなるってのも変な気もするが、まあ仕方ないか。そうなってしまったことは)
『ははあ…すいません。シェイさんには適当に、加護じゃないのか、と言っていただければと』
(ああ、分かったよ。教えてくれてありがおな)
『いえいえ、では私はこれで。この後準備がありますので』
(準備?何のだ?)
『ふふっ、それはもう少ししてからのお楽しみですっ』
はあ、よく分からんが何だか楽しそうな声音だ。まあまた教えてくれるだろ。
(そうかい。じゃあまたな)
『はい、頑張ってくださいね』
シンラと話すのは久しぶりのような気もするけどそうでもなかったか……?最後話したのいつだったっけな。
「…マヤ?ステータス見た?」
毎回シンラと話してるとボーッとしてるようになってしまう。
「ああ、見れたよ。何か強くなりすぎてるな。異常な程に」
「…私の時も割と速かった気もするけど、ここまでじゃなかったような…」
シェイが口に手を当てて考える仕草を見せる。うん、シェイはさっきシンラから聞いた通りの感じっぽいな。
「あー、ほら。あれじゃないのか?あの、加護ってやつ。もしかしたら経験値が大幅に上がったりする能力とかが付いてたりさ」
「…まぁ、それが一番妥当、かな。加護は複数持ちもいるし、不自然ではないかな」
ふぅ、加護って便利だな。今度から、また見つけた能力があればとりあえず加護って言っておこう。
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