邪神使徒転生のススメ
07.パーティー結成
 「……どうして俺の《仕事》が分かったんだ?」
 俺が問いただすと少女は焦った様子もなく答えた。
 「…私の《スペキアーリススキル》の能力です。普段は意識しないと使えないんですけど、相手と触れることで勝手に発動するんです。」
 「自分で聞いといてなんだけど、自分のスキルのことを他人に喋ってもいいのか?」
 「…本当に今更だと思いますけど…。大丈夫です。このスキルは同じ《仕事》の人にしか発動しないのでまず使うことはありませんし、知られたところで悪用のしようがないですし。」
 「同じ《仕事》の人しか反応しないってことは君の《仕事》は….。」
 《仕事》の話はここでしたらいけないのかな。少しここから離れた方がいいか。
 「…すいません。その前に少し移動しませんか?ここは、人が多いですし。」
 彼女も同じ考えをしたようで、俺は了承して場所を移した。
 「…さっきの話の続きだけど、もしかして君は邪神使徒なのか?」
 俺が問いかけると彼女は首を縦に振り首肯した。
 「さっき君が言っていた同じ《仕事》の人を初めて見たってことは、邪神使徒って大分珍しいのか?」
 俺が疑問に思ったことを聞くと彼女は驚き唖然としていた。
 「…あなた、まさかそんなことも知らずに今まで過ごしてたんですか?」
 「う……。すまない、俺は随分世間知らずであまりこの街もこの世界のこともほとんど知らないんだ。」
 まさか転生して来ましたー、なんて言えるわけないので世間知らずで乗り切ることにした。…大丈夫かな?
 「…流石に世間知らずにも程がある。そんな常識を知らないなんて人とは思えない。」
 そこまで言われるのか…。もう呆れすぎたのか、敬語もなくなってるしな。この際だから彼女にこの世界のこと色々聞いてみることにするか。
 「えっとさ、この際色々教えて貰えると助かるんだけど、えーと…。」
 しまった。この子の名前聞いてなかった。名前聞く前に《仕事》のこと聞いてしまった。
 「…私の名前はシェイヴァル。シェイと呼んで。」
 俺が言い淀んでいる間に彼女…シェイは俺の心情を汲み取ったのか、自分から名前を名乗ってくれた。
 「ああ、分かった。ありがとうシェイ。俺の名前は天魔魔夜っていう。よろしくな、天魔でも魔夜でも好きなように呼んでくれ。」
「…ん。分かった、マヤ。よろしくね。」
 ふぅ。お互い遅い自己紹介をしたところで話に戻るか。
 「…マヤはこのままにしておくと大分危険。だから一般常識諸々を教えてあげる。」
 「すまん。助かる、ありがとう。」
 「…取り敢えず初対面の人には敬語を使おうね。」
 うっ……。そういえばシンラにも最初から敬語使ってなかったな…。無意識って怖い。今度からは最初は敬語を心がけていこう。
 「…それに関しては悪いと思っている。この間も言われたからな。」
 「…前科があったの?それなのに全く反省してないのね。」
 ……ぐうの音も出ない。結構この子…シェイはズバズバ物事を言うタイプだな。見た目おとなしめな感じだけどな。
 「…何の文句も言えないけど、取り敢えず話を聞かせてもらっていいか?」
 「…分かった。じゃあ、まずこの世界の迷宮についてはどのぐらい知ってるの?」
 「存在は知ってるけどどのぐらいの数あるかとかどんな物かは入ったことないから分かんないな。」
 「…まず数についてだけど、数ははっきりしてないの。《迷宮》は分かりやすい所にあるものもあるけどまだ発見されてないようなものもある。…多分。…もしかしたら人間には行けないような場所にもある場合も考えられるから。」
 「なるほど…そういう感じか。分かった。数に関してはこれ以上はいいよ。ありがと。」
 「…うん。次に《迷宮》の内部についてだけど、分かってる範囲では各《迷宮》毎に特徴が違う。」
 特徴か。まあ多分魔法が効きにくいとか物理攻撃が効きにくいとかだろう。
 「…例えば、《迷宮》内が水に溢れている所もある。」
 「え。…俺が想像してたのと大分違う…。」
 まさかの水中ですか…。息できなくね?
 「…一応言っておくけど《迷宮》内なら息はすることができる。《迷宮》内の水は特別だから。」
そんな便利な…。流石異世界。何でもありだな。
 「ところでこの街にも《迷宮》ってあるのか?」
 「…ほんとに、何も知らないんだ…。ここの街にも《迷宮》はある。じゃないと、こんな大きな冒険者ギルドはない。」
 ギルドの大きさはその近くにある《迷宮》の規模によって違う、みたいなもんか。
 「…マヤは、もしかして《迷宮》で狩りをするつもりなの?」
 「ん?ああ、そのつもりだよ。金もないし。」
 「…もし良かったら私もついて行っていい?」
 「シェイも来てくれるのか?良かった、俺戦ったこともないから助かるよ。」
 「…やっぱり。そんなことだろうと思った。まだ少ししか話してないけど何となくマヤがバカなんじゃないかと思った。」
 「ちょっと待て!何でそうなる!?」
 俺がバカか判断するの早すぎないか!?
 「…当然の判断。だって《迷宮》のことをほとんど何も知らずに行くなんて自殺行為。それに戦い方は知らない。」
 「む…。まぁ、事実だけど…。」
 「…ほらね。そんなんじゃすぐに魔獣のエサになっちゃう。一応知り合ったよしみで少しの期間特訓と魔獣狩り、手伝ってあげる。」
 すごい上からの態度だが相手が正しいから何も言い返せない……。
 「まぁ、こっちとしても助かるからお願いするよ。よろしくな、シェイ。」
 俺は握手を求めるように手を出した。
 「…うん。こちらこそよろしく、マヤ。」
 そうしてシェイは握手に応えるように手を出した。初めて触るシェイの手は、とても温かかった。
 俺が問いただすと少女は焦った様子もなく答えた。
 「…私の《スペキアーリススキル》の能力です。普段は意識しないと使えないんですけど、相手と触れることで勝手に発動するんです。」
 「自分で聞いといてなんだけど、自分のスキルのことを他人に喋ってもいいのか?」
 「…本当に今更だと思いますけど…。大丈夫です。このスキルは同じ《仕事》の人にしか発動しないのでまず使うことはありませんし、知られたところで悪用のしようがないですし。」
 「同じ《仕事》の人しか反応しないってことは君の《仕事》は….。」
 《仕事》の話はここでしたらいけないのかな。少しここから離れた方がいいか。
 「…すいません。その前に少し移動しませんか?ここは、人が多いですし。」
 彼女も同じ考えをしたようで、俺は了承して場所を移した。
 「…さっきの話の続きだけど、もしかして君は邪神使徒なのか?」
 俺が問いかけると彼女は首を縦に振り首肯した。
 「さっき君が言っていた同じ《仕事》の人を初めて見たってことは、邪神使徒って大分珍しいのか?」
 俺が疑問に思ったことを聞くと彼女は驚き唖然としていた。
 「…あなた、まさかそんなことも知らずに今まで過ごしてたんですか?」
 「う……。すまない、俺は随分世間知らずであまりこの街もこの世界のこともほとんど知らないんだ。」
 まさか転生して来ましたー、なんて言えるわけないので世間知らずで乗り切ることにした。…大丈夫かな?
 「…流石に世間知らずにも程がある。そんな常識を知らないなんて人とは思えない。」
 そこまで言われるのか…。もう呆れすぎたのか、敬語もなくなってるしな。この際だから彼女にこの世界のこと色々聞いてみることにするか。
 「えっとさ、この際色々教えて貰えると助かるんだけど、えーと…。」
 しまった。この子の名前聞いてなかった。名前聞く前に《仕事》のこと聞いてしまった。
 「…私の名前はシェイヴァル。シェイと呼んで。」
 俺が言い淀んでいる間に彼女…シェイは俺の心情を汲み取ったのか、自分から名前を名乗ってくれた。
 「ああ、分かった。ありがとうシェイ。俺の名前は天魔魔夜っていう。よろしくな、天魔でも魔夜でも好きなように呼んでくれ。」
「…ん。分かった、マヤ。よろしくね。」
 ふぅ。お互い遅い自己紹介をしたところで話に戻るか。
 「…マヤはこのままにしておくと大分危険。だから一般常識諸々を教えてあげる。」
 「すまん。助かる、ありがとう。」
 「…取り敢えず初対面の人には敬語を使おうね。」
 うっ……。そういえばシンラにも最初から敬語使ってなかったな…。無意識って怖い。今度からは最初は敬語を心がけていこう。
 「…それに関しては悪いと思っている。この間も言われたからな。」
 「…前科があったの?それなのに全く反省してないのね。」
 ……ぐうの音も出ない。結構この子…シェイはズバズバ物事を言うタイプだな。見た目おとなしめな感じだけどな。
 「…何の文句も言えないけど、取り敢えず話を聞かせてもらっていいか?」
 「…分かった。じゃあ、まずこの世界の迷宮についてはどのぐらい知ってるの?」
 「存在は知ってるけどどのぐらいの数あるかとかどんな物かは入ったことないから分かんないな。」
 「…まず数についてだけど、数ははっきりしてないの。《迷宮》は分かりやすい所にあるものもあるけどまだ発見されてないようなものもある。…多分。…もしかしたら人間には行けないような場所にもある場合も考えられるから。」
 「なるほど…そういう感じか。分かった。数に関してはこれ以上はいいよ。ありがと。」
 「…うん。次に《迷宮》の内部についてだけど、分かってる範囲では各《迷宮》毎に特徴が違う。」
 特徴か。まあ多分魔法が効きにくいとか物理攻撃が効きにくいとかだろう。
 「…例えば、《迷宮》内が水に溢れている所もある。」
 「え。…俺が想像してたのと大分違う…。」
 まさかの水中ですか…。息できなくね?
 「…一応言っておくけど《迷宮》内なら息はすることができる。《迷宮》内の水は特別だから。」
そんな便利な…。流石異世界。何でもありだな。
 「ところでこの街にも《迷宮》ってあるのか?」
 「…ほんとに、何も知らないんだ…。ここの街にも《迷宮》はある。じゃないと、こんな大きな冒険者ギルドはない。」
 ギルドの大きさはその近くにある《迷宮》の規模によって違う、みたいなもんか。
 「…マヤは、もしかして《迷宮》で狩りをするつもりなの?」
 「ん?ああ、そのつもりだよ。金もないし。」
 「…もし良かったら私もついて行っていい?」
 「シェイも来てくれるのか?良かった、俺戦ったこともないから助かるよ。」
 「…やっぱり。そんなことだろうと思った。まだ少ししか話してないけど何となくマヤがバカなんじゃないかと思った。」
 「ちょっと待て!何でそうなる!?」
 俺がバカか判断するの早すぎないか!?
 「…当然の判断。だって《迷宮》のことをほとんど何も知らずに行くなんて自殺行為。それに戦い方は知らない。」
 「む…。まぁ、事実だけど…。」
 「…ほらね。そんなんじゃすぐに魔獣のエサになっちゃう。一応知り合ったよしみで少しの期間特訓と魔獣狩り、手伝ってあげる。」
 すごい上からの態度だが相手が正しいから何も言い返せない……。
 「まぁ、こっちとしても助かるからお願いするよ。よろしくな、シェイ。」
 俺は握手を求めるように手を出した。
 「…うん。こちらこそよろしく、マヤ。」
 そうしてシェイは握手に応えるように手を出した。初めて触るシェイの手は、とても温かかった。
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