邪神使徒転生のススメ
20.大型敵
 虎狼を肩慣らしに倒した後、他の魔獣を倒すべく俺とシェイは《迷宮》内を進んでいた。
 「何か集団でいっぱいいるな、あいつら。」
 「…あいつらは昨日も倒してた小蜂。1体1体はそう大した強さではない。でも集団で来られるとちょっと厄介かもね。」
 昨日小蜂を倒した時は全部1体ずつだった。というより集団で行動していなかった。
 数が多いから練習には丁度いいかもしれない。
 「…戦うのちょっと待った。」
 おおっと、何だ?折角奇襲を仕掛けてやろうと思ってたとこなのに。
 「…今回はあえて奇襲は無しで戦って。」
 「奇襲したらダメなのか?」
 「…折角あれだけ数がいるんだから多対1の状況で戦う練習をしよう。奇襲したら多分すぐ終わっちゃうし。」
 「そっか、まあそれもそうだな。」
 確かにあのまま奇襲してたら一気に倒してたかもしれないな。
 「…じゃあ行くよ。」
 シェイはその辺に落ちてた石っころを拾ってわざと音を立てて小蜂が気付くように投げた。
 案の定小蜂は気付いてこちらへ向かって来た。
 「…じゃああとはがんばって。」
 そう言うとシェイはぴょこっと岩の陰に隠れた。
 鮮やかな手際だな…。小蜂も全員俺の方に向かって来てるし。
 「まあやるしかないんだけどな…。」
 とりあえず突っ込んで来た小蜂達を避けて間合いをとる。
 「ちょっと試してみるか…。」
 実は多対1の話を聞いた時試してみたい戦い方があった。ただこれは出来るか分からないから試してみないといけない。
 「大いなる水よ、彼の者に降りかかれ。《スプラッシュレイン》!」
 おお、出来たできた。実は雨を降らせたかったのだ。
 これは自然現象的にどうなんだ?って思ってたけど上手くいって良かった。
 これで準備は出来た。さあ、一気にやるか。
 「轟け雷鳴、弾け飛べ。《フルミネランポ》!」
 小蜂達の頭上に雲が浮かび雷が轟いた。その瞬間、小蜂達は全員感電し一気に倒れた。
 「…ほほー、なるほどね。その手があったか。確かにこれなら一気に殲滅出来るね。」
 「ふふふふ。そうだろうそうだろう、今回は結構自信があったんだよ。」
 「…でもさ。」
 むむむ、また何かあるのか?
 「…もう一気に炎で包んで丸焼けにすれば1発じゃなかった?」
 「………………。」
 …まあね、確かにね、そうなんだけどね。確かにそうだけどさー!
 「ほらさ…何か…感電して倒すってのも何かやってみたかったんだよ!」
 完全に単なる趣味だった。
 「…まあ別にちゃんと倒せてたしいいけどね。」
 じゃあいいじゃん。
 「それで?今日は結局3階層まで行くのか?」
 「…そうだね、ちょっと行ってみよっか。」
 「3階層に行くと何か変わることがあるのか?」
 「…基本的には何も変わらないよ。でも、少し大きい敵が1体いるの。」
 へー、大きい敵か。ちょっと強い中ボスみたいな感じかな。
「じゃあそいつと戦うのが目的か?」
 「…まあそういうことになるね。多分今のマヤなら勝てると思うし。」
 そっかー。まあ今まで戦ってきたのは 自分より小さい敵ばかりだったからな。
 「そういうことなら早く行くか。他の魔獣達も倒しながら。」
 行き先も決まったところで魔獣を倒して魔法石を回収しながら先に進んだ。
 「…着いた。」
 「着いたな。」
 地下3階層は上の2階層までに比べ辺りは暗かった。
 「これは周りが見えづらいな。」
 「…まあ多少見えなくはなったけどあんまり支障はないはずだよ。」
 「…それってレベルが上がってくると暗視が付くみたいなもんじゃないのか?」
 「…別に私がスキルを持っているわけではない。…でも確かに視力はレベルが上がるに連れて少しずつ良くなってるかも…しれない。」
 ほらー。やっぱそうじゃないですかー。俺まだレベル低いんですよー。
 「…まあ練習だと思ってがんばって。」
 「くそう…他人事だと思って…。」
 「…他人事だし。」
 ド正論である。
 「まあいいよ…。さっさとその大きいやつ探そう…。」
 「…それなら向こうから来てるよ。」
 「あ、ほんとだ。」
 俺達が見ている先には大熊と呼ばれているらしいやつがいた。
 確かに大きかった。俺の2倍、約3mぐらいはありそうだった。バスケットゴールと同じぐらいの高さだ。
 「…さっさとやっちゃおう。これが終わったら今日の探索はお終いだから。」
 「へいへい、やっつけてきますよ。」
 大熊は見た目通りあんまり素早くはないようだ。
 これならまず相手を撹乱した後隙をつきながら攻撃を行うことになりそうだ。
 まだ相手との距離はあるからとりあえず魔法を撃つ。
 「全ての空気よ火へと為れ。《カーロスフィア》!」
 今回は全て命中した。しかし、《カーロスフィア》はあまり1発1発が強くないため大熊相手にはあまりダメージを与えられていない。
 今の攻撃でこちらを完璧に敵と認識し大熊がこちらへ走って来た。
 とりあえず落ち着いて相手の攻撃を躱す。すぐさま相手は二撃目を放ってくる。それもまた躱す。
 あれを使えば体勢崩れるか。
 「凍土と為れ。《フローズンロール》!」
 大熊の足元が突如凍らされ氷の床になった。攻撃を外した大熊は氷で滑って体勢が崩れた。
 よし、あれを使ってみるか。
 「炎魔よ、剣へと宿れ。《フレイエンチャント》!」
 俺は短剣に炎を纏わせた。これなら短剣は元々の攻撃力の低さをカバーすることが出来て便利だ。
 「はぁァっ!」
 俺は体勢を崩した大熊に炎を纏った短剣で何度も切りつける。連続して攻撃出来るのは短剣の長所だからな。
 「グワァァァッッ!!!」
 大熊が熱さに思わず悲鳴を上げる。
 しかし、大熊もその程度では屈しなかった。炎剣で攻撃されながらも魔夜に反撃をする。
 「くっっ!!」
攻撃に集中していた魔夜は少し反応が遅れ全ての攻撃を防ぐことは出来なかった。
 「ならこれでどうだ!風と炎よ舞い踊れ。《スフィアストーム》!」
 大熊は炎と風が合わさった竜巻に巻き込まれ痛手を負った。
 「これで終いだ!闇の刃よ、虚無に帰せ。《フォンセボイド》!」
 虎狼を倒した時と同じ魔法で大熊の四肢や身体を切り裂く。
 やがて大熊は動けなくなり前に倒れ込む。
 「……ふぅ、何とか倒せたか。」
 「…お疲れ様、なかなか良かったんじゃないかな。」
 「1発攻撃喰らったのは良くなかったかなー。それ以外は俺もよく出来てたと思う。」
 「…確かにね。特に短剣に炎を纏わせたのは良かったと思うよ。短剣の弱点の攻撃力も大分カバー出来てたし。」
 あれは結構良かったと思う。弱点をカバーすることは大事なことだからな。
 「…攻撃を喰らうことは戦う上では避けられないもの。気にしなくてもいい。ただ注意を出来てれば良かったとは思うけどね。」
 「そうだな。大きい相手との戦い方も勉強になったしまた明日もこいつ狩りに来るか。」
 反省会も終えたところで今日の狩りはこの辺で終わりにして地上に戻ることにした。
 地上に戻ったらシェイに頼みたい事もあるしな。
 ちなみにお昼は3階層に来るまでに食べた。美味しかったです。
 「何か集団でいっぱいいるな、あいつら。」
 「…あいつらは昨日も倒してた小蜂。1体1体はそう大した強さではない。でも集団で来られるとちょっと厄介かもね。」
 昨日小蜂を倒した時は全部1体ずつだった。というより集団で行動していなかった。
 数が多いから練習には丁度いいかもしれない。
 「…戦うのちょっと待った。」
 おおっと、何だ?折角奇襲を仕掛けてやろうと思ってたとこなのに。
 「…今回はあえて奇襲は無しで戦って。」
 「奇襲したらダメなのか?」
 「…折角あれだけ数がいるんだから多対1の状況で戦う練習をしよう。奇襲したら多分すぐ終わっちゃうし。」
 「そっか、まあそれもそうだな。」
 確かにあのまま奇襲してたら一気に倒してたかもしれないな。
 「…じゃあ行くよ。」
 シェイはその辺に落ちてた石っころを拾ってわざと音を立てて小蜂が気付くように投げた。
 案の定小蜂は気付いてこちらへ向かって来た。
 「…じゃああとはがんばって。」
 そう言うとシェイはぴょこっと岩の陰に隠れた。
 鮮やかな手際だな…。小蜂も全員俺の方に向かって来てるし。
 「まあやるしかないんだけどな…。」
 とりあえず突っ込んで来た小蜂達を避けて間合いをとる。
 「ちょっと試してみるか…。」
 実は多対1の話を聞いた時試してみたい戦い方があった。ただこれは出来るか分からないから試してみないといけない。
 「大いなる水よ、彼の者に降りかかれ。《スプラッシュレイン》!」
 おお、出来たできた。実は雨を降らせたかったのだ。
 これは自然現象的にどうなんだ?って思ってたけど上手くいって良かった。
 これで準備は出来た。さあ、一気にやるか。
 「轟け雷鳴、弾け飛べ。《フルミネランポ》!」
 小蜂達の頭上に雲が浮かび雷が轟いた。その瞬間、小蜂達は全員感電し一気に倒れた。
 「…ほほー、なるほどね。その手があったか。確かにこれなら一気に殲滅出来るね。」
 「ふふふふ。そうだろうそうだろう、今回は結構自信があったんだよ。」
 「…でもさ。」
 むむむ、また何かあるのか?
 「…もう一気に炎で包んで丸焼けにすれば1発じゃなかった?」
 「………………。」
 …まあね、確かにね、そうなんだけどね。確かにそうだけどさー!
 「ほらさ…何か…感電して倒すってのも何かやってみたかったんだよ!」
 完全に単なる趣味だった。
 「…まあ別にちゃんと倒せてたしいいけどね。」
 じゃあいいじゃん。
 「それで?今日は結局3階層まで行くのか?」
 「…そうだね、ちょっと行ってみよっか。」
 「3階層に行くと何か変わることがあるのか?」
 「…基本的には何も変わらないよ。でも、少し大きい敵が1体いるの。」
 へー、大きい敵か。ちょっと強い中ボスみたいな感じかな。
「じゃあそいつと戦うのが目的か?」
 「…まあそういうことになるね。多分今のマヤなら勝てると思うし。」
 そっかー。まあ今まで戦ってきたのは 自分より小さい敵ばかりだったからな。
 「そういうことなら早く行くか。他の魔獣達も倒しながら。」
 行き先も決まったところで魔獣を倒して魔法石を回収しながら先に進んだ。
 「…着いた。」
 「着いたな。」
 地下3階層は上の2階層までに比べ辺りは暗かった。
 「これは周りが見えづらいな。」
 「…まあ多少見えなくはなったけどあんまり支障はないはずだよ。」
 「…それってレベルが上がってくると暗視が付くみたいなもんじゃないのか?」
 「…別に私がスキルを持っているわけではない。…でも確かに視力はレベルが上がるに連れて少しずつ良くなってるかも…しれない。」
 ほらー。やっぱそうじゃないですかー。俺まだレベル低いんですよー。
 「…まあ練習だと思ってがんばって。」
 「くそう…他人事だと思って…。」
 「…他人事だし。」
 ド正論である。
 「まあいいよ…。さっさとその大きいやつ探そう…。」
 「…それなら向こうから来てるよ。」
 「あ、ほんとだ。」
 俺達が見ている先には大熊と呼ばれているらしいやつがいた。
 確かに大きかった。俺の2倍、約3mぐらいはありそうだった。バスケットゴールと同じぐらいの高さだ。
 「…さっさとやっちゃおう。これが終わったら今日の探索はお終いだから。」
 「へいへい、やっつけてきますよ。」
 大熊は見た目通りあんまり素早くはないようだ。
 これならまず相手を撹乱した後隙をつきながら攻撃を行うことになりそうだ。
 まだ相手との距離はあるからとりあえず魔法を撃つ。
 「全ての空気よ火へと為れ。《カーロスフィア》!」
 今回は全て命中した。しかし、《カーロスフィア》はあまり1発1発が強くないため大熊相手にはあまりダメージを与えられていない。
 今の攻撃でこちらを完璧に敵と認識し大熊がこちらへ走って来た。
 とりあえず落ち着いて相手の攻撃を躱す。すぐさま相手は二撃目を放ってくる。それもまた躱す。
 あれを使えば体勢崩れるか。
 「凍土と為れ。《フローズンロール》!」
 大熊の足元が突如凍らされ氷の床になった。攻撃を外した大熊は氷で滑って体勢が崩れた。
 よし、あれを使ってみるか。
 「炎魔よ、剣へと宿れ。《フレイエンチャント》!」
 俺は短剣に炎を纏わせた。これなら短剣は元々の攻撃力の低さをカバーすることが出来て便利だ。
 「はぁァっ!」
 俺は体勢を崩した大熊に炎を纏った短剣で何度も切りつける。連続して攻撃出来るのは短剣の長所だからな。
 「グワァァァッッ!!!」
 大熊が熱さに思わず悲鳴を上げる。
 しかし、大熊もその程度では屈しなかった。炎剣で攻撃されながらも魔夜に反撃をする。
 「くっっ!!」
攻撃に集中していた魔夜は少し反応が遅れ全ての攻撃を防ぐことは出来なかった。
 「ならこれでどうだ!風と炎よ舞い踊れ。《スフィアストーム》!」
 大熊は炎と風が合わさった竜巻に巻き込まれ痛手を負った。
 「これで終いだ!闇の刃よ、虚無に帰せ。《フォンセボイド》!」
 虎狼を倒した時と同じ魔法で大熊の四肢や身体を切り裂く。
 やがて大熊は動けなくなり前に倒れ込む。
 「……ふぅ、何とか倒せたか。」
 「…お疲れ様、なかなか良かったんじゃないかな。」
 「1発攻撃喰らったのは良くなかったかなー。それ以外は俺もよく出来てたと思う。」
 「…確かにね。特に短剣に炎を纏わせたのは良かったと思うよ。短剣の弱点の攻撃力も大分カバー出来てたし。」
 あれは結構良かったと思う。弱点をカバーすることは大事なことだからな。
 「…攻撃を喰らうことは戦う上では避けられないもの。気にしなくてもいい。ただ注意を出来てれば良かったとは思うけどね。」
 「そうだな。大きい相手との戦い方も勉強になったしまた明日もこいつ狩りに来るか。」
 反省会も終えたところで今日の狩りはこの辺で終わりにして地上に戻ることにした。
 地上に戻ったらシェイに頼みたい事もあるしな。
 ちなみにお昼は3階層に来るまでに食べた。美味しかったです。
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