いじめられっ子は、異世界で幸せに

藤色

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 あの日から約ひと月がたった。

 (いよいよ、今日は王都へルクレシア学園の入学試験に行く日です!二人からのお金を無駄にしないよう、絶対に合格しなくては!)

 エミリーさんからのルクレシア学園の入学試験予想問題をたくさん解いたり、草原で一日中魔法の特訓をしたりしたのだ。合格する可能性は十分にあるだろう。

(荷物は全部入ってる。あとはお財布を持って…。)


「道中気をつけてね。」
「…心配だ…。やっぱり行かせるのはやめようか…?」
「もう!スノウったら、やめて頂戴。この子も頑張ったのよ?努力が水の泡になってしまうわ。」
「しかしだな……!」
「ふふ、スノウさん。一生のお別れじゃないのですから、大丈夫ですよ。じゃあ、行ってきますね!」
「「行ってらっしゃい。」」







 (よし、まずはタミヤーナの街まで行くんだよね。がんばるぞー!)

 わたしは歩いてルクレシア学園まで行くのだ。
 大変だけど、二人の期待に応えたい。
 それに、昔受けていた罰に比べれば、これくらいなんてことない。

 

 およそ10時間後。

 あたりが暗くなり始めてきた。
 そこでふと、馬車が見えた。
 いいなぁ…なんて考えていると。

(うそ!あの馬車、襲われてる!)

 なんとその馬車は、魔獣、だろうか?普通ではない動物に襲われかけていたのだ。

(助けないと!)

 わたしはとっさに、火魔法の呪文を唱えた。


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